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アドビ、テンプレ×AI生成画像/エフェクトで簡単動画コンテンツ制作

Adobe Express

アドビは、画像生成が行なえるジェネレーティブAI「Firefly」による各製品の新機能を公開した。Premiere ProやAfter Effectsなどのビデオ製品については、今年後半にかけての実装が予告されており、今回実装される新機能はないが、「Adobe Express」に実装される動画関係の機能について紹介する。

Webツールの「Adobe Firefly(Beta)」では、プロンプト入力欄が日本語に対応。従来は英語のみ対応となっていたが、生成したい画像のイメージを日本語で入力することで画像の生成が行なえるようになった。なお、後述のツール内に搭載するFireflyの機能についてもプロンプト入力欄が設けられているが、こちらは英語のみ対応となる。

Adobe Expressが刷新。投稿したいSNSに応じて簡単にコンテンツ作成

デザインの知識がなくてもWeb上で簡単にグラフィックなどが作成できるデザインツールAdobe Expressは、新たに全機能を刷新し、先週よりパブリックベータ版として公開された。

動画編集機能についても、SNSに応じて最適なアスペクト比のテンプレートを用意。検索欄も設けられ、キーワードにあったテンプレートが提案される。

動画素材を用意し、ドラッグ&ドロップするだけで、テンプレート内に挿入できる。動画の使用したい部分も下部に表示されるバー上で簡単に調整できるほか、音声のボリューム調整や、BGMの検索、挿入も行なえる。

動画テンプレートの使用例
動画を挿入すると、下の編集バーでどの部分を使うかなどの調整が行なえる

挿入する文字のフォントやエフェクトをFireflyのプロンプトに入力するだけで装飾できる機能も搭載。テキストを選択し、「テキスト効果」の項目を開くことでプロンプト入力欄が表示されるため、自分の思い描くイメージを言葉で入力すると、Fireflyが4つの提案を表示する。

気に入った物が表示されなければ、追加で提案を表示させることもできる。なお、このプロンプト欄は英語のみ対応となっている。

ほかにも静止画と動画やアニメーションを組み合わせたようなコンテンツも制作可能。サイドメニューのメディア欄では、Adobe Stockの素材を検索して使用できるが、「テキストで画像作成」を選択することで、Fireflyの画像生成機能を使って作成した画像をそのまま素材として使用できる。

Fireflyで生成した画像を素材に使用
テンプレートの文字にFireflyでテキスト効果を付与
テキスト効果を付与した状態で文字の編集もできる

画像素材は、選択することで簡単なアニメーションなども付けることができるため、素材の一部にアニメーションを付けるなど、目を引くコンテンツが制作できるという。

素材にアニメーションをつけることもできる

また、制作物のサイズ変更も行なえる。サイズ変更アイコンをクリックすることで、SNSに適したサイズなどがチェック項目として表示。欲しいサイズのものにチェックを入れ、「複製してサイズ変更」を選択すると、サイズに合わせたデザインが自動生成される。

例えばInstagram向けに作った正方形のデザインに対して、Instagramストーリーの縦長サイズやYouTubeのサムネイルのような横長のサイズにチェックを入れてサイズ変更すると、それに合わせてバランスの取られたコンテンツが自動で生成される。わざわざサイズ違いのものを作らなくても、簡単にバリエーションを増やすことができる。

デザインが完成すれば、別のサイズのバリエーションは自動的に生成できてしまう

PhotoshopやIllustratorにもFireflyの機能が登場

Photoshopは、すでに公開されているパブリックベータ版に「生成塗りつぶし」機能が搭載されており、ここにFireflyの機能が使われている。

例えば、山と湖が写った縦長の画像に対して、左右を拡張してその拡張した部分を選択し、生成塗りつぶし機能を実行すると、元の写真に写っている物を参考にあたかも拡張したサイズで写真を撮っていたかのような画像を生成する。

元の画像
左右を拡張
生成塗りつぶしを実行すると、余白の部分がもとの画像の雰囲気に合わせて生成される

プロンプト入力欄も備えており、全く新しい背景を生成したり、水たまりや木などを自然に増やしたりといったことも行なえる。生成されるコンテンツは3種類提案されるほか、生成し直すこともできる。

元の画像
プロンプトを活用すれば、欲しい風景やオブジェクトを追加することもできる

Illustratorは英語版のBeta版にて、制作物の色をイメージに合わせて簡単に変更できる「Generative Recolor」が本日より搭載される。日本語版では利用できないが、日本でも英語版のBeta版アプリがダウンロードできる。

この機能では、ウィンドウ内のプロンプトに直接色のイメージを入力することで同じデザインで色の組み合わせだけ異なる候補が生成されるほか、配色パターンのイメージテンプレートも用意される。そのイメージを選択することで、テンプレートの雰囲気に合った配色候補が生成される仕組み。

なお、この「Generative Recolor」は、Web版のFireflyにて公開されているため、IllustratorでSVGファイルで書き出し、アップロードすることで同じ機能の体験ができる。

元のデザイン
Fireflyによるテーマに合わせた配色イメージ
配色イメージのテンプレートも用意されている