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ソニー、Crystal LED使用のインカメラVFX撮影実演。Inter BEE開幕

国際放送機器展「Inter BEE 2021」が16日、千葉・幕張メッセにて開幕。開催期間は11月18日までで、入場は無料(登録制)。オンラインでは12月23日まで開催している。クラウド制作システムやClystal LEDディスプレイを使ったインカメラVFXの実演展示をしているソニーのブースや、NHK、Blackmagic Designなどのブースを紹介する。

ソニー

ソニーブースでは、クラウド制作プラットフォーム「Creators' Cloud」、オンプレミス・ライブプロダクション「Networked Live」や、Cinema Lineなどの最新カメラ群の展示を行なっているほか、Crystal LEDディスプレイを使ってCG撮影するインカメラVFXの実演も行なっている。

ソニーでは、コンシューマー向けの撮影機材としてαシリーズ、視聴機としてブラビアを展開してきているが、この「Creators' Cloud」「Networked Live」については、撮影から視聴者の目に届くまでのクリエイションの領域に対するソリューションとして展開している。

Creators' Cloudは、カメラで撮影したデータを接続したスマホの専用アプリですぐにクラウドへ伝送できるクラウドカメラポータル「C3 Portal(C3P)」、パスワード付きでのファイルのやりとりやウォーターマークを入れることもできるクラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud(Ci)」、中継車を必要とせずに中継放送が行なえるクラウド中継システム「M2 Live(M2L)」、AIを活用した撮影された映像からハイライトを自動生成する「A2 Production(A2P)」、これらのコンテンツをワークフローオートメ―ションで管理する「NavigatorX Cloud(NVX)」で構成されている。

そしてNetworked Liveは、C3Pでネットワークに接続されている機材や、撮影している映像、クラウドの負荷などについてもすべて一貫して管理できるシステムになっており、編集などを行なっているメインスタジオから撮影現場と中継地の連携や指示などがリアルタイムに行なえるようになるという。

これらの連携に当たって、5Gに対応し、撮影データを超低遅延、高画質、高圧縮で送信可能なトランスミッターを開発中としており、参考展示されている。

後ろの四角い箱の様なものがトランスミッター

また、従来は12Gbpsの4K撮影データを250Mbpsに圧縮するJPEG XSという規格が使われてきたが、ソニーでは、100Mbpsまで圧縮しながら、映像の精細さを保つ新たな規格を開発中で、こちらも技術展示されている。

Virtual Productionの展示として、Crystal LEDディスプレイを使ったインカメラVFXの撮影デモを行なうブースも用意している。

そのほか、Cinema Lineより、フルサイズセンサーを搭載したレンズ交換式のロボットカメラ「FR7」や、APS-Cサイズの「FX30」、シネマカメラ「VENICE2」向けのカメラヘッド延長システム「CBK-3620XS」、グローバルシャッター機能付き4Kシステムカメラ「HDC-3200」などが展示されている。

「FR7」
ソニー「FR7」が動く様子 【Inter BEE 2022】
「HDC-3200」
「VENICE2」向けのカメラヘッド延長システム「CBK-3620XS」
「FX30」
αシリーズやCinema Lineが展示されている

NHK/Blackmagic Design

NHKのブースでは、3Dスキャンして高精細な3DCGとして作成された文化財を縦型8Kモニターに映し出すことで、目の前にあるかのように感じられる展示や、8K4倍速スローモーション撮影に使用される機材の展示、物体からの反射光などを実世界と同じように再現するライトフィールド技術を採用したヘッドマウントディスプレイの体験コーナーなどを展開。

8K4倍速スローの展示
使用されるカメラ
ライトフィールドHMDの体験ブース

また、出演者や視聴者がオンライン参加して番組やイベントをバーチャル空間上で制作できるプラットフォーム「バーチャルNHK」の体験ブースも用意。手元のPCには自分のアバターがメインとなった映像が表示されるが、別のモニターにはカメラマンが撮影している映像が表示されるため、その画角に収まるように2つの画面を確認しながら操作している様子がうかがえた。

バーチャルNHKの体験エリア

Blackmagic Designのブースでは、「ATEM Mini Pro ISO」などのライブ向け機材や、カラーパネル「DaVinci Resolve Mini Panel」などといった機材のほか、動画編集ソフト「DaVinci Resolve」の実演や、iPad用で今後提供開始予定の「DaVinci Resolve for iPad」の展示も行なわれている。

Blackmagic Designのブース
「DaVinci Resolve for iPad」