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2Kでも超強力エンジンで“サクサク”ネット動画向けレグザ。約3.6万円~

HD液晶レグザ「V34シリーズ」

東芝映像ソリューションは、最新の映像エンジンを搭載し、主要な動画配信サービスが楽しめる中小型サイズのHD液晶レグザ「V34シリーズ」を9月18日より発売開始する。40型、32型、24型の3サイズを用意。いずれも価格はオープンプライスで、店頭予想価格は40型が6.3万円前後、32型が4.8万円前後、24型が3.6万円前後。直販ストアではモニター販売も実施する。


    液晶レグザ「V34シリーズ」
  • 40型フルHD「40V34」 6.3万円前後 9月18日発売
  • 32型HD「32V34」 4.8万円前後 同上
  • 24型HD「24V34」 3.6万円前後 同上

“ネット動画をとことん楽しむ、ネット動画のためのテレビ”をコンセプトに、商品化したというレグザのHDモデルシリーズ。

「将来的に、4Kレグザのエントリーモデルに採用する計画で開発した」(ブランド統括マネージャー・本村氏)とする新しい映像エンジン“レグザ PowerDrive”を搭載することで高速・高画質な処理を実現し、起動を含むテレビ全体の動作を向上。加えて、NetflixやAmazon Prime Video、YouTube、ABEMAなど、テレビで利用が増えている主要な動画配信サービスにも対応したのが特徴。

「近年HDモデルはコストダウンが優先され、ネット動画や無線LAN機能を搭載しないシンプルな製品が多い。V34シリーズは“オーバースペック”ともいえるエンジンを搭載することで、機能と快適さを追求した。テレビ放送はもちろん、豊富なネット動画をきれいかつ高速レスポンスでストレスなく楽しめる、他にはない東芝レグザらしいモデルに仕上がっている」(同)という。

40型フルHDモデル「40V34」

パネルは等倍速の液晶方式。解像度は、40型がフルHD/1,920×1,080ドットで、32型と24型はHD/1,366×768ドット。表面処理はハーフグレアで、バックライトは直下型。IPSか、VAかは非公開。

ネット動画を楽しむための、専用機能を搭載。

4Kレグザなどにも使われているネット動画向けの高画質化処理を、2Kモデル用にチューニングした「ネット動画ビューティHD」を搭載。精細感や色階調、コントラスト感を向上しながら、ノイズを低減。高いコントラストと自然な色を再現し、様々な動画配信サービスをキレイに楽しめるという。

「ネット動画ビューティHD」のイメージ

ネットへは有線、無線LANで接続が可能で、無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/acをサポート。YouTube、Netflix、Amazon Prime Video、dTV、ABEMA、Hulu、TSUTAYA TV、DMM.com、U-NEXT、Paravi、DAZN、スカパー! オンデマンド、ひかりTV 4K、アクトビラ、Rakuten TVの動画配信サービスを楽しむことができる。

リモコン下部には、ABEMA、Netflix、Hulu、U-NEXT、YouTube、Amazon Prime Videoの6つダイレクトボタンを搭載。ボタンひとつで各サービスに即切り替えられるほか、新エンジンによる高速グラフィック処理が快適操作を実現。コンテンツ切り替えなどがサクサク行なえるようになった。「レスポンスは、現行の4Kレグザよりも速い」という。

なおBluetoothキーボードやアプリ連携による音声入力を用いたコンテンツ検索などはできない。またV34の本体やリモコンにはマイクを搭載しないが、別売のスマートスピーカー(Googleアシスタント/Amazon Alexa/LINE Clova搭載モデル)に話しかければ、レグザの基本操作はハンズフリーで行なえる。

リモコン。マイクは非搭載
リモコン下部の動画配信サービス・ダイレクトボタン
エンジンの高速処理により、快適なレスポンスを実現。「4Kレグザよりも速い」という

レグザのネットサービス「みるコレ」にも対応。ユーザーの嗜好・履歴に応じて、テレビ番組やネット動画から抽出したオススメ作品にすぐにアクセスできる「みるコレメニュー」や、みるコレパックを使った録画も行なえる。

また「おまかせ録画」では、よく見る番組や話題の番組を自動録画。リモコンの専用ボタンから録画番組をすぐに呼び出すことが可能で、「おすすめドラマ」「ゴルフ」「話題の番組」などお気に入りのジャンルやタレントを登録するだけで、関連番組を自動で録画してくれる。

おすすめ録画リスト
リモコンには、みるコレ、おまかせ録画ボタンを用意

4Kレグザのエントリーモデル用に開発したという、新映像回路「レグザエンジン PowerDrive」を搭載。

高度なダイナミックガンマ制御での高いコントラストと、36色軸カラーイメージコントロールによる自然な色を描写。また最新エンジンならではの高速処理により、メニュー操作などにおいて素早いレスポンスを可能とし、快適な操作を実現したという。

新映像回路「レグザエンジン PowerDrive」

高画質機能としては、視聴環境の明るさと視聴中のコンテンツ素材を判別して、リアルタイムに画質を自動調整する「おまかせオートピクチャー」や、地デジのノイズを高精度に抑制しながらテロップなどもクッキリとした映像に再現する「地デジビューティHD」を搭載する。

表示遅延を最小限に抑える「瞬速ゲームモード」を備えており、40型モデルでは、1080/60p入力において業界トップクラスとなる0.83msの高速表示を実現。32・24型モデルにおいても約18.83msの低遅延を実現しているという。

「瞬速ゲームモード」を搭載。40型モデルでは、表示遅延0.83msを実現

音声については、フルレンジのバスレフ型ボックススピーカー(下向き)とデジタルサウンドプロセッサーを組み合わせた「レグザパワーオーディオHD」システムを採用。フラットで明瞭な音質と自然な音像定位のリアルな高音質を実現したという。また4Kレグザと同じ豊富な音声調整メニューを搭載。サウンドリマスター/低音強調/イコライザー/サラウンド/オートボリュームなど、お気に入りのサウンドにカスタマイズできるようにした。

音声実用最大出力は、40型が14W、32型が12W、24型が8W。

4Kレグザと同じ豊富な音声調整メニューを搭載した

搭載するチューナー数は、地上/BS/110度CSデジタルを各2基。別途、外付けUSB HDDを用意することで裏番組録画が可能。録画番組に自動でチャプターを付与するマジックチャプター機能も備える。

入力端子はHDMI×2、コンポジット×1、アナログ音声×1。出力端子は光デジタル音声×1、ヘッドフォン×1も備え、Ethernet端子も用意する。

消費電力・年間消費電力量は、40型が70W・50kWh/年、32型が51W・41kWh/年、24型が46W・33kWh/年。

スタンドを含む外形寸法/重量は、40型が90.5×17.8×55.3cm(幅×奥行き×高さ)/6.5kg、32型が73×17.8×46.3cm(同)/4.5kg、24型が55.3×14.3×35.7cm(同)/3kg。

32型HDモデル「32V34」
24型HDモデル「24V34」

コロナ禍でHDテレビも伸長。テレビでネット動画が当たり前に

液晶レグザ「V34シリーズ」の発表と合わせ、新製品説明会が開催された。

冒頭、同社ブランド統括マネージャーの本村裕史氏は、コロナ禍によるテレビ市場とユーザーの視聴スタイルの変化を説明。

ブランド統括マネージャーの本村裕史氏

巣ごもり需要によって、有機ELテレビや4Kテレビの市場が拡大基調になっていることに加え、中でもHDテレビの市場に大きな変化が見られたとし「ここ数年間、前年同月比80~90%で推移し続け、市場がシュリンク傾向にあった中小型テレビ市場が伸長。4月以降、需要が大幅に拡大した。これはステイホームによるセカンド需要、そしてプライベートニーズが高まったものと分析している」とコメント。

40~24型のHD液晶テレビの市場規模推移(直近4カ月、GfKジャパン調べ)

さらに'19年モデルのレグザ視聴履歴データによれば、テレビで放送番組を見る1日の平均視聴時間は以前とあまり変わらないのに対し、今春以降はネット動画を視聴する時間が上昇しており、時間換算で毎日1時間30分以上、テレビでネット動画を見られていることが分かったという。

同氏は「これはテレビでネット動画を視聴するスタイルが本格的に立ち上がったことの表れ。また多くのユーザーが“ネット動画は、スマホで見るよりもテレビが見るのが便利”ということに気が付いたのではないか」と分析。

テレビの1日平均視聴時間(東芝映像ソリューション調べ)
テレビでのネット動画1日平均視聴時間(東芝映像ソリューション調べ)

当初は現行V31シリーズの後継機種として開発を進めていたが、テレビ視聴の変化を踏まえて企画を変更し、“ネット視聴のためのテレビ”というコンセプトのもと開発したのがV34シリーズという。「V34は、ネット視聴に係る機能を強化した新シリーズ“プライベートスマート”として展開する。セカンドテレビ需要はもちろん、ネット世代と呼ばれるようなまだテレビを持っていない若年層もターゲットに、V34が持つ魅力を訴求していく」と抱負を述べた。