キヤノン、4K撮影対応デジタル一眼レフ「EOS-1D C」

-1D Xベースの映画向けで12,000ドル。新レンズも


EOS-1D CにCN-E24mmを装着したところ

 キヤノンは、映画などの映像制作市場向け「CINEMA EOS SYSTEM」のラインナップとして、4K動画の撮影に対応したデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D C」を10月に発売する。価格はオープンプライスで、想定売価は12,000ドル。

 また、「CINEMA EOS SYSTEM」向けの「EFシネマレンズ」の新ラインナップとして、広角ズームレンズ「CN-E15.5-47mm T2.8 L S/SP」(EFマウント/PLマウント)、望遠ズーム「CN-E30-105mm T2.8 L S/SP」(EFマウント/PLマウント)の開発も発表。年内の発売を予定しており、詳細な仕様や価格は未定だが、25,000ドル程度になる見込み。




■EOS-1D C

 EFマウントを採用し、EFレンズ・EFシネマレンズの両方が利用できるレンズ交換式の一眼レフカメラ。CMOSのサイズは約36×24mmの、いわゆる35mmフルサイズで、画素数は約1,810万画素。カメラとしての機能は「EOS-1D X」と同じで、5,184×3,456ドットのJPEG/RAW静止画撮影ができるほか、「EOS-1D C」のみの機能として、4K(4,096×2,160/24p)の動画をMotion JPEG/24p/8bitで撮影可能。

撮像エリア

 撮像エリアは、4K動画撮影時はAPS-Hサイズ相当の画角にクロップされ、焦点距離は約1.3倍となる。また、1,920×1,080ドットの60p/50p/30p/25p/24pで撮影も可能。1,280×720ドットで60p/50p、640×480ドットで30p/25pの撮影にも対応する。これらのモードではMPEG-4 AVC/H.264での記録となる。記録形式はいずれもMOV。音声はリニアPCM。

 広いダイナミックレンジで豊かな階調を表現できるという「Canon Logガンマ」にも対応。映画業界で普及しているスーパー35mm画角で記録する「スーパー35mmクロップ機能」も搭載。その場合はAPS-Hより一周り小さいエリアが使われ、1,920×1,080ドットの30p/25p/24pで記録できる。焦点距離は約1.6倍。EFシネマレンズのズームレンズを使う場合は、フルHDでスーパー35mmクロップに設定して利用する。

 4K映像は本体のCFカードに記録可能。CFはダブルスロットで、UDMAモード7対応。カラーサンプリングは4KがYCbCr 4:2:2/8bit、4K以外がYCbCr 4:2:0/8bit。また、4K出力には対応していないが、本体のHDMI端子からYCbCr 4:2:2信号で映像を出力し、外部レコーダに記録する事もできる。

 大型センサーにゆとりを持って画素を配置する事で、ISO 25600(H2:204,800)相当の高感度撮影にも対応できるという。

 TFTの液晶モニタは3.2型で、約104万画素。ファインダー視野率は上下左右約100%。AFの測距点は61点(クロス測距点:最大41点)。静止画の連写は最高で約14コマ/秒。ヘッドフォン端子も備えている。

 バッテリはLP-E4N/LP-E4を1個使用。ACアダプタキット「ACK-E4」を使えば、AC駆動にも対応できる。外形寸法は約158×82.7×163.6mm(幅×奥行き×高さ)。重量は未定。



■EFシネマレンズ

 開発中の「CN-E15.5-47mm T2.8 L S/SP」と「CN-E30-105mm T2.8 L S/SP」は、スーパー35mm相当のセンサーサイズに対応するズームレンズ。4K動画撮影でも使用可能。

 カメラを担いでの撮影に配慮した小型・軽量モデルでありながら、幅広い焦点距離をカバーすることで、「機動性と実用性を両立する」(キヤノン)としている。

 4月16日から19日までアメリカ ラスベガスで開催される放送/映像機器展示会「NAB Show 2012」で参考展示を予定している。

CN-E15.5-47mm T2.8 LCN-E30-105mm T2.8 L

(2012年 4月 13日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]