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Mark Levinsonから約60万円のSACD「No5101」。JBLの新製品体験「HARMAN Sound Summit」

ハーマンインターナショナルは21日、現行モデルや新製品が体験できる東京・銀座のイベント「HARMAN Sound Summit in Tokyo」を、マスコミ向けに先行で公開した。イベントの日程は11月22日~24日まで。その中で、Mark Levinsonブランドのネットワークプレーヤー機能搭載のSACDプレーヤー「No5101」を2020年初旬に発売すると予告。価格は60万円。さらに、JBLの新スピーカー「L82 Classic」も発表。こちらは別記事でレポートしている。

Mark LevinsonのSACDプレーヤー「No5101」

「HARMAN Sound Summit in Tokyo」は一般ユーザーも無料で参加できる。場所は銀座SOLA(東京都中央区銀座2-2-18 TH銀座ビル10F)。会場から徒歩数分の場所にある東京国際フォーラムでは、同じ開催期間である11月22日~24日に「2019東京インターナショナルオーディオショウ」が開催される。インターナショナルオーディオショウと共に、参加しやすいイベントとなっている。

東京国際フォーラムから銀座SOLAへの行き方。東京国際フォーラムを出る際に、ビックカメラ有楽町店を正面に見て、左手へ直進。東京交通会館を右手に見ながらそのまま直進
横断歩道を渡った先に銀座SOLAのあるビルがある

Mark LevinsonブランドのSACDプレーヤー「No5101」

新たなNo5000シリーズの第一弾モデルとして発売されているプリメインアンプ「No5805」に続いて投入される、ネットワークプレーヤー機能搭載のSACDプレーヤーが「No5101」。

プリメインアンプ「No5805」

SACD、CD、CD-R/RWの再生が可能で、ドライブ部に、高精度ピックアップを採用した堅牢なスロットローディング式ユニットを採用。スチール製トッププレートとラバー製ショックマウントも組みわせ、回転時の振動を低減する。なお、単体でMQA-CDの再生はできないが、対応するDACを備えた機器とデジタル接続しての再生は可能。

Mark LevinsonのSACDプレーヤー「No5101」

同一ネットワークに接続されたNASなどから、音楽ファイルのストリーミング再生も可能。リアパネルにはUSB-A端子を装備し、接続したドライブから直接音楽ファイルを再生する事もできる。ストリーミング配信サービスにも対応。Amazon Music HDもサポートする。

上位の「No500」シリーズと同様、Mark Levinson Precision Link II DACを搭載。最新のESS PRO Saber 32bit DAC「ESS 9026PRO」と、 独自のジッター低減回路を組み合わせたフルバランス・ディスクリートコンバータを構成。ノイズを低減し、最良のパフォーマンスを実現するため、5つの独立した電源供給を行なっている。DAC後のI/V回路と出力回路は、No5805で採用したものと同じ。DAC回路をデジタル回路と電源系統から隔離するためのスチール製シールドなども配置している。

他の機器との連携やリモート操作、各種設定が行なえるように、LAN端子、RS-232、IRリモートの入力、12Vトリガー出力も搭載。「No5805」より採用された新デザインのリモコンも付属する。

さらに、「No5000」シリーズ専用アプリ「5Kontrol App」や、「MusicLife APP」など、 主要なシステム制御用ソフトが利用できる。

デザインは、歴代モデルの意匠を踏襲。25mm厚のフロントパネルに滑らかなガラスディスプレイを埋め込み、シームレスに一体化している。設計・開発・生産まで、すべての工程をアメリカ合衆国国内で行なっている。「価格を抑えるために工夫しているが、Mark Levinsonとしてどうしても外せない部分は、上位機種と同じ、ハイグレードなパーツを投入している」(手掛けたエンジニアのトッド氏)という。

手掛けたエンジニアのトッド氏

デジタル端子として、同軸デジタル入出力×各1、光デジタル入出力×各1系統。アナログ出力は、XLRバランス×1、RCAアンバランス×1を搭載。LAN端子に加え、IEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能も備えている。

再生可能フォーマットは、FLAC、WAV、AIFF、OGGが192kHz/24bitまで。AACは96kHz/24bitまで、MP3は48kHz/320kbpsまで、WMAは48kHz/192kbpsまで。

外形寸法は440×465×126mm。重量は11.8kg。リモコンが付属する。

JBLやREVELから新スピーカー

Mark Levinsonブランドでは、価格を抑え、新規顧客を開拓するNo5000シリーズを拡充していく予定。SACDプレーヤー「No5101」に加え、2020年にはさらに4つのモデルを投入予定だという。

Mark Levinsonブランド、今後の製品予定
各ブランドの今後の予定を解説する、ジム・ギャレット氏

さらに参考出品として、JBLやREVELから新スピーカーも披露された。なお、いずれのモデルもグローバルでは展開が決定しているが、日本市場でどのモデルを扱うか、いつ発売するかなどの詳細は未定となっている。

「HDI(High Definition Imaging)」シリーズは、スタジオモニタースピーカーの「4367」にも採用されている、新しいHDIホーンを採用したスピーカーシリーズ。センタースピーカーも用意し、ホームシアター向けとしても提案している。

一番左を除いた、右側のスピーカーが「HDI」シリーズ

なお、「4367」のHDIコンプレッションドライバーは、D2ドライバーという、リング状ダイヤフラムを2本抱き合わせたような構造になっているが、HDIシリーズではこれがシングルになっているという違いがある。

ウーファーの振動板はアルミで、表面をセラミック化させている。これはREVELの技術を活用したもの。

ラインナップは、200mm径のウーファーを3基搭載したフロア型「HDI-3800」、165mm径ウーファーを3基搭載したフロア型「HDI-3600」、165mm径ウーファー採用の2ウェイブックシェルフ「HDI-1600」、133mm径ウーファー×4基のセンター「HDI-4500」、アクティブサブウーファーで300mm径ユニット採用の「HDI-1200P」。

アクティブサブウーファーで300mm径ユニット採用の「HDI-1200P」

また、最上位スピーカー「Project EVEREST DD67000」の、HFコンプレッションドライバーが、従来の「476Be」から、新しい「877Be」へと変更された。10cmのベリリウムとネオジウムマグネットなど、基本的なパーツは既存のものと同じだが、フェーズプラグの内部にあるリング状の溝を、従来の4つから、5つに増やしているほか、フェーズプラグ自体の長さを短くしている。なお、既に変更された製品が発売されており、この変更に伴う型番の変化などはない。

最上位スピーカー「Project EVEREST DD67000」

これ以外にも、2020年にJBLモニタースピーカーが50周年を迎える事を記念し、「初期製品にインスパイアされた、新たなモニタースピーカーを投入しようと計画している」という。

また、2021年にはスタジオモニターの新世代モデル、さらにJBL 75周年を記念し、新たなフラッグシップスピーカーを市場投入すると予告。「この製品群は今までJBLが世に問うてきたスピーカーの中でも、最高峰のものにしようと開発を進めている」とする。

JBLブランドの今後の製品予定

REVELからは、「F226Be」というフロア型スピーカーが参考出品。Beシリーズのハイパフォーマンスモデルと位置づけられている。さらに、今後フラッグシップの「F328Be」や、センタースピーカーの「C426Be」も計画している。

REVEL「F228Be」
Beシリーズのハイパフォーマンスモデルと位置づけられている「F226Be」

ハーマンインターナショナルのトム・メッツガー社長は、六本木のビルボードライブ東京に続き、横浜に誕生するビルボードライブも、JBLがサポートしていく事や、読売ジャイアンツのサポートも引き続き行なっていく事などを説明。75周年に向け、ラグジュアリーオーディオにより注力していく姿勢を示した。

ハーマンインターナショナルのトム・メッツガー社長氏