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ノイマン伝説のマイク「U 67」が80万円で復刻。ゼンハイザープロ向け新製品も

ゼンハイザージャパンは、ビンテージマイクとしてスタジオエンジニアに現在も愛用されているNEUMANN(ノイマン)製マイク「U 67」を復刻した、「U 67 Set」を10月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は80万円前後。概要は7月に公開されていたが、具体的な発売日と価格が決定した。

「U 67 Set」

1960年から1971年まで販売されていたU 67は、スタジオの主力マイクとして幅広く活躍。現在のレコーディング業界でも愛用されている。

復刻された「U 67」は、当時と同じ仕様に作られたもので、出力トランスなどの主要部品は、当時の生産図面に従って製造されている。製造は特別に訓練された技術者3人が担当している。なお、搭載されているK 67のラージダイヤフラムコンデンサカプセルは、現行製品「U 87 Ai」でも使われており、常に生産され続けている。

復刻された「U 67」

周波数特性は20~20kHzで、かつて販売されていたU 67の状態が良好な場合と同じ。1992年に限定生産されたU 67は、わずかに明るい特性に調整されていたが、新しいU 67は1960年代のU 67と本質的に同じリニアレスポンスになっている。

ポーラパターンは無指向、カーディオイド、双指向。感度(1kHz,1kΩ)は15/24/16 mV/Pa。定格インピーダンスは200Ω。コネクタは、マイク本体が7ピン、パワーサプライ出力側がXLR3F。長さは200mm、直径は56mmで、重さは560g。

U 67のマイク本体に加え、電源ケーブル付きのパワーサプライ「NU 67 V」、7ピンコネクションケーブル「UC 5」、ショックマウントの「Z 48」、ビンテージケースを同梱。電源はスイッチングではなく、1992年のNU 67 Aと同様に、トロイダルトランスを備えたリニア電源となっている。

IBC 2018でプロ向け新製品を紹介

オランダ・アムステルダムで、現地時間の9月14日から開催された国際放送機器展「IBC 2018」に出展。前述のマイクに加え、ゼンハイザーブランドのモニターヘッドフォンやイヤフォンを出展した。

「IE 40 PRO」は、プロ向けモニターイヤフォンのエントリーモデル。「あたたかみのある、自然で繊細なサウンドを実現し、厳しいステージの環境下でもアーティストのフォーカスとパフォーマンスコントロールを向上させる」という。

「HD 300 PRO」は、「HD 250 Linear」の伝統を継承するモニターヘッドフォン。「HMD 300 PRO ヘッドセット」もラインナップする。ヘッドセットにはActiveGard、騒音補正、スーパーカーディオイドブームマイクを装備。「騒がしい環境でも、クリアなコミュニケーションが可能」という。

左からHD 300 PRO、IE 40 PRO

Sennheiser Communicationsが合弁事業を終了

ドイツのSennheiser electronicと、デンマークのWilliam Demant Holdingがジョイントベンチャーとして設立したSennheiser Communications(ゼンハイザーコミュニケーションズ)は11日、合弁事業を終了する事で合意した。各社は今後、独自にフォーカスするビジネスセグメントを設定し、事業を継続する。

Sennheiser Communicationsは、企業向けソリューションやゲーミングヘッドセット事業を独立した事業として今後も展開するが、モバイルミュージックヘッドセット事業は、Sennheiser Consumer事業の一部となる。ただし、両者はパートナーとしてシナジー、および協力関係は継続するという。分割は2020年1月の予定。