東京ゲームショウ2009開幕、SCEが基調講演

-PS3用モーションコントローラ。漫画配信も


会場は幕張メッセ

会期:9月24日~27日
   (24/25日はビジネスデイ)
入場料:一般1,200円
    前売券1,000円/小学生以下無料

会場:幕張メッセ

 日本最大規模の、ゲーム関連総合展示会「東京ゲームショウ2009」が24日、幕張メッセで開幕した。会期は27日までだが、24日~25日はプレスやビジネス関係者のみ。一般公開は26日~27日となっている。入場料は中学生以上が1,200円。小学生以下は無料。

 

代表取締役社長 兼 グループCEOの平井一夫氏
ネットワーク時代に対応したエンタテイメントに必要な8つのキーワード
 開幕と共に開催された基調講演には、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の代表取締役社長 兼 グループCEOの平井一夫氏が登壇。「SCE 2009年の新戦略」と題して講演を行なった。

 平井社長は現在のゲーム市場について、「時代の変化に伴い、ユーザーがゲームを遊ぶライフスタイルも大きく進化/変化している。それに合わせて我々も変化していかなければ、これまでと同等、もしくはこれまで以上の成長はなしえない。ゲーム業界をこれからどのような方向に持って行くかを、我々は真剣に考えなければならない」と語る。

 その変化の中で最も重要なものとして平井社長は「ネットワークへの対応」を挙げ、ネットワーク時代に対応したエンタテイメントに必要な8つのキーワード「遊ぶ」、「共有する」、「発見する」、「観る」、「創る」、「交流する」、「学ぶ」、「聴く」を発表。それらを満たすコンテンツとして、PS3向けゲームソフトの「リトルビッグプラネット」や、「観る」を満たすPlayStation Network(PSN)を使ったPS3への動画配信などのサービスを紹介した。

 動画配信に関しては、米国向け配信で映画のラインナップが2,300本を越えたこと、イギリスのBBCが実施しているテレビ放送の見逃し配信が、PS3で受信できるようになったことなどを紹介。さらに、日本でも12月に実施を予定しているコミックの配信にも触れ、「日本向けのサービスについては、午後のプレスカンファレンスで詳しく紹介する」とした。

 各ハードの話題では、PS3において、6月のE3で発表したモーションコントローラ(仮称)を紹介。カメラ型の「PlayStation Eye」の画像認識機能を利用するもので、先端にスフィアと呼ばれるライトボールが付いた棒状コントローラで直感的な操作が可能。スフィアの位置を画像認識するだけでなく、ジャイロ、加速度センサーによる奥行きの正確な検出、位置と動きの正確なトレースができるという。振動によるフィードバックや光による演出も特徴。2010年春の発売を予定しており、こうしたツールを用意することで「コアからライトユーザー向けまで、さらなる沢山のゲームをPS3に集めていきたい」と語った。


 

モーションコントローラを手にする平井社長カメラ型の「PlayStation Eye」(左)の画像認識機能を利用する

 9月から発売している新型「PlayStation 3」(CECH-2000A)については、発売3週間で100万台を突破したことを報告。「好調なセールスを支える大きなドライブは、29,980円という価格だ。しかし、魅力的な価格は魅力的なゲームのラインナップがあってはじめて魅力的だと感じてもらえるはず。今回の値下げは、コストダウンができるようになっただけでなく、魅力的なゲームソフトのラインナップが年末に向けて出揃ったからだ」と語り、延べ200タイトル以上用意されている、年末に向けたソフトを映像で紹介した。

 平井社長は、日本で11月1日に26,800円で発売を予定している新型PSP「PSP go(プレイステーション・ポータブル go/PSP-N1000)」も紹介。「本当にユーザーに楽しんでもらえるインタラクティヴコンテンツとは何なのかを考えながら、PS3、PSPで、変化に対応していきたい。そして、どのようなベクトルに変化しても、常にその核は“ゲームにある”と言って過言ではない。今まで以上に開発者やパブリッシャーと共に、PSP、PS3という2つのプラットフォームを盛り上げていきたい。これからも“全てのゲームはここに集まる”というPlayStationの初心を忘れず、ゲーム業界の発展に貢献していきたい」と語った。

 

SCEブースのコミック配信サービス紹介コーナー様々なコミックがPSPで読めるようになっている
会場ではPSP goに発売前に触れることもできる

 

SCEブースではPS3を用いた3Dゲームのデモ展示も行なわれている。内容はIFA 2009で展示されたものと同じ
 さらに平井社長は、続く対談コーナーにおいて、IFA 2009でソニーグループが3D表示対応テレビなどを用いて、家庭内エンターテイメントの3D化を推進していくと発表した事に触れ、「自分で3Dを体験し、これは面白いなと思った。3Dの映画はCGをベースにしたコンテンツが創りやすく、調整しやすい。そういった意味で、(CGを使う)ゲームには大きな期待が持てるんじゃないか」と語り、PlayStationでも3Dを推進していく立場を示した。

(2009年 9月 24日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]