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STAX、“頂点を極めた”静電型ヘッドフォン「SR-X9000」69.3万円

SR-X9000

スタックスは、新開発の固定電極を搭載した、新しい静電型ヘッドフォン「SR-X9000」を10月8日より発売する。価格は69.3万円。

2018年6月に発売された「SR-009S」の性能を超える、“イヤースピーカーの頂点を極めた”というフラッグシップモデル。

009S搭載の多層固定電極「MLER-2」をアップデートし、大型金属メッシュを組み合わせた4層構造の固定電極「MLER-3」を搭載しているのが最大の特徴。

開口部がきめ細かい金属メッシュは、空気の抵抗や反射の影響が少なく音の透過性に優れて、固定電極の素材として理想的な特性を備える素材。金属メッシュは製造面の難しさから固定電極への実装が難しかったパーツだが、SR-009、SR-009Sの製造時に得た熱拡散結合の技術を応用することにより、固定電極への採用が可能になったという。

大型金属メッシュを組み合わせた4層構造の固定電極「MLER-3」

振動膜には、極薄のスーパーエンプラフィルムによるダイヤフラムを採用。限りなくゼロに近い軽質量化により、優れた過渡特性を実現、低域から広域にわたって音の追従性を向上させた。振動膜面積はSR-009S比で20%の大口径化に成功。「ヘッドフォンリスニングの限界を打ち破る広大な音場を獲得している」としている。

ユニット構造

ダイレクトな反射を多く発生させるガードメッシュも改良。X9000では、発音体とガードメッシュとの隙間の高さを変えるために前後で高さの違う支柱構造を採用。これによりガードメッシュが発音体に対して平行にならず、音の反射角のコントロールに成功。スムーズな音波の流れを実現した。

音の反射角をコントロールするチルト・ガードメッシュ

ステンレス製のアークASSYを採用。ひねりやねじりへの耐性を上げ、より安定感のあるリスニング・フィットを目指した。直に頭部に触れるヘッドパッド部分には本革を使用。位置は10段階のクリック機構を持つアジャスターにて調整が行なえる。

イヤーパッドは、通気性と柔軟性に優れた本革(羊皮)を採用。イヤースピーカーと頭部の適切な密着感を長時間キープすることができ、質の高い低域表現や鮮度感の高い音質を提供。また疲労感の軽減や長時間の快適なリスニングにも貢献しているという。

ステンレス製のアークASSY
ケーブル

ケーブルには低域再生に優れた、6N OFC高純度軟銅線(φ0.14×3)を使用。外周には、高域特性の高い銀メッキ軟銅線(φ0.08×9)を配置した。交換可能なリケーブル機構となっており、リスニングスタイルに合わせて交換可能な2.5mと1.5m仕様の2本のケーブルを附属している。

再生周波数帯域は5Hz~42kHzで、静電容量は110pF(附属ケーブル含む)。インピーダンスは145kΩ(10kHz/2.5m附属ケーブル含む)。音圧感度は100dB(100Vr.m.s.入力/1kHz)。バイアス電圧はDC580V。本体重量は432g。桐材を用いた収納ケースも付属する。