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ソニー、世界初2/3型3板式4Kセンサー搭載カメラをNABに出展。HDR TVを'15年内発売
(2015/4/13 11:47)
ソニーは、米ラスベガスで現地時間の4月13日から開催される国際放送機器展「NAB 2015」に合わせ、世界初の2/3型3板式4Kイメージセンサーを搭載し、高倍率の大型レンズを活用してスポーツ中継などに活用できる約1,400万円の4K/HD対応カメラ「HDC-4300」など、業務用の新4Kソリューションを発表した。
世界初、2/3型3板式4Kセンサー搭載の「HDC-4300」
世界初となる2/3型3板式4Kイメージセンサーを搭載した4Kカメラ。カメラ本体とビューファインダ、ベースバンドプロセッサユニット、カメラコントロールユニット、リモートコントロールパネルを含めたシステムで約1,400万円。構成により価格は異なる。
センサーブロックは、新規開発の4K CMOSセンサーと、プリズムを含む光学システムに3枚の4Kイメージセンサーを正確に貼り合わせる超高精度な独自の固着技術を用いて実現。次世代放送の映像制作規格「ITU-R BT.2020」にも対応し、高精細で幅広い色域での色再現が可能。奥行きのある競技場での撮影など、被写界深度が求められるスポーツ撮影にも適しているとする。
さらに、放送局で広く使われているHD用B4マウントレンズを装着可能。「使い慣れたHDカメラの操作性を維持したまま4K撮影ができる」とし、高倍率な大型レンズも利用できる。
4Kだけでなく、別売ソフト「SZC-4002」をインストールすることで、フルHD映像を最大で479.52/400fpsで撮影、超高速撮影した映像をマルチポートAVストレージユニット「PWS-4400」で記録する事で、8倍速のスーパースローモーション映像を再生できる。
ベースバンドプロセッサユニット「BPU-4000」、カメラコントロールユニット「HDCU-2000/HDCU-2500」もラインナップ。カメラヘッドへの電源供給やインターカム、タリー、リターン映像など、ライブ中継やスタジオ番組制作に必要な機能を構築できる。
既に放送局や制作現場で使われている「HDCシリーズ」も活用でき、そこに「HDC-4300」を追加する事で、「4K/HDの混在運用ができ、HD制作から4K制作への円滑な移行を実現できる」という。
IP伝送対応の4Kスイッチャーや4Kメモリープレーヤーも
独自のIPネットワーク映像伝送技術を用いて、映像/各種信号の伝送をネットワークケーブル1本で可能にする「ネットワーク・メディア・インターフェース」。これを備えた、4Kライブスイッチャーを2015年末に発売予定。NABでは4K映像をほぼ遅延なく伝送する技術展示を行なう予定。
他にも、HDMI 2.0や3G-SDIなどのインターフェースを備え、様々なディスプレイにSxSメモリーカードやUSB 3.0ストレージ内の4Kコンテンツを再生・表示できる4Kメモリープレーヤー「PMW-PZ1」や、XAVC対応の4K/HDライブサーバーシステム「PWS-4400」向け収録用ソフトウェアなども出展する。
Beyond 4Kソリューション
4K SXRDプロジェクタ「SRX-T615」2台の映像を組み合わせるエッジブレンディング技術を用いて、ブース内に8K×2K表示の大スクリーンを設置。シネアルタ4Kカメラ「F65」、「PMW-F55」で撮影した米国のロックバンド「Foo Fighters」のライブ映像を表示する。
この映像は、「F65」で撮影した映像を、スーパーレゾリューション・デモザイキングプロセッサー「PWS-300SR1」で8K×4Kで超解像現像し、任意のアスペクトで切り出したもの。「コンサートやイベント、テーマパーク、博物館など高度な映像活用が求められるエンタテインメント市場に向けて提案する」という。
ハイダイナミックレンジ対応BRAVIAを2015年内発売
高輝度と高コントラストを実現する事で、肉眼により近い視覚効果をもたらす「ハイダイナミックレンジ」(HDR)技術にも注力。シネアルタ4Kカメラ「F65」、「PMW-F55」と4K 有機ELマスターモニター「BVM-X300」を用いて、広色域、高解像度とハイダイナミックレンジを兼ね備えた、最高画質のマスタリングプロセスを実現できる環境を構築。
「F65」、「PMW-F55」で撮影したRAW素材を活用する事で、過去の映像資産を、新たにHDR映像を作る出せるという。こうしたHDRのコンテンツを手軽に家庭で楽しめるよう、HDR対応のテレビ、BRAVIAを2015年内に発売予定とした。
速報性が求められるニュース制作に向けて
速報性が求められるニュース制作に向けて、ワイヤレス機能を内蔵したカメラの開発など、高品質のライブストリーミングを低予算で実現するワイヤレスソリューションも提案
。2015年発売予定のネットワークRXステーション「PWS-100RX1」を使い、ソニー独自のQoS技術により安定したライブストリーミングができる様子を展示。
既存のXDCAMカムコーダー「PXW-X180」、「PXW-X200」、「PXW-X500」には今後バージョンアップで、QoS対応のライブストリーミング機能を搭載予定。
XDCAMショルダーカムコーダのベーシックモデル「PXW-X320」も開発。1/2型フルHD Exmor 3CMOSセンサーと3Dノイズリダクション機能により、F11の高感度と、SN比60dBの低ノイズを実現したという。