AV Watchアワード

ハイセンスのプレミアム4KミニLED「U9N」。液晶トップクラスの低遅延性能【AV Watchアワード参戦製品(3)】

U9Nシリーズ

その年に登場した製品から、読者に本当にオススメしたい優れた製品を決める「AV Watchアワード」。2023年に引き続いて今年も“No.1テレビ”を決めるべく、テレビメーカー7社から11モデルの液晶テレビ・有機ELテレビを集め、比較テストを行なった。本稿では11月1日のNo.1モデル発表に先立ち、テストを実施した全11モデルを順次掲載していく。

今回取り上げるテレビは、ハイセンスジャパンが2024年6月に発売した4K液晶テレビ「65U9N」(30万円前後)。製品の概要・仕様の紹介と合わせ、昨年好評だったマスターモニターとの比較動画および各種測定データも合わせて掲載する。

ハイセンス「65U9N」製品概要

ハイセンスは今年6月、「U9N」(75/65型)、「U8N」(85/75/65/55型)、「U7N」(100/65/55/50/43型)の3シリーズを発表。中でも、量子ドット×ミニLEDバックライトを搭載しながらコストを抑えた「U8N」シリーズ、そしてU8Nよりもさらに輝度性能を高めたプレミアムモデル「U9N」シリーズが人気を集めている。

U9Nシリーズの65型「65U9N」は、ミニLEDバックライトと量子ドットを組み合わせた4K ADS液晶パネル(3,840×2,160ピクセル)を採用。2023年モデル(U9H)と比べ、明るさとミニLEDバックライト制御が進化しており、大幅な輝度向上とより細かいローカルディミングを実現している。

パネル表面の映り込みも改善。前モデルは表面部分の細かな凹凸で光を乱反射させて映り込みを軽減するアンチグレア(AG)コーティングだったが、U9Hでは高価なアンチリフレクション(AR)コーティングを採用。“光の干渉”を利用した外光の映り込み軽減によって、前モデルから映り込みを50%低減した。

U9Nシリーズ

映像エンジンは、TVS REGZAと共同開発した映像処理回路「HI-VIEWエンジンII」を搭載。地デジやBS/CS、4K放送ほか、ネット動画、ゲームなどのコンテンツをAIが認識。それぞれで最適な処理を適用することで、高画質な映像を楽しむことができる。また、U9Nでは新機能「バンディングノイズ制御」が追加され、ネット動画の特性に合わせた高画質処理を実行できるようになった。

対応のHDR規格は、HDR10、HDR10+、HLG、Dolby Visionのほか、視聴環境にあわせて処理を行なうHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQもサポートする。

最大4K/144Hzまでの高リフレッシュレートゲームに対応。さらに、ゲームプレイに特化したゲーミングメニューが追加され、リフレッシュレートやHDR、VRRの状況を確認できるだけでなく、バックライトや暗部ガンマの調整、FPSゲームなどで利用できる「照準表示」にも対応した。

オーディオは、左右のメインスピーカーと背面のサブウーファーに加え、テレビ上部に2つのイネーブルドスピーカーを搭載した、Dolby Atmos対応の2.1.2ch/7スピーカーシステムを採用。実用最大出力は60W。

OSは、独自プラットフォームの「VIDDA(ヴィダ)」。NetflixやPrime Video、Disney+、YouTube、U-NEXT、TVer、WOWOWオンデマンドなどの主要な動画配信サービスアプリをプリインストールしており、2024年モデルからはバンダイチャンネルが追加。計20社のサービスが楽しめるようになっている。

新4K衛星放送チューナー(BS4K/110度CS4K)を2基、地上/BS/110度CSデジタルチューナーを3基搭載。別売の外付けUSB HDDを接続することで、4K、2K放送の裏番組録画などが行なえる。

HDMI入力は4系統(ARC/eARC対応)。ビデオ入力、光デジタル出力、ヘッドフォン出力、LAN端子を備える。USBは2系統。Wi-Fi、Bluetoothに対応する。

消費電力は300Wで、年間消費電力は169kWh/年。スタンドを含む外形寸法/重量は、1,449×290×904mm(幅×奥行き×高さ)/31.2kg。

マスターモニターとの比較動画、および各種測定データ

【AV Watchアワード】液晶テレビ②HISENSE「65U9N」~マスターモニターとの映像比較
※これはHDRで撮影した映像です。鑑賞時は、HDR対応のテレビ、PC、スマートフォンなどを使用してください。SDR環境では、正しく表示されません。
推奨設定:ガンマ/HDR10、色域/BT.2020、色温度/D65
パネル性能
映像メニュー「映画」(デフォルト時)における、Calman Ultimateのプレキャリブレーション結果
キャリブレーションターゲットは「白色点:D65」「カラースペース:BT.2020」「EOTF:SMPTE 2084(PQ)」
輝度値
映像メニュー「AI自動」「映画」
10%輝度
(最大)
2,923 cd/m22,619 cd/m2
全白輝度
(最大)
781 cd/m2732 cd/m2
カラースペクトラムとBT.2020カバー率
カラースペクトラム
映像メニュー「映画」
BT.2020
1931カバー率
74.24%
BT.2020
1976カバー率
79.66%
画素構造
入力遅延と仕様
映像メニュー
「ゲーム」
4K60p2K120p
スタンダード
シューティング
レトロゲーム
9.5ms1.5ms
ロールプレイング19.5ms1.5ms
HDMI入力信号65U9N
4K120fps
4K144fps
ゲーム用HDR10
ゲーム用Dolby Vision120Hzまで
4K50Hz
1440p〇(最大60Hz)
非圧縮ステレオ
非圧縮5.1ch
非圧縮7.1ch
ドルビーデジタル
DTS
Dolby Atmos
DTS:X
その他65U9N
電源ケーブル着脱
スイーベルスタンド
阿部邦弘