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ソニー、3連カメラリング×3板式センサーのハンディカムコーダー「PXW-Z300」

PXW-Z300

ソニーは、XDCAMハンディカムコーダーのフラッグシップモデル「PXW-Z300」を9月下旬以降に発売する。価格は1,197,900円。

2018年発売の4K 3CMOSハンディカムコーダー「PXZ-Z280」の後継機。3連リング、3板式イメージセンサーを前機種から踏襲しながら、最新機種のAIプロセッシングによるオートフォーカスや、Cinema Lineとの連携といった新機能を追加。取り回しのしやすさに注力した新設計も採用した。

昨年9月に発売された「PXW-Z200」が、カメラに慣れていないディレクターでも簡単に扱える機種であるのに対し、PXW-Z300は、熟練のカメラマンが従来機とほぼ同じ使用感で新機能を使える機種となっている。

1/2インチの4K Exmor CMOSセンサーを3板式で搭載。深い被写界深度に加えて、RGBをそれぞれ別のセンサーが対応する3板式を採用することで、明るい映像が撮影できるのが特徴。

映像エンジンもBIONZ XRを搭載し、高い階調表現と忠実な色再現性能を実現。AIプロセッシングユニットにより、ホワイトバランス調整の精度も向上しているほか、PXW-Z200同様に、骨格推定による人物の被写体認識機能を装備。被写体が後ろを向いてもフォーカスを維持できる。

フォーカス、ズーム、絞りを操作できる3連リングを装備。PXW-Z200のようなサーボ式ではなく、PXZ-Z280と同じく、リングが始点と終点でストップするメカニカルリングを採用したため、従来と全く同じオペレーションが可能としている。

カメラマンからの要望が多かったという3連レンズリングをメカニカルリングで搭載

ズーム域は35mmフルサイズ換算で30.3〜515mm。明るさはF1.9通しとなっている。デジタルエクステンダー機能も備え、4Kで1.5倍、HDで2倍/3倍/4倍が利用できる。

4K(60P/50P/30P/25P/24P)、HD(60P/60i/50P/50i/30P/25P/24P)での撮影に対応。記録フォーマットはMPEG HD422に対応するため、地上波でそのまま使用できるほか、XAVC Intra(4K/HD 4:2:2 10bit)、XAVC Long(4K 4:2:0 8bit / HD 4:2:2 10bit)に対応。プロキシもMP4に対応する。

PXZ-Z280から外観での大きな変化が、ファインダー部を削除したこと。ファインダーが付いていた本体後ろ側には、Miシューを装備し、ワイヤレスマイクレシーバーを接続した際にも、そのままハンドルを使って持ち運びが可能になった。

Miシューをボディの後ろ側へ移動
ワイヤレスマイクレシーバーを装着してもハンドルが使える

このファインダーの削除とMiシューの位置変更は、前機種ユーザーの声と、カメラマンのヒヤリングを重ねた上で決定したとのこと。

LCDモニターは高輝度化し、屋外運用しやすくなったほか、新開発の3軸稼働アームを採用し、モニターをレンズ前方に配置したり、光軸に揃えたりと自由度も向上。着脱可能なLCDフードも付属し、フードを装着したままモニター部を収納できる。

3軸稼働アームでモニターの位置を自由に配置可能に。レンズ前方に配置した様子
より近づけたり
外側に向けたり
光軸に合わせることも可能
レンズフードは着脱式
フードを付けたまま収納もできる

本体側面にはVマウントを新たに装備。各種アクセサリーやモバイルバッテリーを付属アダプターで取り付けられる。

Vマウントを装備。アダプタも付属する
アクセサリを側面に装着できる

S-CinetoneやS-Log 3などのプリセットも備え、Cinema Lineといったソニーカメラ間での色味調整が可能。3D LUTのインポートや、プリセットルックでは、SDRでITU709、709tone、HDRでHLG Live、HLG Mild、HLG Naturalにも対応する。PXW-Z200と同じ美肌機能も利用できるほか、Monitor & Controlアプリにも対応している。今後のアップデートで、動画への真正性記録の埋め込みにも対応予定となっている。

バッテリーはBP-U35/70/100に対応。USB PD給電にも対応し、対応のモバイルバッテリーからの給電でも撮影できる。カードスロットはSDXCカード、CFexpress Type A兼用×2スロット。本体のみの重量は約2.6kg。

カードスロット
USB PD対応