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Netflix、サイエンスSARU、MAPPAらアニメ制作大手4社と提携

Netflixは、オリジナルアニメのラインナップ拡充に向けて、新たに大手アニメ制作会社のサイエンスSARU、MAPPA、ANIMA&COMPANY、Studio Mir(スタジオミール)の4社と新規作品制作における包括的業務提携を締結した。

Netflixは、既に新規オリジナルアニメ制作において複数年に渡るパートナーシップを拡大しており、2018年にプロダクション・アイジーとボンズ、2019年にはアニマ、サブリメイション、デイヴィッドプロダクションと包括的業務提携を締結している。

今回の発表により、同様のパートナーシップを合計9社に拡大。「作り手とともに世界中のアニメファンに喜んでいただける作品づくりを目指す」という。また、日本国外の提携先として初めて韓国を拠点とするスタジオミールとパートナーシップを組むことにより、「日本を拠点に世界の有数な作り手と協働した作品制作を加速させる」としている。

今回の提携について、Netflix アニメ チーフプロデューサーの櫻井大樹氏は「Netflixでは、4年余りでかつてない表現やクオリティでアニメを世界中のファンに届けられるまでに体制を強化してきた。今後、より多くのメンバーにエンターテインメントとしてアニメを選んでいただけることが、日本を拠点とするアニメのクリエイティブチームの何よりもの喜び。今回のように、最先端の技術を取り入れながら伝統的な手描きアニメーションを主体とする個性豊かな制作会社とのパートナーシップを通じて、今後さらにバラエティに富んだ作品づくりを目指していく」とコメントしている。

包括提携より制作されているNetflixオリジナル作品

【2020年】

  • 「オルタード・カーボン: リスリーブド」(制作:アニマ)
  • 「攻殻機動隊SAC_2045」(制作:プロダクション・アイジー)
  • 「ドラゴンズドグマ」(制作:サブリメイション )

【2021年以降配信】

  • 「スプリガン」(制作:デイヴィッドプロダクション)
  • 「ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン」(制作:ウィットスタジオ / プロダクション・アイジーグループ会社)
  • 「スーパー・クルックス」(制作:ボンズ)

ANIMA&COMPANYが運営するアニメ制作スタジオ「NAZ」は、アニメーションや実写、PV、CM、MV、映画やシリーズの映像を制作。2016年の小泉徳宏監督の劇場作品「ちはやふる 上の句」のアニメシークエンスを制作、2018年「アンゴルモア 元寇合戦記」、2019年「極主夫道実写版PV」、2020年のあおきえい監督作品「ID:INVADED」がアジアを中心に全世界的に好評。

サイエンスSARUは、2013年の設立以来、多様かつ柔軟なスタイルで作品を生み出している。2017年公開「夜明け告げるルーのうた」では、アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門グランプリ・クリスタル賞を受賞。代表作に映画「夜は短し歩けよ乙女」(2017)、「きみと、波にのれたら」(2019)、アニメシリーズ「DEVILMAN crybaby」(2018)、「SUPER SHIRO」(2019)、「映像研には手を出すな!」(2020)など。最新作はNetflixオリジナルアニメシリーズ「日本沈没2020」で、11月13日には劇場編集版が公開。現在は映画「犬王」(2021)を制作中。

スタジオミールは、韓国を拠点とする制作プロセス全体を専門性高く一貫して対応するアニメーションスタジオ。2010年に設立され、2Dアニメーションの感性とCGI技術を駆使したプロデュース力で、北米市場に急速に進出。代表作に「コラの伝説」、「ヴォルトロン」を据え、今後ウィッチャーのアニメ映画「The Witcher: Nightmare of the Wolf(原題)」などで、世界の動画配信市場へと作品を拡大していくという。

MAPPAは、2011年6月に設立されたアニメーション制作会社。クリエイターの独創性を重視し、ジャンルやメディアにとらわれない多様な作品を制作。近年は内製強化に取り組み、品質と生産性両面の成長に注力しているという。

NAZ 代表取締役 須田 泰雄氏

2020年、世界はあらゆる物事の見方を考え直すべき可能性がある状況に突入しました。生活様式が一変し、映像芸術、映像エンターテインメントが持つ意味や価値も同様に過去とは一線を画すことになってきています。映像作品は、距離や空間を超え、人々がそれぞれの場所で同時に感動を得られる文化として、革新の希望になるものと感じています。その最前線を牽引するNetflixとの今回の包括的業務提携は、私達が生きる21世紀という現在を、映像史の中で特筆すべき作品が多々誕生した瞬間として、そして映像の楽しみ方に新たな指針を示した時代として、後世に評される一助になれることを楽しみに思っています。新時代、僕らは朝を共感するのだ、と映像の可能性を信じて。

サイエンスSARU 代表取締役 チェ・ウニョン氏

これまでNetflixと「DEVILMAN Crybaby」や「日本沈没2020」においてお仕事をご一緒するなかで、映像表現への理解やチャレンジ精神に共感することが多くありました。今回の提携により、共に時代の変化を読み取りながら、視聴者の皆様に寄り添い、より身近でダイレクトにサイエンスSARUの作品をお届け出来ると確信しています。

スタジオミール 代表取締役 ユ・ジェミョン氏

(10月27日に開催される)『Netflixアニメフェスティバル2020』を記念して、Netflixと強固なパートナーシップを締結できることを非常に喜ばしく思います。今回の包括業務提携を通して、表現豊かな韓国発のアニメーションと創造力を世界中の視聴者の皆様にお届けできることを楽しみにしています。

MAPPA 代表取締役 大塚 学氏

この度の提携は我々の『Netflixでアニメーションを視聴されるお客様に最高の作品を届けたい』という思いの実現を大きく加速させるものだと考えています。日本、そして世界のアニメーションファンに喜んでもらえる作品とは何なのか、Netflixと共に追求し、その制作に尽力していきたいと思います。