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Qualcomm、CDロスレス品質でワイヤレス伝送できるIC
2022年3月1日 12:30
米Qualcommは現地時間2月28日にスペインで開幕したMWC Barcelona 2022において、超低電力のワイヤレスオーディオプラットフォームとして、Snapdragon Soundをサポートした「Qualcomm S5 Sound Platform (QCC517x)」と「Qualcomm S3 Sound Platform (QCC307x)」を発表した。どちらもサンプル出荷を開始しており、搭載製品は2022年下半期に登場する見込み。
従来のプラットフォームより、20%の低電力化、25%の低遅延化を実現。LE AudioとBluetooth 5.3にも対応する。低電力化を果たしながらも、演算能力は前世代から2倍に強化された。
最大の特徴は44.1kHz/16bit、CDクオリティのオーディオ伝送が可能になること。96kHz/24bitのハイレゾのBluetooth伝送にも対応する。さらにゲーミングモードでは68msの超低遅延とゲーム内チャットも利用できる。クリエイター向けには、完全ワイヤレスイヤフォンでのステレオ録音も可能になる。
そのほかオーディオの共有とブロードキャストにも対応。よりシームレスなマルチポイント接続切り替え、より強力な第3世代アダプティブ・アクティブノイズキャンセリング(ANC)も搭載した。第3世代ANCでは、ノイズキャンセル性能の強化に加え、より自然に近い聴こえ方の外部音取り込み、低電力に加え、風やハウリング、各個人の装着具合の違いなどに“インテリジェントに”対応するという。
これらの機能を備えた新プラットフォームにより、オーディオOEMメーカーは、より柔軟性の高いデバイスカスタマイズが可能になるという。
同社のJames Chapman氏は「Snapdragon 8モバイルプラットフォーム、Qualcomm FastConnect 6900、そして新たに発表した7800サブシステム、Snapdragon Sound技術を活用して、究極のワイヤレスサウンド体験を提供することができる。例えば、ロスレスオーディオを初めて実現したほか、ゲーム内チャットが超低遅延で可能なゲームモード、新世代のクリエイターに大きな価値をもたらすステレオサウンドでのコンテンツ録音機能を、イヤフォンに追加できる」と語っている。
「さらにこれらのプラットフォームでは、専用のハードウェアブロックにアダプティブ・ノイズキャンセルも統合する。その結果、どんなイヤフォンでもノイズキャンセル能力が大幅に向上するはずだ」
この発表を受け、Jabraのグローバルマーケティング担当SVPであるCalum MacDougall氏は「クアルコムの技術は、JabraのEliteシリーズのような、他に類のないサウンドエクスペリエンスを提供する製品に活用でき、複数のセグメントで完全ワイヤレスの将来を方向づけるものだ」とコメント。そのほかvivo、Mi Smartphoneも、最新プラットフォームを歓迎するコメントを発表している。