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NHK、受信料値下げは衛星波から。地上波含む値下げは「賢くない」

日本放送協会会長の前田晃伸氏は、2月4日に行なわれた定例記者会見において、受信料の値下げについて言及。「現時点では、衛星波の割高感をまず解消するのが先」とし、地上波を含めた両波の値下げは「あまり賢くない」と述べた。

既報の通り、NHKは今年1月に次期3カ年の経営計画を発表。2021年から'23年までの3年間で、550億円規模の支出削減を進める一方、経営資源をコンテンツの取材・製作に集中させるなどの計画が盛り込まれており、受信料についても23年度に値下げを行なう方針としていた。

放送総局長が衛星契約の受信料の1割値下げを目指したいと表明したことについて、改めて説明を求められると前田会長は「私どもの思いとすれば、衛星波に割高感がある。当初スタートしたときは、衛星を打ち上げるコストが非常に高いとか、いろいろな問題があったのも確かだが、現在衛星を新たに打ち上げる必要があるという状況ではない。ある意味では少し平準化してきている。その意味では、衛星と地上波の格差を少し縮める方向で衛星契約の方を下げるのがいいのではないかというのが、現時点のアイディア」とコメント。

地上波については値下げの対象にならないのか? という記者からの質問に対しては、「総合受信料という形の検討も必要だと思うし、いろいろな意見があるところであり、意見を聞きながらやっていきたい。ただ現時点では、衛星波について、割高感をまず解消するのが先かなと思っている。地上波を含め、両方下げられればかっこいいが、そうすると矛盾が解消されないので、それはあまり賢くないと思っている」とし、地上波の値下げについては明言を避けた。

また衛星波の値下げでは、地上波のみの契約者は物足りなさもあるのではないか? という質問に対しては、「この先のことも考えると、地上波と衛星波のこういう区別の仕方でいいのか検討の余地がある。地上波の価値をもうちょっと上げる必要がある。私も昔は、地上波しか見ていなかったもので、確かに違い、違和感はある。だから、まず地上波と衛星波の格差を是正することと、地上波は今のままでいいかというのはもう一度検討する。そういう中で、割高感とか、批判が出ないようにしたいというのが本音」と話した。