ニュース
LINEの会話感覚で外出先から家電操作できる「Clova Bot」。話しかけ不要
2020年1月30日 17:32
LINEは、AIアシスタントClovaを使ってテレビやエアコンなどの家電機器を操作できる機能を、LINEのトーク画面に文字入力して行なえる「Clova Bot」を1月30日より提供開始した。
Clovaを介した家電の操作は、これまでもスマートスピーカー「Clova WAVE」やスマートディスプレイ「Clova Desk」などに話しかけて行なえる機能として、赤外線リモコン操作に対応したテレビやエアコン、照明と連携する形で提供している。これを、スマートスピーカーに話しかけなくても、外出先などからLINEのトーク画面で文字入力することで操作できるのが今回の「Clova Bot」の特徴。
これまでIoT家電を使った住宅のスマートホーム化が導入されにくかった理由として、「家電ごとの専用アプリを使い分ける必要があるので、逆に複雑」、「スピーカーに話しかけることに、なかなか慣れない」という声に応えたもの。普段から使っているLINEから家電操作が可能となるため、「自分に合った方法で、より負担なく、便利な生活を送ることができる」としている。
テレビなど家電の操作は、前述のスマートスピーカーのほか、赤外線リモコン機能を備えた「Clova Friends Dock」(3,850円/税込)などを組み合わせることで可能。
対応している家電は80,000点以上。テレビのON/OFFや、エアコンの温度調節、スマートロック「Qrio Lock」と連携した鍵の施錠など、これまでスマートスピーカーに話しかけて操作していた機能を基本的にClova Botでもカバーしている。
ただし、出かける前に一度に家じゅうの対応機器をオフにするなど、複数のアクションを一言でClovaに指示できる「マイコマンド」にはClova Botは未対応とのことで、将来的に対応を目指すという。また、スマートロックについては、防犯上の観点から施錠には対応するが、解錠には非対応。
Clova Botを利用するには、LINE Clova公式アカウントをLINEで友だち登録して、Clovaとの連携を選択する。既に友だち登録済みの場合はトーク画面メニューからClova連携をタップすると開始できる。
Clova連携した家電に対し、「照明をつけて」や「エアコンを消して」などとトーク画面に文字入力送信することで、家電の操作が可能。
家電操作以外に、「元気ですか?」や「好きな食べ物は?」などの簡単な会話もできる。
LINEのIoTモデルルームが期間限定で体験可能
LINE Clova企画室の中村浩樹室長は、「アプリ上でスマート家電を友だちと会話するように操作したり、家のリモコンをLINEアプリの1画面で操作できる。Clovaでの家電操作はこれまでも好評だったが、『外でも使いたい』という声があった」と開発の経緯を説明した。
2月1日から、住宅のIoTスマートホーム対応を手がけるアイリッジと共同でIoT住宅を体験できる「LINE Clova IoT体験モデルルーム」を一般公開。期間は2月9日まで。場所スマートハウジング豊洲まちなみ公園(東京都江東区豊洲6-1-9)。事前予約は不要で、期間中は平日も開催。
「ねぇClova(クローバ)、リビングの照明をつけて」と話しかけるだけで電気をつけたり、声だけで鍵の施錠をしたりなどスマートスピーカーを通じた音声操作のほか、「Clova Bot」による家電操作も体験できる。
このモデルルームに協力しているアイリッジは、音声ユーザーインターフェイス開発アプリ(スキル)のプラットフォーム「NOID」を企業向けに提供中。音声UIやIoTを家電や住宅設備などのメーカーが導入するための開発のハードルを下げることなどを目的に、Clovaに対応したIoT家電開発向けの「NOID IoT クラウド」の設計や検証を実施。1月30日より、商用パートナーの募集を開始した。
アイリッジのライフデザイン事業推進グループ NOID事業責任者 岩屋雄介氏は、家のIoT対応について、これまでは対応機器が増えるごとに膨大な開発が発生していたものを、NOID IoTクラウドにより開発工数を圧縮するという利点を紹介。Clova以外のプラットフォームについても順次検討するという。