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メガネのように折りたためる“VRグラス”「VIVE Flow」

メガネ型の「VIVE Flow」(フェイスクッションは取り外した状態)

HTCは、メガネのように折りたたんで持ち運べる小型VRグラス「VIVE Flow」を、11月18日に発売する。価格は59,990円。予約は11月11日から受け付けている。

メガネのように折りたためる

重さ189gと軽量で、メガネやサングラスのように折りたためるVRデバイス。頭を覆うVRヘッドセットではない「VRグラス」に位置づける。

メガネのようにテンプル部分を折りたたむヒンジに加え、テンプル部の根本にもヒンジを搭載した特許出願中のデュアルヒンジ設計を採用。これによりあらゆる頭の形に対応し、快適な装着感を実現したという。

スマートフォンとBluetoothで接続し、コントローラーとして利用できる

使用するには、Qualcomm Snapdragon 765、865以上、またはMediaTek Dimensity 1000以上を搭載したAndroid 9端末が必要で、スマートフォンとはBluetooth経由で接続する。接続したスマートフォンはコントローラーとして利用でき、Miracastでスマートフォンの画面をVR内に表示することもできるため、YouTubeなども視聴できる。

さまざまなアプリやゲームを楽しめるサブスクリプションサービス「VIVEPORTインフィニティVISTA」(年間契約の場合、月額1,000円)を利用可能。発表時点では瞑想(メディテーション)アプリの「TRIPP」や、陶器作りを楽しめる「Let's Create! Pottery VR」など100以上のコンテンツが対応しており、年内には150以上のコンテンツが対応を予定している。

軽量化に加え、「より長時間使用してもらいたい」との観点からバッテリーを搭載していないため、別途出力7.5W以上のモバイルバッテリーやAC充電器を用意する必要がある。本体には無停電電源システムを内蔵しており、電源のホットスワップと最大5分間の処理プロセスを維持できる。

片目あたり解像度1,600×1,600ドットのLCDディスプレイを搭載し、合計解像度は3.2K/3,200×1,600ドット。視野角は最大100度で、リフレッシュレートは75Hz。最大82%のブルーライトを取り除くブルーライトフィルターも内蔵した。メモリは4GBで、内蔵ストレージは64GB。Wi-FiやBluetooth 5.0にも対応する。

本体前面にカメラを2基内蔵する

ノイズ/エコーキャンセラー機能付きマイクも備えるほか、テンプル部分には「空間オーディオ対応のステレオスピーカー」も搭載する。本体正面にはカメラも2基備え、インサイドアウト方式の6DoFトラッキング、ビデオパススルーにも対応した。

接眼部に焦点調整ダイヤルを搭載

偏光レンズとハーフミラーを使ったパンケーキレンズデザインにより、光学システムの小サイズ化・軽量化を実現。接眼部には無段階の焦点調整ダイヤルを搭載しており、左右それぞれの目にあわせて調整が可能。メガネ不要で装着できる。瞳孔間距離(IPD)調整機能は非搭載。

空冷システムを搭載する
ディスプレイ部の上下に吸排気口を備える

空冷システムを搭載しているのも特徴で、ディスプレイ部に空冷ファンを内蔵する。ディスプレイ前面と接眼部(ガスケット)内、本体下部から吸気する設計により、ガスケット内を換気できるため、蒸れを気にせず装着できる。

フェイスクッションは取り外し可能
フェイスクッションを装着して「VIVE Flow」をかけたところ

フェイスクッションはマグネット式で取り外しでき、水や石鹸で洗うこともできる。製品にはMサイズのクッションが付属する。そのほか、電源ケーブル、携帯用ソフトケースも同梱される。

アクセサリーとして、携帯用ハードケースと2サイズ(S/M)がセットになったフェイスクッションセット、VIVE Flowを使いながらスマートフォンも充電できる電源ハブケーブルも、それぞれ販売。価格はケースが6,999円、フェイスクッションセットが4,499円、ハブケーブルが5,499円。

別売りの携帯用ハードケース

事前予約特典として、アクセサリーの携帯用ハードケースと、7つの厳選コンテンツ、「VIVEPORTインフィニティ」2カ月分が付属する。

メガネのようにかけて気軽にVR体験

VIVE Flow最大の特徴は、やはりメガネのように簡単に装着できる点。実際に試してみても気軽に装着できるため、ちょっとしたスキマ時間にさっと取り出してVRを楽しむこともできそうだった。

デュアルヒンジデザインによるホールド感も良好で、下を向いたり、周囲を見回す動作をしてもVRグラスがズレたり、落ちてしまうことはなかった。ただ、激しい動きの伴うゲームなどは避けたほうがいいかもしれない。

ディスプレイは鮮明でドット感や、残像感などは感じられなかった。内蔵スピーカーも気軽に動画や音楽を楽しむ分には充分な音質で、音漏れは2m程度離れていて、音量を少し大きめにしていると、うっすらと聴こえる程度だった。

スマートフォンをコントローラーとして使う操作は最初は戸惑ったが、チュートリアルで操作説明されるので慣れるまであまり時間はかからなかった。

装着の簡単さに次いで驚かされたのは、空冷システムによる換気機能。感染防止のため、マスクを着けて試用したのだが、40分程度VRを楽しんでいてもファンノイズが聴こえてくることはなく、画面が曇ったり、VRグラスを外したあとも汗で蒸れたりせず、快適に使用できた。