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シャープ、折りたためるスマホ向け有機ELディスプレイ。商品化視野に

シャープは10日、プレス向けの新技術・新製品展示会において、ディスプレイを折りたたむことができる「フォルダブルOLED」を公開した。市場環境を鑑みながら、商品化も検討するという。

折りたたみ可能な「フォルダブルOLED」

サイズは6.18型/2,992×1,440ドット(アスペクト比19:9)で、プラスチック素材の導入や、偏光板、タッチパネルなどの部材を見直すことで、折りたたみ可能なディスプレイに仕上げたという。

今回開発したフォルダブルOLEDは、R=3mmの屈曲と30万回もの折り曲げ試験をクリア。また有機ELならではの深い暗部の表現や、DCI-P3色域までカバーする広色域性能も実現している。

ディスプレイを広げた状態
折りたたんだ状態

会場展示のプロトタイプは“折りたたみケータイ”を模したデザインとなっており、開発者は「大画面ながら、コンパクトに持ち運べるというメリットをシンプルに体感してほしかった」と狙いを説明。加えて「スマートフォンAQUOS ZEROなどに採用している、自社製OLEDパネルをベースにしたもので、量産は難しいことではない。市場の環境や反応を見ながら、商品化も視野に様々な方法を検討したい」と話す。

ディスプレイを折りたたむと、ヒンジ付近のディスプレイが内側に凹む構造
ヒンジ部の裏側

シャープ製の有機ELパネルは、Pentail構造のRGB蒸着方式。現在は、三重工場でバックプレーン工程、堺工場でOLED工程を実施し、スマホ向けのディスプレイとして出荷している。

製造には、4.5世代のマザーガラスが使われており「現在の量産サイズは6.18型の1サイズのみだが、今のマザーガラスを使って30型×2枚の取り出しも可能」という。