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“ハイセンス史上最高画質”のミニLEDテレビ。16bit映像エンジン搭載

65型「65UX」

ハイセンスジャパンは、ミニLEDと量子ドットを使った高性能ディスプレイと画質専用エンジンを搭載した、新しい4K液晶テレビ「UX」シリーズを5月18日に発売する。画面サイズは65型「65UX」と、75型「75UX」を用意。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は65型が39.8万円前後、75型が49.8万円前後。

2011年の国内テレビ市場参入以降、ハイセンス初の本格的フラッグシップとして展開する高級モデル。ミニLEDバックライトや量子ドットフィルム、低反射と広視野角を両立した独自設計パネルに加えて、16bit演算の専用エンジンや様々なAI高画質化技術など、液晶テレビにおける最新技術を投入。他のモデルに比べて価格を抑えながら、「ハイセンス史上最高画質の4K液晶テレビ」を実現したという。

なお、同時発表の4K液晶テレビ「U8K」シリーズは別記事を参照のこと。

75型「75UX」(写真左)と、65型「65U8K」

独自設計のディスプレイと画像専用エンジンを搭載

65型・75型共に、ミニLEDバックライトと量子ドット技術、新開発の低反射倍速XDRパネルを組み合わせた、独自設計の“ダイナミックXディスプレイ”を採用。「有機ELを凌ぐ圧倒的な高コントラストに加えて、明るさ、豊かな色表現、滑らかさ、広視野角を実現した」とする。

独自設計の“ダイナミックXディスプレイ”

同ディスプレイでは、'22年発売のミニLED機「U9H」と比べ、ピーク輝度が最大150%も向上(75型の場合、65型は115%)。ミニLEDの使用数も75型で2.5倍に増加しており、「4ケタ後半に達する」という(65型は1.9倍増)。

75型「75UX」

量子ドットも改良。従来は拡散板と量子ドットが一体化したものを採用していたが、新モデルでは、量子ドットフィルムと拡散板を分離。互いを独立構造としたことで、色分布が緊密に保たれ、より純度の高い3原色が可能に。DCI-P3カバー率も98%を達成した。

新モデルでは、量子ドットフィルムと拡散板を独立構成とした

液晶部分は、4K/3,840×2,160ドットの倍速XDRパネルを採用。iPhoneなどにも使われているという高コントラストなパネルをベースにしながら、低反射フィルムを組み合わせることで、従来比75%減という映り込みの少ない見やすい表示を実現。さらに、他社の最上位液晶テレビにのみ採用されている広視野角シートも採用。偏光子の技術により、横からの視聴でも鮮明かつ色鮮やかな映像を可能にしたという。

斜めから見ても色鮮やかな、広視野角性能を実現している
UXシリーズの色域(イメージ)

最大2.5倍に増えたミニLEDの点灯を、エリア毎にコントロールすることで、高コントラスト化を実現する「ローカルディミングアドバンスト」技術を新搭載。分割数を75型で3.8倍、65型で2.8倍(U9H比)に細分化しており、明るい部分はより明るく、黒い部分はより黒く再現して映像の奥行き感を向上させている。

ローカルディミングアドバンスト
メニューのエリアコントロール設定

新開発のプロセッサ「HI-VIEW Engine X」も搭載。同プロセッサは、各種処理を司るSoCの後段に搭載した映像処理の専用エンジンで、16bit演算による高度な処理に加え、最新の超解像処理を可能とした。

画質専用プロセッサ「HI-VIEW Engine X」

新プロセッサで追加された高画質処理は「AIナチュラルリアリティー」「美肌リアリティーアドバンスト」「AIネット映像高画質処理アドバンスト」「AI放送映像高画質処理アドバンスト」の4つ。

AIナチュラルリアリティー(立体感復元超解像技術)は、映像内の被写体と背景を識別して、個々に応じて適切な超解像処理を行なうもの。これにより、人間が肉眼で見ているような奥行きと立体感のある映像を実現した。

AIナチュラルリアリティー(立体感復元超解像技術)

美肌リアリティーアドバンストは、映像内の人間の肌を、自然な肌の色に自動で補正してくれる機能。従来機種でも、「美肌リアリティーPro」が搭載されていたが、新モデルでは人物の顔をAIで自動判別する機能を追加。正面や横顔も自動判別できるようになったことで、肌の色のカラーシフトや白飛びの補正、ディテール再現をより向上させた。

美肌リアリティーアドバンスト
新モデルでは、人物の顔をAIで自動判別する機能が追加された

ネット動画の高画質化も強化。AIネット映像高画質処理アドバンストでは、ネット動画の特性に合わせた画質処理を適用。コントラストや精細感をアップするほか、等高線のようなバンディングノイズを滑らかにする処理も新たに追加した。

AIネット映像高画質処理アドバンスト

放送番組に対しては、複数回の超解像処理を実施することでノイズを低減する「AI放送映像高画質処理アドバンスト」を搭載。情報・バラエティ番組で多用されるワイプやテロップ文字などに対し、ノイズの少ないクリアな表示を実現した。

対応のHDR規格は、HDR10、HDR10+、HLG、Dolby Visionのほか、視聴環境にあわせて処理を行なうHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQもサポートする。

新たにFOD/TVer/DAZN/NHKプラス/WOWOWオンデマンドに対応

総合出力82Wの、Dolby Atmos対応サウンドシステムを採用。天井放出のイネーブルドスピーカーが2基、両脇のサイドスピーカーが2基、フロントLRのフルレンジ&ツイーターが4基、背面のサブウーファーが2基の計10スピーカーで、映画やスポーツといったエンタメを迫力の重低音と臨場感で再現する。

計10スピーカー・総合出力82Wのサウンドシステム
天面のイネーブルドスピーカー

またスピーカーの3次元マトリックス測定と独自の音響解析理論を活用した音響最適補正技術「Eilex PRISM」や、サウンドリマスター機能の「Eilex FOCUS」も備える。

プラットフォームは、同社オリジナルの「VIDDA(ヴィダ)」を引き続き搭載。

従来から楽しめるNetflixやPrime Video、Disney+、YouTube、U-NEXTなどに加え、視聴可能な動画配信サービスが増量。新たに「FOD」「TVer」「DAZN」「NHKプラス」「WOWOWオンデマンド」が追加され、全17社の動画配信サービスが楽しめるようになった。

動画配信を自動起動できるリモコンボタンには「TVer」が追加され、計10個のダイレクトボタンを搭載した。

リモコン
リモコンボタンには「TVer」が追加された

新4K衛星放送チューナー(BS4K/110度CS4K)を2基、地上/BS/110度CSデジタルチューナーを3基搭載。別売の外付けUSB HDDを接続することで、4K放送の裏番組録画や、2K放送の2番組裏録が行なえる。

HDMI入力は4系統で、HDMI 1~2のみ4K/120p入力に対応。ちらつきやカクツキを抑えるVRRや、ゲーム機と連動して低遅延/高画質モードを自動で切り換えるALLM機能も利用可能。また、4K/120pおよび2K/120p入力において約0.83msの低遅延を実現する「ゲームモードPro」を搭載しており、FPSや格闘ゲーム、アクションゲームなど判定にシビアなゲームも楽しめる。

コンテンツのフレームレート(fps)とテレビのリフレッシュレート(Hz)を同期させて、カクツキやティアリングを低減するAMD FreeSync Premiumにも対応する。

HDMI入力は側面に用意

ネットワーク機能としては、新たに“サーバー機能”を搭載。従来は家庭内(DLNA環境)にあるレコーダーで録画した番組を再生できる“クライアント機能”しかなかったが、新モデルでは、録画した番組をクライアント機へ送信できるようになった。なお、クライアント機能を備えるハイセンス製テレビは、U9H/U7H/A6H/A6Gなど、2018年以降発売のモデルとなる。

ほかにも、スマートフォンの画面をテレビに映し出せる「スクリーンシェア」「AirPlay 2」や、テレビの音声を無線ヘッドフォンで楽しめるBluetooth対応、発話でチャンネル/音量/入力切替などが操作できる「VIDAA Voice」などの機能もサポートする。

画面両脇のパネルサイドスリット

アルミ成型のヘアライン仕上げを施した、スタイリッシュな筐体デザインを採用。画面とフレームを一体化したベゼルレスで、スタンドはメタリックヘアラインで仕上げた。

背面。電源ケーブルは着脱式