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iFI-Audioのハイレゾ対応真空管コンポ、iBasso初ハイブリッドカスタムIEMなど

 10月25日(土)と26日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催されている「秋のヘッドフォン祭 2014」。AV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催するイベントで、各社の新製品が展示、試聴もできる。ここではiFI-Audioなどの製品を展示していたトップウイングや、初のイヤフォン試作機を展示したiBassoなどのブースを中心にレポートする。

最新DACと真空管を組み合わせたiFI-Audioのコンポなど

 iFI-Audio製品では、2015年初頭の発売を予定しているコンパクトなオーディオシステム「Stereo 50 Retro System」を参考展示している。

Stereo 50 Retro System

 USB DACやBluetoothレシーバ機能、アンプなどを搭載した一体型ユニットと、ブックシェルフ型スピーカーで構成。セットでの予定価格は28万円。本体のみでは16万円、スピーカーのみでは14万円での発売を予定している。

 デジタル技術と真空管アナログ技術を融合させているのが特徴。USB入力を備え、USB DAC機能はDSD 512(24.6MHz)や、DSD 256(11.2MHz)、PCMは768kHzまでサポート。バーブラウンのDACチップを採用している。PCだけでなく、iPhone/iPad、USB-OTGケーブルを介してAndroidデバイスとも接続可能。

 さらに、192kHzまで対応する同軸/光デジタル入力や、aptX/NFC対応のBluetoothレシーバ機能も搭載。アナログRCA/ステレオミニの入力も2系統、MM、MC対応のPhono入力も搭載。「iPhono」の回路を採用しており、4系統のゲイン、6系統のEQカーブを設定できる。

上から見たところ
メインユニット部
スピーカーは横置きも可能
メインユニット部
メインユニットの背面

 ヘッドフォンアンプも搭載。標準のヘッドフォン出力は最大出力8,000mWで、電力を多く必要とするAudeze、Hifiman、ゼンハイザーのHD800などに対応。ステレオミニの出力は、能率の高いヘッドフォンやカスタムイヤフォンに対応するという。「3Dホログラフィック機能」も備え、イヤフォンとスピーカーのどちらでも利用でき、ヘッドフォンの接続で自動的に切り替わる。

 アンプ部には、真空管を使用。EL84×4本、ECF82×2本の構成で、リモコン操作が可能なALPS製のアナログボリュームも使っている。出力は25W。

 スピーカーは28mm口径のシルクドームツイータと、115mmのペーパーコーンユニットを搭載。クロスオーバーネットワークは搭載していない。筐体は竹製。「アクティブアクースティックチューニング(AAT)」により、「聴く人を音楽に引き込むサウンド」を実現したという。

スピーカーにネットワークは搭載していない

 さらにiFI-Audioのブースでは、「NetAudio #16」誌に付録するDSD 256音源「Rie fu/So-Re-Da-Ke」や、12月20日発売予定「アニソンオーディオ」誌の付録音源「I wanna go to a place...」(ガンダムSEED DESTINYのエンディングテーマを9年ぶりにセルフカバーした弾き語り)も先行で試聴可能。

 この2曲、収録に使ったマルチトラック機材も展示、その再生音をiFI機材に繋ぎ、ヘッドフォンで聴けるようにしている。さらに、テクノボーイズP.G.のハイレゾ楽曲も試聴可能。通常はe-onkyoにて、96kHz/24bit版が配信されているが、アイウィルの佐藤純之介プロデューサーの協力により、初公開の32bitバージョンが聴けるという。

micro iDSDなどのポータブル機も試聴可能
HiFiMan のアップデートについても案内していた

 トップウイングブース内のJR-SOUND製品では、12月に発売予定のフルバランスヘッドフォンアンプ「HPA-206」を参考出展。入力はXLRバランス1系統とRCAアナログ2系統、出力はXLR/TRSコンボのバランスとアンバランスを各1系統備える。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は25万円前後。フルバランスの4回路とアンバランス2回路で構成し、4連ボリュームや大型トランスなどを装備している。

JR-SOUNDのフルバランスヘッドフォンアンプ「HPA-206」
内部構造
HPA-203などのモデルも展示している

iBasso初のハイブリッド型カスタムイヤフォンや、SDダブルスロットのハイレゾプレーヤーなど

 ヒビノインターサウンドのブースには、iBassoの試作機が3つ展示されている。同社初となるカスタムイヤフォンの製品コードネーム「Oriolus」、USB DAC搭載小型ヘッドフォンアンプの「D-Zero MKII」、そして“iBasso開発史上最強”を謳うポータブルヘッドフォンアンプ。発売日や価格はいずれも未定。

iBasso Audioの参考出展モデル

 コードネーム「Oriolus」と呼ぶカスタムイヤフォンは、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバ3基とダイナミック1基を備えたハイブリッド型。これまでポータブルプレーヤーやアンプを手掛けたiBassoが、最終的に音の出口まで提案することにより、よりメーカーとして“目指した音”をユーザーに届けることを目的としている。

 「D-Zero MKII」は、従来モデルのD-Zeroから出力などをアップしたほか、DACもESS製からWolfson WM8740の2基構成へ変更。96kHz/24bitまで対応し、Android端末とのOTG(On-The-Go)ケーブル接続や、iOS端末とのCCK(Camera Connection Kit)接続に対応する。また、ポータブルヘッドフォンアンプの最上位機種については、アナログポタアンの一番上を目指したモデルとして製品化を図っていくという。

iBassoの「Oriolus」
D-Zero MKII
アナログヘッドフォンアンプの最上位機

 アンプやICチップを手掛ける韓国メーカーのDigital and Analogが展開するのは、ポータブルハイレゾプレーヤー「Calyx-M」。DSD 5.6MHzネイティブ再生をはじめとするハイレゾ再生を一通りサポートし、パソコンのUSB DACとしても利用可能。ヘッドフォン祭の会場で先行販売を行ない、価格は99,800円(通常価格は13万円)。国内販売代理はJが担当する。

 ストレージは64GB内蔵メモリに加え、最大256GBのSDカードと最大128GBのmicroSDのダブルスロットを装備する。4.65型のタッチスクリーンで操作する。OSは独自開発のもの。ヘッドフォン出力はステレオミニのアンバランス。

Calyx-M
SDとmicroSDのダブルスロット
側面
FitEar(須山歯研)ブースでは、ユニバーサルイヤフォンのfitearを試聴可能。25日に行なった発表会で、サプライズとして新しいカスタムイヤフォンも発表。同社初という3Dプリンタ出力によるシェルを用いた「Aya(彩)」が話題となった
フォステクスは、BAシングルドライバのカナル型イヤフォン「TE-07」を11月末に発売する。BAの良さを活かした音質としており、クラシックや小編成のジャズなどに向いているという
既発売のダイナミック型「TE-05」(上)と共通した本体デザインで、筐体はアルミ削り出し
平面駆動型のヘッドフォン「TH500RP」なども展示
韓国Dynamic Motionは、ダイナミック型ドライバのイヤフォン新モデル「DM100」を出展。既存の2モデルの中間的なモデルと位置付けられ、価格は15,000円前後を想定
SAECのリケーブルとして、Astell&Kern用の2.5mm 4極バランス対応モデルを展示。MMCXタイプの1.2mが23,000円、FitEar用が同26,500円。11月20日に発売する。
ソニーは、バランス対応ヘッドフォンのMDR-Z7や、ポータブルアンプのPHA-3などを視聴可能。試聴のハイレゾウォークマンは、Aシリーズではなく現行のF/Zシリーズを使用
ヤマハは、イヤフォン新モデル「EPH-52」、EPH-32」、「EPH-22」などを展示
パイオニアのDJヘッドフォン新モデル「HDJ-C70」
ファイナルオーディオデザインは、12月発売予定の「heaven VII」(実売6万円前後)、「heaven VIII」(実 売7万円前後)を展示
RHAのハンドメイドドライバ搭載イヤフォン「RHA T10i」も試聴可能

(山崎健太郎/中林暁)