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ファーウェイ、イヤカフ型イヤフォン一般販売。「ランニング用イヤフォンの主流になる」

「HUAWEI FreeClip」

ファーウェイ・ジャパンは、イヤーカフ型の完全ワイヤレスイヤフォン「HUAWEI FreeClip」の一般販売を2月20日に開始する。直販価格は27,800円。カラーはブラックとパープルを用意する。あわせて製品アンバサダーに“3代目山の神”とも呼ばれたプロランナーの神野大地、モデルの熊谷江里子を起用すると発表した。

耳を挟むように装着する

FreeClipは、耳を挟むように装着するイヤーカフ型の完全ワイヤレスで、開発に3年以上をかけたというモデル。2月1日までクラウドファンディングのGREEN FUNDINGで行なった先行販売では5,860万円以上の支援(先行購入)があったという。

イヤフォンは「アコースティックボール」と「C-ブリッジ」、「コンフォートビーンズ」という3つの主要パーツで構成され、1万人以上の人間の耳のデータを基に、人間工学に基づいて最適化した。

C-ブリッジは、アコースティックボールとコンフォートビーンズのつなぎ目部分のことで、内部に9本の芯線と形状記憶合金を使用。これをシリコンで覆うことで快適な装着性を実現している。

アコースティックボール部には、約10.8mm径のデュアルマグネットダイナミックドライバーを搭載し、迫力あるサウンドを楽しめる。音漏れを抑える逆音波システムも導入。「スマートに音量を調整しつつ、音波を巧妙に逆音波で打ち消し、音漏れを抑えている」とのこと。

コンフォートビーンズは装着時、耳を後ろから挟むパーツ。へこんだ豆のような形状となっており、このパーツが耳に密着することで長時間の装着時も快適だという。

左右自動識別機能により、イヤフォンの左右を気にせず装着・使用できる

イヤフォンは左右対称デザインで、左右自動識別機能により、イヤフォンの左右を気にすることなく装着できる。Bluetooth 5.3準拠で、コーデックはSBCとAAC、L2HCをサポートし、最大2台までのマルチポイント接続もできる。

連続音楽再生時間は、イヤフォン単体で最大8時間、充電ケース併用で最大36時間。充電時間はイヤフォンが約40分、ケースが約60分(有線)、イヤフォンは約10分の充電で最大3時間使える急速充電にも対応した。

ビジネスシーン向けの機能として、片耳利用ができるほか、マイクはデュアルマイク+骨伝導VPUセンサーに加え、独自のマルチチャネルDNN(ディープ・ニューラル・ネットワーク)通話ノイズリダクションアルゴリズムにより、混雑した屋外でも優れた通話性能を発揮するという。通話時の風切り音低減機能も備える。

IP54の防塵防滴仕様。外形寸法はイヤフォンが約22×25.3×26.7mm(幅×奥行き×高さ)、充電ケースが約51.95×27.35×59.7mm(同)。重さはイヤフォン単体約5.6g、充電ケースが約45.8g。

2月2日に行なわれた発表会では、「Fashion Forward」「Sport Forward」「Business Forward」と3つのキーワードで製品が紹介された

アンバサダーの神野大地「時速16~17kmで走っても耳から落ちない」

アンバサダーに就任した神野大地氏。耳には「HUAWEI FreeClip」を装着して登場した

2日に行なわれたアンバサダー就任発表会には、神野が登場。すでに普段のジョギングやトレーニング時にFreeClipを使っているといい「一見(耳から)落ちそうに思えるかもしれませんが、まったくそんなことはありません」と装着感、安定感の高さを語った。

「重さを感じないくらいものすごく軽いですし、付け心地も耳に食い込むような感じはなく不快感やズレが気になることも一切ありません。クリップのように装着するので、僕の場合2~3時間走るときもあるんですが、そういう場合でも一切耳が疲れるような感覚はありませんでした」

イベントは不参加となったものの、モデルの熊谷江里子も製品アンバサダーを務める

「もともとランニング時にイヤフォンを使うことはあまりなくて、本当にたまに使うくらい。どちらかと言うと、自分の足音や呼吸だったりを大切にして普段走っているので、イヤフォンで耳をふさいでしまうと、そういう音は聞こえなくなってしまいます。なのでウォーミングアップ時や練習会場への移動中に使うくらいでした」

「しかしFreeClipでは、僕がイヤフォンを使ってこなかった悩みが解決されます。ジョギングで使用しても、しっかり自分の足音も聞こえますし、周りの音も聞こえたりするので、安全面も心配せず気にせず走れます。どうしても長く走ると退屈に感じることもあるので、音楽を聴くことモチベーションも上げられますしね」

さらに装着感の高さについては、「1kmを3分半くらい、時速16~17kmくらいまでペースを上げて走っても、FreeClipが耳から落ちることはなかったです」と、プロランナーならではの視点で太鼓判を押す。

音質についても「ランニング向けのイヤフォンだと、低音が強すぎたりなど“嫌な感じ”がするものもありますが、このFreeClipでは程よい低音をかんじることができました」とのこと。

イベントではトレッドミルを使って走るデモンストレーションも

最後に神野は「ランニングだけじゃなくて、例えばジムで運動する人にも(おすすめしたい)。周囲の音が聞こえないと、誰かに話しかけられたときに対応できなかったりすると思うので、ジムで運動する人も、FreeClipなら音が良くて、誰かに話しかけられても対応できると思います。ランニングをやる人にとっては、これはランニング用イヤフォンの主流になると思っているので、たくさんの人に手に取ってもらって、良さを感じてほしい」と語った。

なお、ファーウェイは2月29日~3月2日に東京ビッグサイト南展示棟で開催される「東京マラソンEXPO 2024」に出展。FreeClipを展示し、視聴体験ができるほか、神野が登壇するイベントも開催する。

神野大地(右)と製品着用モデルとして出演したマコーミック 桂良 ジャズミン(左)

音を聴いてみた

FreeClipは、耳の後ろに来るコンフォートビーンズ部分が大きく、見た目には重そうな印象だが、実際に持つと軽く、そのギャップに驚かされる。C-ブリッジ部分はシリコンで覆われていることもあり、特有のペタペタした手触り感があった。

アコースティックボールの先端から音が出る

同じイヤーカフ型完全ワイヤレスイヤフォンの代表的なモデルとして、ambieの「AM-TW01」があるが、ambieは耳をしっかり挟んでいるような装着感なのに対し、FreeClipは耳を挟んでいるような感覚はなく、どちらかと言うと球体のアコースティックボール部分が耳のくぼみにマッチして“耳にぶら下がっている”という感覚に近い。

ただコンフォートビーンズが耳の後ろ側から支える構造になっているので、耳元でブラブラと動くようなこともなかった。

音質はグワッと沈み込むような深みのある低域は味わえないが、音楽を楽しむには十分な量感。女性ボーカルの楽曲では、高音域に少しピーキーさも感じるものの、それでも全体的なバランスは良好で、長時間使っても聴き疲れしにくいようなチューニングに感じられた。

こういった特殊な形状のイヤフォンの中には、タッチ操作がしずらいものもあるが、FreeClipはアコースティックボール、C-ブリッジ、コンフォートビーンズのどの部分をタップしても操作ができるため、操作性の高さも確保されている。ちなみに筆者は耳の後ろに来るコンフォートビーンズ部分をタップするのが、もっとも操作しやすく感じられた。

カラバリはブラックとパープル
ファーウェイは「HUAWEI FreeClip」とスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 4」、ランニングフォームを分析できるセンサー「HUAWEI S-TAG」を“HUAWEI 三種のランニング神器”と位置づける