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メガネスーパーのノウハウ集結、有機ELスマートグラス「b.g.」量産機を体験
2019年1月16日 17:48
メガネスーパーなどを展開するビジョナリーホールディングス子会社のエンハンラボは、メガネ型ウェアラブル端末「b.g.(ビージー)」の量産仕様モデルを、1月16日~18日に東京ビッグサイトで開催している「第5回ウェアラブルEXPO」に出展。ブースには実機が多数用意され、体験の順番を待つ列ができていた。製品は4月から納品予定。
“視覚拡張”をキーコンセプトとした、ノンシースルータイプのメガネ型ウェアラブル端末で、メガネの上から装着できる。医療や物流、工場などの作業現場のほか、教育やエンターテイメント分野などでの活用を見込む。価格は198,000円からで、装着用アタッチメントの有無など構成によって変わる。
中央のパーツに1/2インチ有機ELパネル(1,280×720ドット)×2枚を搭載し、装着者の視界を確保しつつ、わずかな視線の移動でディスプレイの情報も目に入る設計とした。信号伝送用のケーブルが直付けになっており、HDMI入力と給電用のUSB端子を備える。映像入力は720/60pに対応。HDCPには対応しない。
ブースでは変換アダプタを介してiPhoneに接続し、b.g.に表示される折り紙の折り方の映像を見ながら、その通り真似をすれば誰でも折り紙が完成できる、というデモンストレーションを行なっていた。
実際にb.g.を装着すると、顔から約1mほど離れたところにiPhoneより二回り大きな画面が浮かんで見え、鮮明で綺麗な印象だった。人が作業時に前方を集中して見るときの視野角は約30度ほどだが、b.g.はその視野角に収まるイメージで、周辺の視野を邪魔しないため周囲の確認も容易だ。
人によって異なる瞳の間隔(位置)を考慮し、ディスプレイを内蔵した左右の透明パーツを横方向にスライドして微調整できる機構を備える。また、顔の前面にあるパーツごと上下に動かすことも可能。装着者毎に最適な見え方を提供する。
装着感にもこだわっており、メガネスーパーが40年以上にわたって培ってきたメガネのノウハウを集結。見え方とかけ心地を追求した。
フレーム設計には、福井県鯖江のメガネづくりの技術を応用しており、ベータチタン素材を使い、ベンディング技術を採用。頭部を包み込むようなフォルムを実現し、中央の鼻当てに重量が集中しないよう負荷を分散させている。ただし、エンハンラボの座安剛史社長は「一般的な眼鏡の重量はレンズ込みで30g程度であるのに対し、b.g.は50g近くあり、軽量化が今後の課題」と話した。
b.g.に接続するデバイスはスマートフォンなどのモバイル端末を想定しており、接続機器の無線LANやBluetooth、カメラ、マイク、アプリケーションが使える。例えば、装着者がハンズフリーで作業できるよう、音声認識でb.g.に表示する画面を切り替えられるようにする、といった活用方法などを見込んでいるという。
4月から企業向けに納品開始を予定しており、製造ロット増に向けて生産体制を強化。来期以降の事業拡大に向けた基盤を整備していく。