パナソニック、8倍録画やダビング強化したブルーレイDIGA
-1カ月番組表も新搭載。BSもSDカードで「持ち出し」
パナソニック株式会社は、Blu-ray Discレコーダ「ブルーレイDIGA」6モデルを9月1日より発売する。最上位“プレミアム”モデルの「DMR-BW970」は別記事で紹介しているが、2TB HDDを搭載し、独自の高画質/音質設計を施している。「DMR-BW870」は1TB HDD、「DMR-BW770」は500GB HDD、DMR-BW570は320GB HDDを搭載する。
上位4モデルはデジタルダブルチューナモデルだが、「DMR-BR570」と「DMR-BR670V」はは、シングルチューナモデルで、BR670VはVHS一体型となる。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格はBW970が28万円前後、BW870が18万円前後、BW770が15万円前後、BW570が12万円前後、BR570が10万円前後、BR570Vが13万円前後の見込み。
品番 | HDD容量 | デジタル チューナ | 機能 | 店頭予想価格 |
DMR-BW970 | 2TB | 地上/BS/ 110度CS×2 | 高画質/音質 プレミアムモデル 8倍録画 番組持ち出し DLNA | 28万円前後 |
DMR-BW870 | 1TB | 8倍録画 番組持ち出し DLNA | 18万円前後 | |
DMR-BW770 | 500GB | 15万円前後 | ||
DMR-BW570 | 320GB | 8倍録画 番組持ち出し | 12万円前後 | |
DMR-BR570 | 320GB | 地上/BS/ 110度CS×1 | 10万円前後 | |
DMR-BR670V | 320GB | 地上/BS/ 110度CS×1 | VHS搭載 8倍録画 番組持ち出し | 13万円前後 |
DMR-BW970 | DMR-BW870 | DMR-BW770 |
DMR-BW570 | DMR-BR570 | DMR-BR670V |
BWシリーズは、デジタルWチューナを搭載し、片方のチューナではフルHD解像度のままMPEG-4 AVC/H.264形式にエンコードして録画できる。新たに最高で8倍の長時間録画(従来シリーズでは最長5.5倍)に対応したほか、SDカードなどで携帯電話などに番組を持ち出せる「ワンセグ持ち出し」についても、地上デジタル放送だけでなく、BS/110度CSデジタル放送などに対応し、「番組持ち出し」として機能強化。
さらに、DLNAサーバー機能や、VIERA Rシリーズからのネットワークダビング機能も搭載。加えて、外出先からの録画予約などが可能な「Dimora」も機能向上し、キーワードによる自動録画に対応した。
シングルチューナモデルの2製品でも8倍の長時間録画などの機能向上が図られている。DIGAの基盤となる統合システムLSI「Uniphier」は、従来と同じ製造プロセス45nmのものだが、ソフトウェアの改善により多くの機能強化を果たしている。
■ 8倍長時間録画で、2層BDに35時間記録可能に
DMR-BW970/BW870/BW770/BW570は、地上/BS/110度CSデジタルWチューナと地上アナログチューナを搭載。DMR-BR570とDMR-BR670Vは、デジタルシングルチューナモデルとなっている。HDDへの録画のほか、BD-R/RE、DVD-R/RW/RAM、DVD-R DLへの記録に対応。6倍速BD-R、BD-REは2倍速に対応。カートリッジ付のBD-REメディア(Ver.1.0)は再生できない。
なお、VHS搭載モデルのDMR-BW670Vは、VHSの録画はできず、再生やダビングのみにビデオデッキ部を利用する。
アドバンスドAVCエンコーダで8倍長時間記録に対応 |
デジタル放送のストリーム録画(DRモード/MPEG-2 TS)だけでなく、HD解像度でMPEG-4 AVC/H.264形式でのデジタル放送録画が可能で、「新アドバンスドAVCエンコーダー」を搭載。映像の動き検出精度などを高めたことで、画質向上を図るとともに、約8倍の長時間記録モード「HM」(3.0Mbps)を追加した。
AVC録画は1系統のみの対応。AVCの記録モードは、HG(12.9Mbps)/HX(8.6Mbps)/HE(5.7Mbps)/HL(4.3Mbps)/HMモード(3.0Mbps)が選択可能で、HMモード利用時には、2層BD-R/REに最長35時間録画できる。
AVC録画の各モードはHDDと、BD-R/REに加え、DVD-R/RAMへのハイビジョン記録を行なう「AVCREC」にも対応。記録解像度はいずれも1,920×1,080ドット(地上デジタルなどの1,440×1,080ドットのソースは、1,440×1,080ドット)。シングルチューナモデルも、W録画以外の基本録画機能は上位機種と共通となる。
ディスクの録画時間を最優先し、モードに限らずデータ放送をカットして録画する「データ放送カット録画」も搭載。EPGは、最大19チャンネル12時間の高精細表示が可能な「フルハイビジョン番組表」を搭載。3/5/7/9/11/15/19チャンネル表示の切り替えが可能なほか、スポーツ、ドラマ、映画などのジャンル別に色分けして見やすさや検索性を向上している。録画予約件数は最大128番組で、ダブルチューナモデルは最大3,000番組、シングルチューナモデルは1,000番組の録画予約が可能となっている。
録画関連の新機能として、1カ月先までのおすすめ番組を表示する「注目番組」機能と、WOWOW番組表を1カ月分収録した「1カ月番組表」を搭載。注目番組は、Gガイドがおすすめする最大1カ月先までの番組を表示し、録画予約する機能で、WOWOWについては3カ月先までのおすすめ番組を表示できる。
1カ月番組表については、現時点ではWOWOWのみが対応しており、利用にはネットワーク接続が必要となる。ネットワークから、WOWOWが提供する特集を一括予約できる「特集まとめて予約」も可能。内容としてはWOWOW契約者に毎月送られてくる番組ガイド誌とほぼ同内容となっている。
ネットワーク経由で、外出先などから録画予約が行なえる「ディモーラ(Dimora)」も機能強化。従来は、番組表からの録画予約やキーワード検索後の手動予約が可能だったが、新たにキーワードを利用した自動予約に対応。キーワード登録はAND/OR検索で10個、NOT条件5個の合計15個の条件でキーワードを登録可能となっている。
ダブルチューナモデルでは、2番組同時録画時でも、両方の番組にチャプタマークを自動作成する「Wオートチャプタ」を搭載。CMを含んだ番組の再生時に、スキップボタンで CMをスキップできるほか、チャプタ編集機能を利用してチャプタの結合や削除が行なえる。シングルチューナモデルでもオートチャプタ機能は搭載している。
■ フォルダ名設定など番組管理も機能向上。番組「結合」も新搭載
ダビングや編集、番組管理機能も強化している。新たに録画一覧でフォルダ名を変更できる「らくらくマイラベル」を搭載。「お父さん」、「お母さん」などの任意の表示ラベル名を設定し、管理できる。なお、変更できるのは録画一覧の8つのラベルのうち、「全て」、「撮影ビデオ」を除く6ラベル。
ダビング関連機能も強化しており、同じモードで録画した番組を、1つの番組に結合できる「番組結合」を搭載。また、HDD内のダビング機能も追加しており、 HDD内の番組をHDDにダビングすることで、元番組のダビング回数を1回分消費して、新たに同じ番組を作成することも可能となった。これにより、ダビングした番組を自由に編集してから番組結合し、ドラマの1クール分を「1番組」としてまとめることも可能となった。
画面でダビング操作をナビゲートする「新かんたんダビング」も搭載。ディスクの容量を超えた場合には、ディスクに収まるようにダビング番組の画質が自動調整される。
従来モデルで、「ワンセグ持ち出し」という名称で展開していた、microSD/SDカードへの番組書き出し機能も「番組持ち出し」として機能強化した。
DMR-BW970/BW870/BW770のリモコン | DMR-BR670Vのリモコン |
従来は、地上デジタル放送に含まれるワンセグ部のみを録画していたが、BS/110度CSデジタル、アクトビラダウンロードコンテンツ、HDムービー映像を、ワンセグ相当の形式にコンバートして出力可能となった。各映像を最高320×240ドット/15fpsのワンセグ相当番組にコンバートして、SDカードに記録。SDカードを持ち出してワンセグケータイなどに入れることで番組再生が可能となる。
なお、地上デジタル放送以外の「番組持ち出し」については、再エンコードが伴うため、2番組録画中に番組持ち出し用ファイルを生成することはできない。録画リスト画面から、番組を選択して変換できるので、地上デジタル放送でもワンセグでなくDIGAによる変換を選択することも可能となっている。ワンセグの放送波はかなり色なども強調されているため、DIGAで再変換したほうが、「若干マイルドで、ノイズが少ない場合が多い」という。
1.3倍速早見機能も搭載。さらに、「30秒送り」ボタンだけでなく、「10秒戻し」ボタンを搭載する「新かんたんリモコン」が付属する。
さらに、DMR-BW970/BW870/BW770では、HDDレコーダ機能を内蔵した「VIERA R」シリーズからのダビング機能を搭載。DLNAとDTCP-IPを利用して、RシリーズのHDDに標準/長時間録画モードで録画した番組を、LAN経由でDIGAのHDDにダビングできる。
■ BW970のみ画質/音質を「プレミアム」に
画質や音質については、BW970をシアター向けの“プレミアムモデル”と位置付けて新しいクロマアップサンプリング技術「新リアルクロマプロセッサplus」や、32bit/192kHzオーディオDAC、高音質パーツ、映画再生時にHDDの回転を改善する「シアターモード」などを搭載。HDMIトランスミッタや回路構成も異なっているという。BW970については別記事を参照してほしい。
そのほかの5モデルについても、パナソニックハリウッド研究所(PHL)がオーサリング時に利用している高精度色信号処理技術を応用した新「リアルクロマプロセッサ」を搭載し、BD/DVDビデオや、HDD上の番組や録画したBD-R/REもディティールや質感を表現を高めている。BD-Liveにも対応する。
HDMIはDMR-BW970/870/770が60p/24p出力に対応。BW570/BR570とBR670Vは1080iまでとなる。Deep Colorやx.v.Colorもサポートしている。Deep Colorについては新たにON/OFFを任意に切替可能となった。HDMI音声出力はドルビーTrueHDや、ドルビーデジタル・プラス、DTS-HD Master Audioなどのビットストリーム出力が可能なほか、リニアPCM変換出力にも対応。また、HDMI連携機能「VIERA Link」も備えている。
HDMI以外にD4やS映像、コンポジット、アナログ音声、光デジタルなどの出力端子を装備。DMR-BW970/870では同軸デジタル音声出力も備えている。「新マルチチャンネル デジタル リ.マスター」も搭載。デジタル音声圧縮処理によって欠落した音声信号の高調波成分を復元し、より高音質な再生を可能とする。
i.LINK端子も装備。DMR-BW970/BW870は2系統、DMR-BW770は1系統備えており、CATVチューナやD-VHSデッキとの連携が可能となっている。
DMR-BW970の背面 | DMR-BW870の背面 | DMR-BW770の背面 |
DMR-BW570の背面 | DMR-BR570の背面 | DMR-BR670Vの背面 |
■ DLNAやアクトビラ・ビデオに対応。アクトビラも「持ち出し」
ネットワーク関連については、全モデルがアクトビラビデオ・フルに対応し、ダウンロードサービスも利用可能。アクトビラ・ビデオでダウンロードした番組を、SDカードに書き出して、ワンセグ対応携帯電話などで視聴できる「番組持ち出し」にも新たに対応した。
DMR-BW970/BW870/BW770の3モデルでは、DLNAサーバー機能を搭載し、DIGAでハイビジョン録画した番組をDLNA/DTCP-IP対応のテレビやBDプレーヤー「DMP-BD60」から、DIGA内番組のストリーミング再生も可能となっている。
また上記3モデルでは、YouTube機能も搭載し、PCで作成したアカウントにログインして、お気に入りのコンテンツを再生することも可能。また、音楽サーバー機能も搭載し、音楽CDをAAC(SD-Audio)形式でHDDにリッピングできる。リッピング速度は最大12倍速で、約35万曲の楽曲データベースを内蔵し、曲情報も自動付与する。ネットワーク接続時にはGracenoteのCDDBからネット経由で楽曲情報を取得する。録音した楽曲は、SDメモリーカードや対応携帯電話に書き出せる。
USB端子も装備し、接続した同社製AVCHDビデオカメラからの映像取り込みに対応。SDカードスロットも備えており、AVCHD映像のほか、JPEG画像の再生にも対応。AVCHDディスクやBD-R/REへの書き出しも可能となっている。
静止画は、テレビのワイド画面いっぱいにフルハイビジョン画質で表示する「フルハイビジョンテレ写」にも対応。デジタルテレビ情報化研究会の「ネットTV仕様(印刷機能)対応プリンタ」を接続し、写真のプリントも可能となっている。Wチューナモデルでは、DIGA同士で写真を共有するネットワークサービス「LUMIX CLUB PicMate」にも対応する。
また、DMR-BW970/870/770は「ドアホン録画」や「センサーカメラ連携」にも対応。同社製の対応ドアホンをドアに設置し、ドアホンの映像をDIGAで視聴/録画できる。最大録画件数は400件。また、5台までのセンサーカメラを接続し、録画した映像をSDカードで書き出せる。
品番 | DMR-BW970 | DMR-BW870 | DMR-BW770 | DMR-BW570 | DMR-BR570 | DMR-BR670V |
HDD | 2TB | 1TB | 500GB | 320GB | ||
チューナ | 地上/BS/110度CSデジタル×2 地上アナログ×1 | 地上/BS/110度CS デジタル×1 地上アナログ×1 | ||||
出力端子 | HDMI (1080/24p、60p)×1 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 光デジタル音声×1 同軸デジタル音声×1 アナログ音声(2ch)×1 | HDMI (1080/24p、 60p)×1 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 光デジタル音声×1 アナログ音声 (2ch)×1 | HDMI(1080i)×1 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 光デジタル音声×1 アナログ音声(2ch)×1 | |||
入力端子 | S映像×2 コンポジット×2 アナログ音声(2ch)×2 | S映像×1 コンポジット×1 アナログ音声(2ch)×1 | ||||
i.LINK | i.LINK×2 (DV入力/TS入出力兼用) | i.LINK×1 (DV入力/TS入出力兼用) | - | |||
Ethernet | ○ | |||||
番組 持ち出し | ○ | |||||
アクトビラ | アクトビラ ビデオ ダウンロード | |||||
DLNAサーバー | ○ | - | ||||
YouTube | ○ | - | ||||
ドアホン録画 | ○ | - | ||||
センサー カメラ連携 | ○ | - | ||||
消費電力 | 約29W | 約26W | 約25W | 約32W | ||
待機時消費電力 | クイックスタート「切」:約0.3W (時刻消灯時約0.1W) クイックスタート「入」:約4.8W (同約4.7W) | クイックスタート 「切」:約0.6W (時刻消灯時約0.4W) クイックスタート 「入」:約5.9W (同約5.8W) | ||||
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 430×239×68mm | 430×239×59mm | 430×335×94mm | |||
重量 | 4.0kg | 3.4kg | 3.3kg | 3.2kg | 2.9kg | 6.4kg |
(2009年 7月 27日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]