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Nothing、ケースの内蔵マイクで高品質通話できる「Ear (3)」
2025年9月18日 21:30
Nothingは、完全ワイヤレスイヤフォンのフラッグシップモデルで、充電ケースにデュアルマイクを搭載して、より高音質な通話が可能な「Ear (3)」を、9月25日に発売する。価格は25,800円、カラーはホワイトとブラックを用意する。
充電ケースやイヤフォンにアルミパーツを採用したモデル。発売済みのスマートフォン「Phone (3)」や「Headphone (1)」と同じく、Nothingの特徴であるシースルーと金属の素材感を組み合わせたデザイン言語を採用したという。
充電ケースのベース部分は100%リサイクルアルミニウムを、ナノ射出成形したもの。接着剤を使わず組み込んでいるため、より頑丈で強固な構造になっているという。
イヤフォンでは、ステム(軸)部分の内側、「ear (3)」の文字があしらわれている部分に金属パーツを採用。厚さ0.35mmのメタルアンテナとなっており、電波出力が15%、電波感度が20%向上したという。イヤフォンの形状は人間工学に基づいたデザイン。
搭載ドライバーは、PMI(ポリメタクリルイミド)とTPU(熱可塑性ポリウレタン)を組み合わせた12mm径ダイナミックドライバー。従来モデルから低音は最大6dB強く、高域は最大4dB明瞭になった。ドライバー周辺部にパターンを入れることで、歪みも低減している。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)も引き続き搭載する。600ミリ秒ごとに周囲の環境を確認しながら、リアルタイムで強度を調整するほか、AIも組み合わせることで精度を高めている。外部音取り込みモードも利用できる。
アプリ「Nothing X」では8バンドイコライザーを利用可能。聴力テスト機能も利用でき、サウンドをパーソナライズすることもできる。
通話や録音品質を高める新機能として、充電ケースにデュアルマイクシステムを搭載した「スーパーマイク」を採用した。イヤフォンに搭載しているものよりも大型のマイクを2基搭載し、「あらゆる雑音を最大95dBカット」できるという。
スーパーマイクで集音した音声は、一度イヤフォンに伝送。イヤフォン側のマイクで集音した音声と統合した上でペアリングしたスマホ側にBluetooth経由で伝送する。
音声の遅延が気になるところだが、Nothing Japanマネージングディレクターの黒住吉郎氏によれば「具体的な数値データは持っていませんが、かなり使っていて遅延はほとんど感じることはなかった」とのこと。
スーパーマイクは、ケース側面の「TALKボタン」を押すと起動できる。TALKボタンは長押しと2度押しに対応しており、2度押しするとボタンを離しても利用可能。短い通話やボイスメモ時には長押し、より長時間の通話時には2度押しといった使い分けができる。スーパーマイク利用時は、ケース側面のライトが緑に点灯する。
ケースに搭載したデュアルマイクは超指向性で、黒住氏によれば「角度30度、距離30cmでもっとも効率的に集音できる」とのこと。TALKボタンを親指で押すように持つと、適切な角度になるデザインになっている。
同じく通話品質を高める機能として、イヤフォン側に顎の骨の振動を感知する「ボイスピックアップユニット」も搭載した。人が話している際の唇や頬、顎、耳の動きなどの振動を感知し、その動きにあった適切な音に変換するもので、同じくイヤフォンに搭載されている全指向性マイクと組み合わせることで、ユーザーの声を確実に検知して、明瞭な会話を実現する。
バッテリー駆動時間は、ANC ON時でイヤフォン単体5.5時間、ケース併用で最長22時間。10分の充電で10時間使える急速充電にも対応した。
NothingのPhoneシリーズと組み合わせると、「Essential Space」にボイスメモを録音したり、その音声を文字起こしすることが可能。音声でChatGPTを呼び出すこともできる。
実機を視聴。低域・高域のバランスが整ったサウンドに
短時間ながら実機を試聴したのでファーストインプレッションをお届けする。
Ear (3)のケースは、従来モデルと同様、薄い四角形デザインだが、ベース部分がアルミになったことで手に取るとひんやりとした金属の質感が心地良い。一般的な完全ワイヤレスイヤフォンのケースよりもわずかだが重さもあるため、その重厚感が所有欲を満たしてくれる。側面にはストラップホールも設けられている。
イヤフォンはステム型で耳への圧迫感も少なく、耳穴の大きさにマッチしたイヤーピースを使えば長時間でも快適に装着できそうだ。製品には交換用としてXS/S/Lサイズのイヤーピースが付属する。
今回はiPhone 16 Proとペアリングして、Apple Musicを音源に試聴してみた。
これまでのNothingイヤフォンは「量感たっぷりの低音で迫力あるサウンドを楽しめるが、高域はシャリシャリ感が強く、楽曲によっては刺々しさが気になる」という印象だったが、Ear (3)は高域のキツさがなく、より素直に伸びるサウンドに。
低域はズシンと強烈に沈み込むわけでないものの、適度な量感とタイトさで「Mrs.GREEN APPLE/ライラック」など疾走感のある楽曲では、その持ち味をしっかりと引き出してくれる。
短時間の試聴だったが、これまでの印象が大きく変わり、より低域・高域のバランスが整ったサウンドに感じられた。
ただ低域・高域のパフォーマンスが上がってきたことで、相対的にボーカルなど中域の解像感・クリアさに物足りなさも感じるような場面も出てきた印象もあった。このあたりはアプリのイコライザーをうまく活用すれば解消できるかもしれない。
ANCは屋内で試したのみだが、音楽をかけていない状態だと近くにある空気清浄機の駆動音がわずかに聞こえる程度。音楽を聴いてしまえばノイズはまったく耳に届かなくなるので、電車やバスなどでも効果を期待できそうな印象だった。
スマホ新モデルへの乗り換えキャンペーン
また同社では、スマートフォン「Nothing Phone (1)/Phone (2)」ユーザー向けに、最新モデル「Phone (3)」への乗り換えキャンペーンを、9月16日11時~10月4日7時59分までの期間限定で実施している。期間中、対象者はPhone (3)を通常価格から45,000円引きで購入できる。
キャンペーン適用後の価格
- 「Phone (3)」12GB+256GBモデル:79,800円(通常価格124,800円から45,000円割引)
- 「Phone (3)」16GB+512GBモデル:94,800円(通常価格139,800円から45,000円割引)
「長きにわたり応援してくださったファンの皆さまへ改めて感謝の意を表したキャンペーン」としており、期間中に専用ページから手持ちのPhone (1)、Phone (2)のIMEI番号を入力すると、割引が受けられるクーポンコードが発行される。発行したクーポンの有効期限は10月6日まで。
またPhone (1)/Phone (2)所有者で、すでにPhone (3)を購入している人には、直販サイト「nothing.tech」で製品購入時に利用できるクーポンコードが提供される。詳しくはカスタマーサポートまで。
なお、対象モデルのうちPhone (1)は、Android 16/Nothing OS 4.0へのアップデート対象外となることが告知済み。セキュリティアップデートは2026年まで継続される。