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オンキヨー、世界最薄マグネシウム振動板のイヤフォン用BAドライバ開発

オンキヨーは、マグネシウム振動板を使用したバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーの開発に成功。同社OEM事業の製品として、高付加価値ヘッドフォン/イヤフォンにこのドライバーの導入を進めるほか、自社カスタムイヤフォンの開発も見込んでいる。

新開発のマグネシウム振動板(左)と、バランスド・アーマチュア型ドライバー(右)

既報の通り、オンキヨーはホームAV事業売却により、祖業であるスピーカーコンポーネント事業への回帰を進め、OEM事業へ注力している。

実用金属材料では最軽量とされるマグネシウム振動板の開発にもいち早く取り組み、2015年にはハイレゾ対応ヘッドフォン用ドライバーの開発に世界で初めて成功。研究を重ね、より小型化が要求されるBAドライバーの開発にも成功した。

新開発の特殊表面処理技術によって、マグネシウム素材内部までセラミック層を浸透させることで剛性を向上。BAドライバー用振動板としては世界最薄を実現したという。これにより、高域再生を伸長し、素材特有の高吸振性により雑音成分を低減、滑らかで原音に忠実な音の再現が可能になったとしている。

表面処理違いによる表面硬度

4月に開催された「ヘッドフォン祭」で同ドライバーを使ったカスタムイヤフォンを参考出展。今後は自社ブランドでのカスタムイヤフォンの開発とOEM事業への展開を含め、高付加価値ヘッドフォン/イヤフォン分野へ本格参入するという。

同社グループは、これまでスピーカー開発で培ってきた音に関する技術を活用し、OEM事業で「Sound by Onkyo」などサブブランド戦略を強化。既にホームAV機器の3倍以上の出荷台数を達成しているという。今後も音のソリューションの提供や、ブランド向上を目指す方針。