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NHK、受信料収入が460億円減へ。値下げ・契約数減少が影響、23年度予算
2023年1月11日 07:10
NHK(日本放送協会)は10日、2023年度の収支予算と事業計画を発表した。事業収入は前年比6.5%減の6,440億円で、うち受信料収入は同460億円の大幅な減収を想定。支出は6,720億円で、事業全体では280億円の赤字。赤字分は、繰越金2,581億円(22年度末見込み)から取崩す。
事業収入の大半を占める受信料の減少は、地上・衛星契約受信料の値下げと契約件数の減少等によるもの。
NHKは今年10月1日より、地上・衛星契約ともに約1割の値下げを実施予定。支払い方法により月額料金が異なっていた従来の仕組みを改め、口座振替・クレジットカード等継続払に一本化。支払方法に関わらず、地上契約は月額1,100円(沖縄は月965円)、衛星契約は月額1,950円(同1,815円)に変更する。
さらに学生への免除を拡大。同一生計で離れて暮らす場合など、被扶養の学生についても原則受信料を免除する。これにより、380億円の減収を見込む。
また受信契約の減少による影響も想定。契約総数は前年比58万件減の4,054万件、未収数は同23万件増の160万件で、支払い数は同81万件減の3,894万件。衛星契約数においても、前年比13万件減の2,181万件と試算。80億円の減収を見込む。
なお、受信料値下げ後も、効率的な契約・収納活動に取り組むことにより、営業経費は前年比17億円減の607億円で、営業経費率は9.7%を想定する。
6,720億円を見込む事業支出は、前年度比で170億円の圧縮を計画。番組制作費の削減や設備の維持運用・補修費の削減、減価償却費の削減、訪問要員手数料等の削減、委託費の削減などにより420億円規模の経費を削減しつつ、コンテンツや報道の強化、文書等の各種営業施策や外部企業との連携強化など、重点事項に対し250億円を投資する。
NHKは、予算の基本的な考え方について「2023年度は、受信料収入の確保に努めるとともに、将来的な支出規模の縮減を見据えた構造改革を一層進め、視聴者のみなさまへの還元を着実に実施するための予算を編成します」と記している。