ニュース
ソニー、AIプロセッシングなど最新機能を詰め込んだAPS-C「α6700」
2023年7月12日 23:05
ソニーは、APS-Cサイズのデジタルカメラ「α6700」を7月28日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はボディのみが218,900円前後、「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」が付属するレンズキットが262,900円前後。フルサイズ向け望遠ズームレンズ「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」も同日発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は25万円前後。カメラ、レンズともに発売に先駆け、18日より予約受付開始する。
α6700
AIプロセッシングユニットなど、フルサイズ機で培われた最新機能を搭載した「次世代プレミアムAPS-Cモデル」とし、4K120pでの動画撮影にも対応している。
センサーは裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載し、有効画素数は2,600万画素を実現。画像処理エンジンもAPS-Cモデルでは初となる「BIONZ XR」を搭載し、静止画/動画撮影における処理能力が大幅に向上。階調表現や色再現性能、低ノイズ性能のほか、メニュー操作におけるレスポンスも向上している。ISO感度は静止画常用と動画が100~32000、静止画の拡張が50~102400。
顔の肌領域を検出して最適な明るさを保てるようAEアルゴリズムが進化。α6600比で約20%安定したとする。人肌だけでなく、空や緑もより自然な色合いで再現可能としている。
光学式5軸ボディ内手ブレ補正も搭載。従来同様に5段の手ブレ補正効果を発揮。新アルゴリズムにより、1画素レベルの微細なブレ量も検出して補正する。動画撮影時には手ブレ補正機能の「アクティブ」が選択可能。
α6000シリーズで初めてHEIFフォーマットに対応。RAW撮影ではロスレス圧縮にも対応した。HLG静止画モードも備え、このモードで記録したHEIF画像は対応の4KブラビアにHDMI出力することで、従来よりも広いレンジの明るさを大画面で楽しめるとしている。
AIプロセッシングユニットを搭載したことで、リアルタイム認識AFを装備。被写体の骨格情報を使って、動きを高精度に認識でき、人物の瞳の認識精度はα6600比で約60%向上。姿勢推定技術により、人間の胴体や頭部の位置も認識することでリアルタイムトラッキングの被写体認識性能も大幅に向上している。
被写体認識は従来の人物、動物のほか、鳥、昆虫、車/列車、飛行機に対応。動物に対する認識精度はα6600比で約40%以上に向上している。
最大759点(動画撮影時は最大495点)の像面位相差AF点を配置し、静止画撮影時のイメージセンサー撮像領域の93%をカバー。EV-3.0の暗いシーンでも被写体が補足できるとする。なお、動画撮影時は撮像エリアの水平方向約93%、垂直方向約97%をカバーしている。
全10種類のプリセットと8項目の補正で静止画/動画を自分好みの雰囲気で撮影できるクリエイティブルックも搭載する。
動画は6Kオーバーサンプリングによる4K撮影に対応。最大4K120pで撮影できるほか、VLOGCAMの機能も搭載し、シネマのような映像が手軽に再現できるS-Cinetoneや、S-Log3での撮影、Log撮影モード時にLUTをカメラモニター映像に表示する機能も備えている。
S&Qモードでは、4K解像度で最大5倍、フルHDで最大10倍までのスローモーション映像が撮影できる。なお、S&Qモードでは約38%画角がクロップされる。
ZV-E1に搭載されていた、クロップによってカメラが自動的に構図を変更するオートフレーミング機能も搭載。カメラ本体内でタイムラプスの生成も行なえる。
動画関連のフォーカス機能では、シームレスにAFからMF操作に切替可能なAFアシスト、映像の被写界深度を可視化するフォーカスマップ機能、ピーキング表示、撮影時の画角変動を抑えるブリージング補正機能などを新たに備えている。
対応のマイクをケーブルなしで接続できる、デジタルオーディオインターフェイス対応のシューを装備。内蔵マイクを使用する場合は選択式で風切り音を低減できる。本体にはヘッドフォン端子とマイク端子、マイクロHDMI端子も備えている。
なお、USB端子は従来のmicroB端子からUSB-Cになり、USB PDにも対応。SDカードの挿入場所もバッテリーの隣ではなく、側面の端子部に移動した。
本体は操作性を向上するためにボタン配置が変更。静止画/動画/S&Qは切替ダイヤルが採用され、動画撮影のRECボタンは本体上部へ移動。右側面にはC1ボタンが配置された。AF-ONボタンも追加されている。
グリップ側上部先端に前ダイヤルが追加。そのほか握りやすさを考慮してグリップが大型化したほか、幅、高さもともに約2mm大きくなり、外形寸法は122×75.1×69mm(幅×奥行き×高さ)となったが、重量は10g軽量化し、バッテリー込みで493gとなっている。
3型液晶モニターはバリアングル式で、約103万ドットのタッチパネルを搭載している。ビューファインダーはファインダー倍率約1.07倍の高解像・高コントラストな約236万ドットのXGA OLEDを採用。α6600比では輝度が約2倍向上したα7R Vと同等の性能で、通常の2倍のハイフレームレート(120fps)での表示にも対応している。
スマホアプリ「Creators' Cloud」に対応。スマホからカメラを操作したり、転送したりできるほか、カメラのバッテリーやメディアの状態をスマホから確認できる。また、カメラのメタデータとクラウドAIにより、動画編集の下地作りを効率化するMaster Cutやチームによる共同製作を支援する「Ci Media Cloud」などのサービスも利用できる。
環境への配慮の面では、本体に再生可能なSORPLAS素材を使用しているほか、梱包材についても脱プラスチック素材を採用。製品を包む袋も植物由来の不織布を使用している。
FE 70-200mm F4 Macro G OSS II
2014年に発売された「FE 70-200mm F4 G OSS」の第2世代となる望遠ズームレンズ。Gレンズの第2世代は今回が初。Gレンズならではの高い解像性能とぼけ描写を備えるほか、光学式手ブレ補正も内蔵している。
画質、AF性能などの基本性能を進化させながら、繰り出し式を採用することで、本体を小型軽量化。また、ズーム全域でのハーフマクロ(×0.5)撮影が可能なマクロレンズとして進化させた。テレコンバーターにも対応し、2倍の「SEL20TC」装着時では等倍マクロ撮影が可能になるほか、最長400mm、APS-C機やクロップ機能を使えば最長600mmでの撮影が行なえる。
2つのフォーカス群にXDリニアモーターを2基ずつ、計4基搭載。高速、高精度、高追随なAFを実現。FE 70-200mm F4 G OSSと比較して、AF速度は約20%向上。動体への追随性能は約2倍以上になった。
レンズの光学設計により、ズーム全域でブリージング現象を抑制。αシリーズのカメラの「ブリージング補正機能」にも対応しており、動画撮影中にフォーカスの対象を変えたときに画角が変わってしまう現象を防げる。
マクロレンズになったことで、最短撮影距離は0.26~0.42m(70~200mm)と従来の1~1.5m(70~200mm/AF)、1~1.35m(70~200mm/MF)よりも大幅に短くなり、近接撮影においても高い解像性能を実現した。
本体にはフォーカスホールドボタン×3個、mode1~3に切り替え可能な手ブレ補正スイッチ、ズームロックスイッチ、フォーカスモードスイッチ、フルタイムDMFスイッチ、マクロモードなどに切り替えられるフォーカスレンジリミッターなどを備えている。また、三脚座が付属する。
外形寸法は82.2×149mm(直径×長さ)。重量は794g。防塵防滴に配慮した設計となっている。