ニュース
Meta、高級VRヘッドセット「Quest Pro」。パンケーキレンズで薄型化
2022年10月12日 07:12
Meta(旧Facebook)は10月12日、新型VRヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表した。従来のMeta Quest 2から高性能・高画質化に加え、薄型化・軽量化も果たしたモデル。10月25日より出荷を開始し、価格は226,800円。すでに予約受付も開始している。
これまで「Project Cambria」としてアナウンスされていたモデルで、発売中のOculus Quest 2の後継や、Oculus Quest 3ではない高価格帯のハイエンドデバイスとして開発。「VRとMR(Mixed Reality)の可能性を押し広げるために作られた新しい先進的なヘッドセットシリーズの第1弾」と位置づける。
各種アプリはQuest 2との互換性が確保されているが、今後一部のアプリにはQuest Proのみが対応する「ナチュラルフェイスエクスプレッション」といった特定機能が追加される予定。
Quest 2は「VRのエントリーポイント」として引き続き展開。最終的にはQuest Proのユースケースが同社のエントリーレベルヘッドセットに追加される機能やコンテンツに反映されるとしており、今後はふたつの製品シリーズが互いに補完し合いながら「メタバースに向けたVRデバイスの未来を形づくっていくことになる」という。
従来のフレネルレンズではなく、薄型パンケーキレンズを採用することで、Quest 2よりも光学モジュールの奥行きを40%削減しながら、クリアでシャープな画質を確保。背面には湾曲形状のバッテリーを搭載し、人間工学に基づきつつ、重量バランスの最適化も行なわれている。
搭載するふたつの液晶ディスプレイには、500以上のバックライトLEDを独立制御するカスタムローカルディミングと量子ドットテクノロジーを採用。画素密度(ppi)が37%向上、色域も1.3倍に広がっており、文字の読み取りからゲームプレイまでが、より美しく見えるようになったという。解像度は片目あたり1,800×1,920ドット。リフレッシュレートは最大90Hzをサポートする。
VR用に最適化されたQualcomm製「Qualcomm Snapdragon XR2+」プロセッサを採用した初の製品でもあり、Quest 2よりも50%電力効率化が図られ、排熱性も改善したことで、性能が大幅に向上した。RAM容量は12GB、ストレージ容量は256GB。ヘッドセットの内側と外側に5個ずつ、計10個の高解像度センサーを備える。空間オーディオにも対応。
外向きカメラは、解像度がQuest 2の4倍以上となり、同社ヘッドセットとして初めて、フルカラーでのパススルー表示が可能に。複数のセンサーによる映像を組み合わせて、3Dで自然な映像を作成する、立体的な複合現実パススルーも利用できる。
リアルタイムにユーザーの表情をトラッキングするセンサーも内蔵し「アイトラッキング」や「自然な表情機能」を利用可能。これらを使用することで、笑顔や眉の動き、ウインクといったユーザーの表情をアバターに反映することができる。なお、プライバシー配慮として、「アイトラッキング」と「自然な表情機能」はデフォルトではオフになっており、機能を利用する場合も利用者の目と顔の画像はヘッドセット内に留まり、処理された後に削除される。
瞳孔間距離補正(IPD)はQuest 2の58~72mmよりも広い55~75mmの調整幅に対応。新たに搭載したアイレリーフダイヤルにより、レンズと目の距離を調整し、装着感、顔の追従性、視聴体験を最適化することもできる。
バッテリー持続時間は1~2時間で、充電時間は付属充電ドック使用時で約2時間。
Meta Quest Proは装着時に周辺視野を確保することも可能。「現実世界と仮想世界の間でマルチタスクを行なうことができる」という。より没入感を得たい場合は同梱されるマグネット式の遮光板を使用する。また従来のような没入感の高いVR体験をしたい場合は、今年後半に発売予定の完全遮光アタッチメント(6,820円)を活用できるとのこと。
あわせて新型コントローラー「Meta Quest Touch Pro」も用意された。左右の各コントローラーには3つのセンサーとSnapdragon 662モバイルプロセッサを搭載しているため、バーチャル空間で360度移動が可能。TruTouchハプティックフィードバックとピンチ操作によって、「VRをもっと直感的に感じられる」という。
新型コントローラーはMeta Quest Proだけでなく、Quest 2でも利用可能。年内の単体販売も予定しており、予約を受け付けている。価格は37,180円。
外形寸法は196×265×127mm(幅×奥行き×高さ)、重さは722g。充電ドックやUSB-C電源アダプター、充電ケーブル、ケーブルクリップ、保護カバーなどが付属する。
そのほかアクセサリーとして、付属品よりもコンパクトな「Meta Quest Proコンパクト充電ドック」(10,780円)やVR利用時のオーディオとケーブルの取り回しが最適化されているという有線イヤフォン「Meta Quest Pro VRイヤフォン」(6,820円)、専用携帯ケース「Meta Quest Pro用Incase携帯用ケース」も別売りで用意する。