オンキヨー、DLNAレンダラーとして動作するスピーカー

-無線LAN内蔵。ワイヤレスでPC/スマホから音楽再生


アクティブスピーカー「GX-W70HV(B)」

 オンキヨーは、無線LAN機能を内蔵し、DLNAレンダラーとして動作するアクティブスピーカー「GX-W70HV(B)」を12月3日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は3万円前後。

 また、同日にはWindows 7を採用したスレート型PCの業務/コンシューマ向けモデルや、Android 3.2採用の業務向けタブレット、14型液晶搭載のノートPC、デジタルサイネージ用ディスプレイなどのPC関連新製品も発表されている。




■DLNAスピーカー「GX-W70HV(B)」

サランネットをつけたところ
背面端子部分

 IEEE802.11 n/g/bに準拠した無線LAN機能を備え、DLNAのレンダラーとして動作するアクティブスピーカー。DLNA対応のプレーヤーソフト(Windows Media Player 12など)をインストールしたPCや、スマートフォン/タブレットのDLNA対応プレーヤーアプリから、再生先としてGX-W70HV(B)を指定する事で、無線LAN経由で、ワイヤレスの楽曲再生が行なえる。

 ほかにも、ネットワークHDDに保存した音楽ファイルを、スマートフォンなどのデジタルメディアコントローラー(DMC)対応アプリから指定し、再生先としてGX-W70HV(B)を選び、再生させる事もできる。なお、1台のPCから複数のGX-W70HV(B)に同時配信する事もでき、配信先名として「Onkyo Wireless speaker○○○○」と、4桁のユニークな数字入りの名前で各個体を識別できる。この名前はPCから変更する事も可能。

 無線LAN経由で再生するため、電源ケーブルのみを接続すれば音を出す事ができ、シンプルかつ設置自由度の高いオーディオ機器として活用できるのが特徴。ただし、左右のスピーカー間をケーブル接続する必要はある。また、RCAのアナログ音声入力も1系統備えており、DLNAを使わずに音を出す事も可能。

 DLNA利用時の対応ファイルはmp3(16bit/32kbps~320kbps VBR&CBR、44.1/88.2kHz)、WAV(16bit、44.1/88.2kHz)、AAC(32kbps~320kbps VBR&CBR、44.1/88.2kHz)。DRM付きファイルの再生には対応していない。また、24bit/96kHzなどのファイルには対応しないが、Windows Media Player 12など、プレーヤー側で同ファイルを16bit/44.1kHzなどに変換してスピーカーに伝送するプレーヤーの場合は再生する事はできる。

 アップルのAirPlayには非対応。ネットワークの設定用として、WPS(Wi-Fi Protected Setup)に対応。同じくWPSに対応した無線LANルーターなどと、接続できる。なお、スピーカーにディスプレイなどは備えておらず、WPSを使用せずに、SSIDやパスワードをユーザー自身が指定して接続させる事はできない。


 スピーカーとしては、2ウェイのバスレフ型。10cm径のOMFコーン振動板を使ったウーファと、2cm径のバランスドームツイータを採用。クロスオーバー周波数は5kHz、全体の再生周波数帯域は48Hz~80kHz。

ユニットは2ウェイ前面にボリュームコントロールやヘッドフォン出力を装備タブレットと連携した使用イメージ

 アンプには、独自のデジタルアンプ技術「VLデジタル」を使用。ノイズを抑えているほか、コンプリメンタリ方式の出力段を採用。大出力時も正確な駆動ができるという。また、ACアダプタから回路全体を切り離したフローティンググランド方式を採用。電源ノイズも排除している。

 前面にボリュームコントロールと、BASS/TREBLEコントロールを装備。ステレオミニのヘッドフォン出力も1系統備えている。電源はACアダプタを使用。外形寸法と重量は、右チャンネルが123×203×225mm(幅×奥行き×高さ)で、2.2kg。左が123×184×225mm(同)で、1.7kg。消費電力は21W。



■タブレット/PC新製品も

 同日にはタブレットとPCの新製品も発表された。詳細は僚誌PC Watchを参照のこと。

 OSにWindows 7を採用したTWシリーズは4製品のラインナップで、ハードウェア自体の仕様はほぼ同じ。10.1型、1,024×600ドットのマルチタッチ対応液晶を採用し、CPUはAtom Z670、メモリは2GB、SSDは32GBを搭載。重量は約892g。

 Windows 7 32bitのHome Premiumをインストールし、Bluetooth接続のキーボードやキャリングケース、デジタイザーペンをセットにした店頭販売モデル「TW2A-A25Z7CK」が、店頭予想価格6万円前後。Bluetoothキーボードを省いた直販専用モデル「TW2A-A25Z7D」が最小構成価格59,800円から。いずれも12月2日より発売する。

個人向け直販モデル「TW2A-A25Z7D」Bluetooth接続のキーボードやキャリングケース、デジタイザーペンをセットにした店頭販売モデル「TW2A-A25Z7CK」。DLNAスピーカー「GX-W70HV(B)」は付属しない
Android OS 3.2を搭載した企業向けタブレット「TA2C-A25T3H」

 ほかに、企業向けモデルの「TW2A-A25Z7H」と、Windows 7 32bitのProfessional版をインストールした企業向け「TW2A-A25Z7PH」もラインナップする。

 さらに、企業向けとしてAndroid OS 3.2を搭載したタブレット「TA2C-A25T3H」も12月上旬より発売する。10.1型、1,280×800ドットの液晶を採用し、CPUはTegra 250。メモリは1GB。16GBのSSDを搭載する。MetaMoJi社が開発した日本語入力システム「7notes with mazec for ONKYO」を採用。手書き文字認識が可能。電子署名にも対応する。


下部にあるカードスロット背面側面端子部

 ノートPCは14型液晶を採用し、店頭販売モデル「R6A-BS25C7D」はCore i7-2670QMを搭載。メモリは8GB、HDDは500GB。DVDスーパーマルチドライブを採用する。OSはHome Premium 64bit版。直販専用モデルも用意する。

14型のノートPC店頭販売モデル「R6A-BS25C7D」会場にはスレートPC用のドッキングステーションやキャリングケースなども参考展示された32型のデジタルサイネージ用ディスプレイも12月中旬より発売される


■「ワイヤレスDLNAスピーカーと言えばオンキヨー」と言われるように

オンキヨーデジタルソリューションズの菅正雄代表取締役社長

 オンキヨーデジタルソリューションズの菅正雄代表取締役社長は、昨年末に同社が国内メーカーとして初めてスレートPCを投入した後、様々なフィードバックがあった事を紹介。「かつてノートPCが登場した時を彷彿とさせるものがあった。スレートPCは、単なるノートPCの置換えではなく、キーボードが無い事で新しい市場を築いていくものだ」と説明。

 また、市場を「iPad」、「スレートPC」、「スレートパッド」の3つに分けて説明。「iPadは圧倒的なシェアを持っているが、コンシューマ向けで、業務用途は限定的。スレートPCはWindowsを採用したもので、Windowsのソフトを使いたい企業とコンシューマに向けてのもの。Android OSを採用するスレートパッドは法人専用で、既存の専用端末を安価に入替えしたい企業向けの製品」とする。


 その上で、同社のスレート端末が、通信業やプレゼン用機器、説明ツール、居酒屋や焼肉店などの注文用など、様々な法人に活用されている事例を紹介。「オンキヨーが力を発揮できるのはスレートPC。そして、Androidタブレットのスレートパッドは、高額な既存の専用端末を安価なAndroidタブレットに置き換えるもので、かなり成功しており、大きな市場だと考えている。既存のアプリを使う市場はスレートPC、既存の専用機を、新しい標準機で置き換える市場はスレートパッドで攻略していく。これからもどんどん製品を投入し、この市場を育てていきたい」と語った。

スレート端末の活用事例様々な業界で導入・導入検討が開始されているというスレートを中心とした、これからのPC事業の方向性

 また、スピーカーの「GX-W70HV(B)」については、スレート端末とのワイヤレスで連携できる事から、スレート端末を中心とした今後のPC事業の注力製品の1つとして展開していく事を説明。「スピーカー自体でDLNAに対応したのは、我々がおそらく世界初だと思っている。「ワイヤレスDLNAスピーカーと言えばオンキヨー」と言われるように、この分野も徹底的に伸ばしていきたい」とした。


(2011年 11月 16日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]