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液晶REGZA最上位「Z720X」はBS4K+直下LED+新IPS+バズーカ+全録。49型20万円

 東芝映像ソリューションは、薄型テレビ「REGZA(レグザ)」の液晶フラッグシップシリーズ「Z720X」を9月下旬より発売する。高コントラストIPSパネルやタイムシフトマシン、重低音バズーカスピーカーなどを搭載し、49型「49Z720X」と、55型「55Z720X」の2モデルで展開。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は49型が20万円前後、55型が24万円前後。

REGZA Z720Xシリーズ

 REGZAの液晶フラッグシップシリーズ「Z」として展開。'17年にはVA方式の液晶パネルと高輝度全面LEDバックライトの液晶フラッグシップ「Z810X」と、IPSパネルのリビング高画質+バズーカスピーカー「BZ710X」の2シリーズ展開だったが、'18年モデルは両者の特徴を融合し、さらに新4K衛星放送チューナ(BS/CS 4Kチューナ)を搭載。また、有機EL「X920シリーズ」と同等の映像エンジン「レグザエンジン Evolution PRO」を搭載し、画質や操作レスポンスの向上を図っている。

55Z720X
49Z720X

 各社テレビの最上位モデルが有機ELとなる中、“ハイスペック全部入り”をテーマに液晶フラッグシップZの2018年シリーズを展開。バズーカスピーカーやBS 4Kなど機能の充実に加え、初値で49型20万円という価格設定で、地デジ移行期テレビ購入者の買い替え需要を狙う。

高コントラストIPS+新エンジンで地デジも4Kも画質向上

 液晶パネルは、55/49型とも3,840×2,160ドットの4K解像度でIPS方式。LGディスプレイ製の「高コントラストIPS液晶パネル」で、電極部分に透明な素材を採用することで、反射光を抑制。これにより明るい環境下でのコントラスト(明所コントラスト)を約2倍に向上。リビングでの使いやすさを高めている。

55Z720X
高コントラストIPS液晶パネルを採用

 IPSパネルでは、VAパネルに比べてコントラストが弱いとされてきたが、新パネルの採用により明所のコントラストは大幅に向上。明るい場所での黒の締まりを向上し、リビングで使いやすいテレビに仕上げたという。

 また、広色域パネルと直下型LEDバックライト(全面直下LED)のリアルブラックを採用し、倍速駆動に対応。LEDのエリアコントロール(部分駆動)により明暗のコントラスト表現力を向上し、HDR映像信号の再現性を高めた。輝度は約800nit。HDR方式はHDR10とHLG(ハイブリッドログガンマ)に対応する。

直下型LEDバックライトを導入

 映像エンジンは「レグザエンジンEvolution PRO」。有機EL最上位のX920シリーズと同等の映像処理性能を備え、超解像技術を用いた地デジや4K放送の画質向上技術「BS/CS 4KビューティX PRO」を導入している。

X920シリーズと同等のレグザエンジンEvolution PRO

 BS/CS 4KビューティX PROは、映像の種類ごとに適切なフレームを参照して、ノイズリダクションや3フレームを使った超解像を実行。ノイズやちらつきを抑えたクリアな画質を再現できるという。4K放送や地デジなどの解像度の違いや、30フレーム、24フレームなどの映像素材の違いを検出しながら、適した超解像処理を行ない、ノイズやちらつきを抑える。

BS/CS 4KビューティX PRO

 Z720Xでは、新たに60フレーム映像の処理を改善。超解像処理のために参照するフレームは、従来1フレームごとだったが、3フレームごとに変更し、ノイズ低減とちらつき低減の効果を高めたという。

 「地デジビューティX PRO」も導入し、地デジのノイズを抑制。従来はスケーラーで拡大していたフルHD化処理にも超解像処理を加え、精細感を高めた。2月からは、多くのBS放送の解像度が横1,440ドットに下がっており(従来は1,920ドット)、こうしたBS放送のノイズ感も改善する。

地デジビューティX PRO

 HDR映像の臨場感を高める「HDRリアライザーPRO」も搭載。輝度ヒストグラム分布に連動したコントラスト制御を行ない、立体感ある映像再現を実現する。明るいシーンでの色飽和を検出して階調を再現、肌の質感表現を高める「美肌リアライザー」も搭載する。

 映像メニューもX920相当に強化。「映像調整」-「映像分析情報」では、従来通りに輝度分布ヒストグラムと質感リアライザーのリアルタイム補正カーブを表示するほか、2ページ目にピーク輝度と平均輝度の推移グラフと、映像の水平周波数ヒストグラムが表示できるようになった。Ultra HD Blu-rayのシーンごとの最大輝度や平均輝度(APL)などを取得・確認できるため、画質調整に役立てられる。

映像分析情報で、APLなどを取得可能に

バズーカスピーカー搭載

 スピーカーは「重低音バズーカオーディオシステム PRO」。新型バスレフボックス2ウェイフロントスピーカーと重低音バズーカウーファーから構成される4.1chシステムで、総合出力は66W(15W+15W+8W+8W+20W)。迫力ある重低音とクリアな音質を目指し、レグザサウンドイコライザー・ハイブリッドのサウンドリフト機能により、自然な音像定位や臨場感の向上を図っている。

重低音バズーカオーディオシステム PRO
新2ウェイフロントスピーカーを搭載
スピーカー構成

 番組表情報を参照しながら、最適な音質モードを選択するおまかせモードを装備。重低音は弱/中/強の3段階で選択できる。

BS 4Kチューナやタイムシフトマシンを搭載

 チューナは、地上デジタル×9(タイムシフトマシン含む)とBS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送が1系統、スカパー! プレミアムチューナが1系統。別売のUSB HDDへの録画に対応。地デジ/BS/CSは2番組の同時録画に対応。4K放送の録画は1番組のみとなる。

55Z720X

 放送受信機(テレビ)としての注目は「BS 4Kチューナ」、「タイムシフトマシン」の搭載だ。

 BS 4Kチューナを搭載し、12月1日にスタートする新BS/CS 4K放送を視聴可能になる。BS/CS 4K放送で予定されている全18チャンネルを視聴するためには、「左旋円波」対応の環境が必要だが、BS朝日、BS-TBS、BSジャパン、BSフジ、BS日テレ(2019年12月放送開始)の民放キー局系と、NHKは、従来のアンテナ(右旋)でも受信可能。そのため、まずはアンテナにつなげるだけで主要なBS 4Kチャンネルを視聴できる。

 リモコンにはBS/CS[4K]ボタンを装備。専用ボタンですぐに4K放送を呼び出せる。さらに別売USB HDDへのBS 4K番組録画にも対応する。

リモコン
Netflixボタンも

 なお、BS 4K放送の視聴には、10月後半に提供予定の「BS/CS 4K視聴チップ」が必要。このチップをREGZA側面の専用端子に接続することで、BS 4K放送を視聴可能になる。チップの入手には、ネットからの申し込みが必要。

BS/CS 4K視聴チップ

 さらに全録の「タイムシフトマシン」を搭載。別途用意したUSB HDDに最大6チャンネルの地上デジタル放送番組を常時録画し、放送番組を蓄積して、自由に視聴できる。タイムシフト用HDDは標準HDDと増設HDDの2台が接続できる。

タイムシフトマシン

 タイムシフト録画番組は、「過去番組表」のほかジャンル別リストから見たい番組をすぐに再生できる「ざんまいスマートアクセス」にも対応する。

 番組を見ながら、地デジ6チャンネルを画面上にサムネイルで同時表示する「丸ごとチャンネル」にも対応する。

 また通常録画用のHDDも、USB 3.0ハブを利用することで一度に4台まで認識可能。1台あたりの最大8TBまで対応し、8TB×4台=32TBまでのHDDを接続できる(HDDの登録自体は8台まで)。

 毎回録画予約しなくても、おすすめのドラマやアニメ、好きなタレントなどのテーマで自動録画できる「おまかせ録画」を搭載。また、好きなジャンルや人物、番組などの関連番組/コンテンツの[パック]から、録画やコンテンツ検索が行なえる「みるコレ」にも対応。パックを選択すると、録画番組や未来番組(今後放送予定)、YouTubeなどから見たい番組を選べ、最新アニメのパックを選べば、関連番組を一気に録画予約(通常録画)できる。

Google&Alexa対応。HDMIは全て18Gbps

 2画面同時表示の「ダブルウィンドウ」に対応。放送+放送、放送+外部入力、4K放送+放送の組み合わせで2画面表示が可能で、画面の拡大や縮小に対応。3段階でサイズ変更可能となっている。なお、外部入力2系統の表示はできない。

 HDMI入力は4系統で、全てHDR接続対応の18Gbps。4K/60pや著作権保護のHDCP 2.2をサポートする。低遅延のゲームモードや2,560×1,440ドット/60pのHDMI入力にも対応する。

 映像配信サービスは、Netflix、ひかりTV 4K、YouTube、dTV、DAZN、アクトビラ ビデオ フル、DMM.com、TSUTAYA TV、U-NEXT、niconico、クランクイン! ビデオなどに対応する。リモコンのボタンはNetflixとTSUTAYA TVの2つ。

 スマートスピーカーとも連携可能で、GoogleアシスタントのほかAlexaにも対応する。スマートスピーカーからの命令をREGZAで受信して、「チャンネルを変えて」、「音量をアップして」、「スキップして」などの操作に対応する。同機能の利用には「みるコレ」とGoogleアシスタントの連携が必要。なお、Alexa対応は10月下旬の予定。

 レグザリモコンの音声機能を使った番組検索やシーン検索などの「ボイス機能」にも対応する。