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JVC、8K対応プロジェクタ「DLA-NX9B」。暗い映像も観やすい自動トーンマップ
2018年9月3日 08:32
JVCケンウッドは、「IFA 2018」において8K e-shift対応のD-ILAホームシアタープロジェクタ「DLA-NX9B」など3機種を出展している。欧州では10月末~11月発売で、価格はDLA-NX9Bが18,000ユーロ、最大4K表示の「DLA-N7B」が8,000ユーロ、「DLA-N5B/W」が6,000ユーロ。本体カラーはNX9とNX7がブラック、NX5がブラックとホワイトを用意する。
反射型液晶のD-ILAデバイスと、筐体デザインなども含めて新規開発。3機種ともパネルは0.69型で解像度は4,096×2,160ドット。NX9のみ、画素を対角線上に0.5ピクセルずらして2倍の解像度を表示できるe-shift機能により、8,192×4,320ドット表示に対応する。ただし、8K映像の入力には対応せず、入力はいずれも最大4K。NX9はTHX認証を取得予定。
3モデルの光源はNSHランプ(265W)。明るさとコントラスト比は3モデルで異なり、NX9が2,200ルーメンでネイティブ10万:1、ダイナミック時100万:1。N7が1,900ルーメンでネイティブ8万:1、ダイナミック時80万:1、N5は1,800ルーメンでネイティブ4万:1、ダイナミック時40万:1。色域はDCI-P3をカバーする。
NX9のレンズは既存のレーザー光源モデル「DLA-Z1」と同等。3モデルとも2倍の電動ズームとフォーカスに対応。レンズシフトは、NX9が上下±100%、左右±43%。N7/N5が上下±80%、左右±34%。
3モデル共通の新機能として「オートトーンマップ」を搭載。これは、暗めの映画などに適用すると、Ultra HD Blu-rayなどのHDRコンテンツに含まれるMaxCLL( コンテンツ最大輝度)とMaxFALL(Maximum Frame Average Light Level)の値に合わせて、ピクチャーとクリップポイントを調整する機能。
既存モデルのZ1ではこの調整をマニュアルで行なえるが、より簡単に調整できるように搭載したのが今回のオートトーンマッピングとなる。なお、Dolby Visionなどのような、動的なトーンマッピングとは異なり、コンテンツに入っているメタデータを読み出し、全編を通して一定の効果が加わる。
そのほか、「マッピングレベル」の調整も可能。スクリーンサイズに合わせて明るさのレンジを手動で上げられるもので、デフォルトは100型に合わせており、手持ちの画面サイズや好みに合わせて変えられる。3モデルともHDRの形式はHDR10とハイブリッドログガンマ(HLG)に対応。ただし、マッピングの調整はHDR10のコンテンツのみサポートする。
同社ブースにおいて、130型の画面で8K撮影のコンテンツ(撮影後に4K変換)を視聴した。大画面ながら解像感が高く、情報量が多いこともあり、平面でも立体的で、奥行きのある映像として感じられた。
また、MaxCLLとMaxFALLが低いとされる映画「ブレードランナー」のUHD BDを視聴すると、これまで視聴した同作品とは印象が変わり、暗めの部分も観やすく表示できていた。UHD BDの情報に基づき、最も低い黒レベルは動かさずに適用するため、全体の陰影など作品の雰囲気は損なわずに、シーンによっては見えづらかった部分も高解像度で見せてくれるため、ディスクに収められている情報を十分に楽しめる機能だと確認できた。
HDMI端子は2系統で、18GbpsやHDCP 2.2に対応。消費電力は3モデルとも400W。外形寸法と重量は、NX9が500×518×234mm(幅×奥行き×高さ)、21.8kg。N7とN5は500×495×234mm(同)、19.8kg。