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日本人は“最も睡眠不足”。常時表示/Alexa/睡眠スコア対応「Fitbit Versa 2」

フィットビットは、11日からAmazon.co.jpやビックカメラ、腕時計本舗、NEELなどで先行予約を開始したスマートウォッチ新モデル「Fitbit Versa 2」の発表会を開催。発売日は24日で、価格は26,990円(税込)。ケースやバンドの素材が異なるスペシャルエディションも用意し、価格は31,800円(税込)。睡眠関連の機能や、健康、フィットネスなどの機能を充実させると共に、マイクを備え、フィットビット初となるAmazon Alexaに対応。音楽やPodcastのコントロールが可能なSpotifyアプリも搭載する。

「Fitbit Versa 2」

Alexaの音声操作に対応

AV関連の注目新機能は、マイクを内蔵し、Alexaの音声操作に対応した事。「一番近くのジムを探したり、アボカドのカロリーを調べるなど、アクティブなライフスタイルを支える」という。声で尋ねると、Versa 2の画面上にテキストで回答を表示。Alexaでアラームやタイマーの設定、天気やニュースのチェック、自宅のスマートホームデバイス操作などにも利用できる。

さらにSpotifyアプリも用意。有料会員のSpotify Premiumユーザーは、音楽やPodcastのコントロールが可能。スマートウォッチ上で音楽を見つけられる。Spotifyアプリでは、再生、プレイリスト変更、曲のお気に入り追加、出力デバイスの変更などを操作可能。そのほか、手持ちの音楽ライブラリから300以上の曲を保存して再生できる。

連携したスマホのSpotifyアプリを操作しているところ

睡眠管理強化

時計の基本機能としては、バッテリーの持ち時間が5日間以上へとのびた。最大水深50mの耐水仕様。こうした進化をしながら、価格は従来モデルVersaと同等を維持している。

新機能として、睡眠の質を確認できる「睡眠スコア」を搭載。心拍数(就寝時/安静時)、寝返りを繰り返す状態、目覚めた状態の時間、睡眠ステージなどを計測できる。

スマホのアプリで睡眠スコアを確認しているところ

機械学習を利用したスマートウェイク機能と組み合わせて、事前に選択した30分の間隔を元に、睡眠サイクルの中で起床するのに最適な時間(浅い睡眠かレム睡眠中)に起こすことで、爽快な目覚めができるという。なお、この機能は全てのFitbitスマートウォッチに追加予定。

睡眠を邪魔しないように、ディスプレイと通知機能をオフにするスリープモードを用意。ワークアウトや会議中など、睡眠以外でも利用できる。

推定酸素偏差グラフ(Estimated Oxygen Variation Graph)も近日実装予定。血液中の酸素レベルの変異の推定値を確認できる。データはデバイス裏側の赤色センサーと赤外線センサーの併用で測定。血液中の酸素レベルの短期的変異が、睡眠中の呼吸における変異を示す場合があるという。

自動アクティビティトラッキング、PurePulse 24時間心拍数トラッキング、15種類以上のエクササイズモードにも対応。スマートフォンからの通知にも対応し、アプリ、電話、カレンダーなどを確認可能。Android デバイス上のマイクを使ってテキストや通知に返答もできる。

Versaよりも高速なプロセッサーを搭載。大型のAMOLED(有機EL)ディスプレイを採用し、視認性を向上。2日以上利用できる常時画面表示モードも用意する。

丸みのあるエッジでカーブした形状のケースを採用。ナチュラルカラーの酸化被膜アルミニウム仕上げとなっている。スポーツ用バンドや、レザー、スエードなどのバンドも別売で用意する。

Versa 2スペシャルエディションは、カッパーローズアルミケースとネイビーとピンクのジャカード織バンド、または、ミストグレイケースとスモークのバンドから選べる。

スポーツ用バンドや、レザー、スエードなどのバンドも別売で用意

日本人の睡眠時間、18カ国中最下位

発表会には、フィットビット副社長兼アジア太平洋地域事業部長のスティーブ・モーリー氏が来日した。モーリー氏は、フィットビット製品のアクティブユーザー数が世界で2,700万人いる事、ユーザーの73%の体重が減少した事、一晩あたりの睡眠時間が10分以上増加した事などを紹介。さらに、製品から得られる心拍数や歩数、睡眠、運動、生理といった膨大なデータを使い、世界でも最大級のデータベースを構築している事を説明。そのデータベースを新製品開発と、製品上で展開するサービスに活かす事で、“持続可能な健康的な生活の構築”に寄与していく姿勢を強調した。

フィットビット副社長兼アジア太平洋地域事業部長のスティーブ・モーリー氏

また、健康のためには運動だけでなく睡眠も非常に重要だとし、フィットビット製品ユーザーの3人に1人は十分な睡眠がとれていない事、ユーザーの35%は7時間未満の睡眠しかとっていない事、睡眠時無呼吸症のある人の80%はそれに気付かず、医師の診断も受けていないといったデータも紹介。睡眠不足は心臓血管の健康、肥満と糖尿病、認知機能にも悪影響を及ぼすという。

一方で、フィットビットのデータによれば、同じ時間に就寝する習慣のある人の平均安静時心拍数は3bpm低くなるほか、平均睡眠時間が7時間ある人は体重減少の確率が高くなる、週あたりのアクティブ時間が150分ある人は安静時心拍数が低く、より長い睡眠がとれているという。

では、日本人の睡眠はどうか。モーリー氏によれば、平均睡眠時間は6時間47分、平均就寝時間は夜の12時、レム睡眠の平均時間は77分。これは調査した18カ国の中で最も少ない睡眠時間であり、就寝時間も一番遅く、レム睡眠時間も少ないという。さらに、寝ている途中に目覚めた状態の時間は55分と、これも調査国のランキング最下位から5%に入っているとのこと。

日本人の睡眠時間は調査した18カ国の中で最も少ない

こうした状況を改善するため、睡眠の質をわかりやすく評価する「睡眠スコア」を開発。βテストを通じて、睡眠時間、深い睡眠とレム睡眠、睡眠時の心拍数やどれだけ動いていたか、といった情報からスコアを出している。これにより、睡眠の質を客観的に判断できるほか、どれだけ改善できたかの確認も可能になるという。

また、機械学習のアルゴリズムを用いて、浅い睡眠の時間にユーザーを起こすスマートウェイク機能も、この開発から誕生したという。「スマートウェイク機能によって、浅い睡眠の時に起こされると、起きた時に爽快で、その気分がずっと持続する」という。

新モデル「Versa 2」には、こうした睡眠改善のための機能やスマートウェイク機能を搭載。さらに、バッテリー持続時間の伸長、対応するエクササイズの増加、常時表示機能といった新機能は、ユーザーの声を受けて進化したポイントだという。特にバッテリーの持ち時間改善は大きく、「常時画面表示モードにしていても、4、5日間バッテリーは持つ。従来のように時計を動かすと表示するモードも選べるが、バッテリーライフは大きく違わない」という。

また、睡眠時に装着する事が多くなるため、寝ている間は通知をしない、画面を表示しないといった機能も搭載。将来的なアップデートによる追加機能として、推定酸素偏差グラフ(Estimated Oxygen Variation Graph)を実装し、睡眠中の呼吸における変異がわかるようにする予定。

Alexaへの対応は「ボイスアシスタント機能を家から外に持ち出せるもの。これから食べる料理のカロリーがどれくらいあるのか声で検索したり、ショッピングリストを確認したり、Spotifyアプリとの連携も可能。音楽を聴きながらウォーキングするといった使い方も可能になる」という。

メモリーを増強した事で、文字盤デザインのデータを5個まで時計の中にストックできるようになるなど、細かな機能強化も行なわれている。

有料のプレミアムサービスも2020年スタート

時計と組み合わせるサービスは基本的に無料で提供されているが、2020年には有料のプレミアムサービスを展開予定。ただし、時期や価格は未定。

プレミアムサービスのユーザーには、健康になるために、個々のユーザーにパーソナライズされた助言が得られたり、睡眠スコアのチェックにおいて、より細かなデータが確認できるなどの利点があるという。

睡眠改善インストラクターの小林麻利子さん

発表会にはゲストとして、睡眠改善インストラクターの小林麻利子さんも登壇。実際にVersa 2を装着して就寝し、「睡眠状況の測定結果の正確さに驚いた」という。また、日本人が世界で一番“眠れていない”事や、睡眠への意識や知識が低い事が問題だと指摘。「質の良い睡眠をとり、生活の質を向上させる事は非常に大切。正確にその状況を確認できるVersa 2はイチオシ。ぜひ手にとっていただければ。デザインもスポーティー過ぎず、カジュアルにもフォーマルにも合う。女性にも色合いやカタチで、好みだと感じる人が多いと思う」と感想を語った。

左からフィットビット・ジャパン合同会社 カントリーゼネラルマネージャー 千川原智康氏、小林麻利子さん、スティーブ・モーリー氏