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SOULNOTE、左右chグランド完全分離のプリメインアンプ。ボードも

インテグレーテッドアンプ「A-3」(プレミアム・シルバー)

CSRは、SOULNOTEより3rdステージのインテグレーテッドアンプ「A-3」を、2023年10月に発売する。カラーはプレミアム・シルバーとプレミアム・ブラック。価格は184万8,000円。

またSOULNOTEの音質を引き出しつつ、床の損傷も防止できるというリファレンスセッティングボード「RSB-1」と、リファレンスセッティングスペーサー「RSS-1」を、6月に発売する。価格はRSB-1が3万800円、RSS-1が2,200円/1個。

A-3

インテグレーテッドアンプ「A-3」(プレミアム・ブラック)

発売中の無帰還バランスプリアンプ「P-3」とモノブロックパワーアンプ「M-3」を1筐体に妥協なく凝縮したというインテグレーテッドアンプ。P-3で達成したGND完全分離テクノロジーを、パワーアンプ回路を持つA-3に応用し、左右チャンネルGND完全分離を実現している。

本来、大電流を扱うパワーアンプでは、GNDをどのように筐体に接地させるかは設計の要となるため、GND非接地の前例はないという。しかし、シンプルな無帰還回路、最適化されたアートワーク設計、大電流ループの最小化、インダクタンス成分の排除などにより、パワーアンプの筐体非接地を達成した。

セレクター、ボリューム、保護回路等の各リレーのコントロール信号をフォトカプラで分離することで、静電容量や誘導成分まで考慮したGND完全分離を実現したとのこと。「音場空間と開放感は、インテグレーテッドアンプの新境地」という。

出力段には、M-3で採用したキャンタイプ・バイポーラトランジスタによるシングルプッシュプルSEPP回路を採用。「超低域から超高域まで正しいタイミングによる滲みの無い音楽再生」を実現している。

このキャンタイプトランジスタをドライブするために、強力なTO3タイプトランジスタをドライバーとプリドライバーに採用。大電流時のhfe変動をものともせず、ボトムエンドまで確実に電流供給することで、深い表現と心踊るグルーヴ感を両立したとのこと。

電圧増幅には、ハイゲイン対GNDシングル単段増幅Type-R回路を新たに開発。アンプ動作にかかわるすべての抵抗に、ネイキッドホイル抵抗を投入している。

P-3にも投入されていた、GNDまで切断するセレクターも搭載。これにより、多くの再生機器を接続した際に生じるGNDループによる音質劣化を排除する。リレーには最上級グレードのRSRカスタムリレーを採用した。ボリュームは抵抗切り替え式で、こちらもRSRカスタムリレー、ネイキッドホイル抵抗を全面採用する。

左右チャンネル電源部のGNDは、セラミックワッシャーで絶縁された左右サイドメタルに接地。GNDアンカーとして機能する特別な筐体構造を採用した。

メイン用に700VA未含浸トロイダル電源トランスを左右に2基搭載。さらにコントロール系電源トランスを含む3電源トランスを1筐体に内蔵した。これら電源トランスは、磁力線が基板に並行になるよう、すべて垂直にマウントされている。

整流コンデンサには特別に選別された470μFの高耐圧小容量低倍率箔フィルターコンデンサを採用。その使用本数で容量を最適化し、電源トランスの負荷を軽減することで、超強力な電源トランスの実質レギュレーションをさらに向上させている。

また整流ダイオードには、許容突入電流値が強化された最新スペックのSiCダイオードを採用。ふたつのメイン電源トランスの電源スイッチとして、音質の優れた大型パワーリレーをそれぞれ独立して2個、無固定で配置している。フロントパネルの電源スイッチはコントロール系サブトランス専用。

メインヒートシンクには軽量小型の銅板製ヒートシンクを採用。キャンタイプトランジスタへの給電バスバーを兼ねており、キャンタイプトランジスタの端子はバスバーを貫通し、直下の基板に直接マウントされている。これにより、キャンタイプトランジスタの欠点でもあるワイヤリング配線を排除し、インダクタンス成分に起因する不安定さを払拭すると同時に、絶縁シートがデバイスをダンプすることによる音質劣化をも排除したという。

さらにA-3では、電源基板とアンプ基板をバスバーヒートシンクで連結してブロック化する構造部材をも兼ねている。

アンプブロック、各端子、ACインレット、トップカバー、ボトムカバーは全て無固定化。特にアンプブロックは、チタン製スライダーによる3点横滑り構造を採用した。

本体背面

入力はXLRバランス×3とRCAアンバランス×3。スピーカー出力は1系統。XLRとRCAの各1系統はゲインを22dBに固定出力できるボリュームバイパス設定が可能で、AVプリアンプの出力をつなげばAVパワーアンプとして使うことができる。オープンリールデッキやデジタルレコーダーを接続するために、REC IN/REC OUT端子も装備。XLR/RCAケーブルで接続できる。

また3.5mmステレオミニプラグケーブルをつなぐことで、複数台の連動(ボリュームなどの同時コントロール)が可能。複数台連動時は、プライマリーとセカンダリーを設定でき、プライマリーの状態にすべてのセカンダリーが従う形となる。セカンダリー側はプライマリーのボリュームとの差分をつけることもできる。

最大出力は120W×2(4Ω)、全高調波歪率は0.27%(8Ω 1W)、再生周波数帯域は2Hz~200kHz(±3dB 8Ω 1W)。入力感度は480mWで、最大ゲインは33dB、SN比は110dB。

消費電力は180W、無信号時は86W。脚部を含めた外形寸法は454×407×184mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約41kg。リモコンやボード、スペーサー、スパイクなどが付属する。

リファレンスセッティングボード/リファレンススペーサー

リファレンスセッティングボード「RSB-1」

RSB-1は、3シリーズに付属している標準ボード。RSS-1と組み合わせることで仮想オーディオラックRARになるという。材質はカバ集成材で板厚は20mm。外形寸法は474×413×20mm(幅×奥行き×高さ)、重さは2.3kg。

RSS-1は、RSB-1を浮かせて設置させることで、空気抜き穴を有効にし、音質を改善するためのスペーサー。前2点、後1点での仕様が基本とのこと。単独でスパイク受けとしても使用できる。材質はSUS303、重さは51g。

リファレンススペーサー「RSS-1」
「RSB-1」と「RSS-1」を組み合わせたところ