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5K解像度、120度視野角のVRヘッドセット「HTC VIVE Pro 2」
2021年5月12日 12:14
HTC VIVEはアメリカ・ニューヨークの現地時間5月11日に開催したカンファレンス「VIVECON 2021」のなかで、5K解像度と120度視野角を持つVRヘッドセット「HTC VIVE Pro 2」とビジネス向けの「HTC VIVE Focus 3」を発表した。ヘッドセット単体は、いずれも日本国内では6月下旬発売予定で、価格はVIVE Pro 2が10万3,400円、VIVE Focus 3が13万900円。
VIVE Pro 2の予約は5月12日にVIVEオフィシャルサイトで、19日からはVIVE正規販売店で受け付ける。VIVE Focus 3の予約は6月11日から。いずれも予約は限定数で、限定数に達した時点で販売終了となる。
日本国内では法人および開発者、一般向けのバーチャル製品発表会「VIVECON Japan 2021」を6月11~12日に開催予定。会期中はグローバルで発表する内容に加え、パネルディスカッションやSDKの紹介、VTuberのライブショーなどが行なわれる予定。
VIVE Pro 2
ディスプレイに、片眼2,448×2,448ドット/2.5K、両眼4,896×2,448ドット/5K解像度を持つ、デュアルRGB低残光性LCDを採用。120Hzリフレッシュレートに対応し、「非常にクリアで非常に滑らかなアニメーションを実現」した。
特注のデュアルスタックレンズ設計により最大120度の視野角も確保。これによりモーションブレが最小限に抑えられ「スクリーンドア減少」も仮想的に軽減し、「人々により自然で没入型の体験を提供」するという。
ヘッドセットを装着したままダイヤルを操作することで、瞳孔間距離(IPD)を調整可能。均等に分散された重量バランスや、調整可能なヘッドストラップなどにより、あらゆる長さと目的のVRセッションでも快適とのこと。
本体にはハイレゾ認証を取得したヘッドフォンを搭載し、3Dサウンドを楽しむこともできる。サードパーティ製ヘッドフォンもサポート。G-sensor、ジャイロスコープ、近接センサー、IPDセンサー、SteamVR Tracking V2.0といった各種センサーも内蔵する。
NVIDIAやAMDとも連携し、VRヘッドセットで初めてディスプレイストリーム圧縮を利用したのも特徴。ディスプレイストリーム圧縮はクオリティを保証しながらDisplayPort 1.2との下位互換性も確保されているため、VIVE Pro用グラフィックカードでも、その恩恵が受けられる。
全世代のVIVEトラッカーやVIVEフェイシャルトラッカーなど、すべてのVIVE Steam VRエコシステムアクセサリを利用可能。Base Station 1.0またはBase Station 2.0、VIVEワイヤレスアダプター(日本未販売)、VIVEコントローラー、VALVE INDEX ”knuckle”コントローラーなど、既存のSteamVRセットアップで動作する。
ヘッドセットにBase Station 2.0とVIVEコントローラーを加えたフルセットも8月ごろに発売予定。価格は17万8,990円。
VIVE Focus 3
オールインワンタイプのVRヘッドセット。QualcommのSnapdragon XR2プラットフォームを採用し、同社のSnapdragon 835 Mobile XR Platformを搭載したVIVE Focusと比較して、CPUとGPUパフォーマンスは2倍、AI処理は11倍と大幅なパフォーマンス向上を実現した。より合理化されたプロフェッショナルな環境を提供するまったく新しいVIVE Reality System 2.0も搭載。
銅製のヒートパイプと冷却ファンを組み合わせているため、長時間の使用でも冷却によりパフォーマンスを維持する。
VIVE Pro 2と同様に、業界トップクラスのデュアル2.5Kディスプレイによる5K解像度、最大120度の視野角を確保している。リフレッシュレートは90Hz。ファストスイッチングディスプレイパネルは、リアルRGBサブピクセルを採用しており、スクリーンドアの影響を実質的に排除したとのこと。
AIを利用したインサイドアウト方式のトラッキングアルゴリズムを採用し、正確なトラッキングを実現。すべてのトラッキングデータは暗号化されてヘッドセットに保存されるため、プライバシーにも配慮がなされた。
新しいストラップデザインや、バランスの取れた重量配分、交換可能なカーブバッテリーパックにより、「おおよそ50:50の前後バランスで人間工学に基づいた快適さ」も確保。バッテリーパックは数秒で交換できるといい、ヘッドセットを長時間利用し続けられる。30分で50%のバッテリー充電が可能。
筐体フレームに耐久性と軽量性を備えたマグネシウム合金を採用。従来のプラスチックよりも20%軽量で、500%の耐久性を備える。
広範囲で微調整ができるIPD範囲に加え、クイックリリースボタンや、簡単に取り外せるマグネティックフェイス/リアクッションを搭載。複数のユーザーがヘッドセットを共有するような状況でも、クッションの交換、清掃が簡単にでき、衛生的に使用できる。
デュアルドライバーのオープンバックスピーカーを備え、没入型オーディオを体感しながら、周囲の音や声に注意を払うこともできる。エコーキャンセル用デュアルマイク、ハイレゾ認証取得済みの3.5mmステレオミニジャックも装備。
セットのコントローラーも再設計され、簡単かつ直感的な操作を実現。バッテリー持続時間は最大15時間。将来的にはハンドトラッキングもサポートする。
あわせて法人向けサービスとして、XRを活用しようとする企業ニーズをサポートする「VIVE Business」も発表した。リモートでアプリインストールやソフトウェア更新ができる「VIVE Businessデバイスマネジメントシステム」や、厳選されたアプリとツールのコレクション「VIVE Business AppStore」、トレーニングセッション「VIVE Businessトレーニング」などが利用できる。