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「CP+2013」開幕。写真表示機として各社“4K”アピール

東芝とソニーが84型4K TV。富士フイルムも試作機展示

 国内最大級の写真映像関連イベント「CP+2013」がパシフィコ横浜で開幕した。主催は一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)。会期は1月31日~2月3日まで。入場料は1,000円、Web事前登録者、障害者手帳持参者、小学生以下は無料となっている。

 カメラやレンズメーカー、撮影用品メーカー、流通商社、ソフトウェアメーカーなどが出展し、新製品を紹介するイベント。実際に来場者が触れ、写真を撮影できるデモ機が多く揃えられているのも特徴となる。

 一方、カメラやレンズだけでなく、撮影した写真を表示する新しいデバイスの提案も行なわれている。特に今回のイベントでは、高画素化するデジタルカメラで撮影した静止画を、高精細に表示できる利点に注目した、“4K”がキーワード。ここでは、この4K表示デバイスをまとめてレポートする。



4K REGZAを用意したニコンとペンタックスリコー

 ニコンブースでは、昨年の9月に東芝が開発発表した、84型4KテレビのREGZAを用意。3,840×2,160ドットの解像度を活かし、写真家が撮影した静止画データを表示している。この84型4Kテレビは、東芝から2013年春に発売が予定されており、60型台、50型台の投入も予告されている。

 この、東芝製第2世代4Kテレビでは、映像エンジン「レグザエンジンCEVO 4K」を搭載。4K超解像処理に加え、4K微細テクスチャー復元による精細度の向上、4K輝き復元による“輝き”感の向上などにより、4K映像の美しさを際立たせている。

ニコンブースに展示された、東芝の84型4K REGZA

 ペンタックスリコーのブースでは、既に発売されているREGZAの「55XS5」を用意。4,000万画素の中版デジタルカメラ「645D」で、カメラマンの吉村和敏氏が撮影したカナダの高精細な写真を表示し、「見えなかった世界も解像する分解能を、55XS5の4K高画質で楽しむ」提案が行なわれている。

ペンタックスリコーブースでは、中版デジタルカメラとREGZA 55XSを組み合わせたデモが実施



5台の84型/4Kテレビが出迎えるソニーブース

 ソニーブースでは、同社が昨年11月に発売し84型の4Kテレビ「BRAVIA KD-84X9000」を大量に用意。特に、ブース入り口には5台を並べ、様々なタイプの写真を表示。その前に、フルサイズの撮像素子を備えたデジタルカメラ/ビデオカメラを並べ、これらで撮影した写真を、より臨場感豊かに楽しむための4Kテレビの魅力が、ステージデモで定期的にアピールされている。

 また、PlayStation 3用のアプリケーション「PlayMemories Studio」で、写真を整理したり、4Kで表示するデモも行なわれている。

「BRAVIA KD-84X9000」を5台用意したソニーブースの入り口
PS3でKD-84X9000に4K静止画を表示するデモも
フルサイズのセンサーを備えたモデルを4Kテレビの前に展示

 さらにディスプレイ関係では、今年のCESで発表された、色再現領域を拡大する「TRILUMINOS Display(トリルミナスディスプレイ)」も参考展示。米QD Visionが開発した発光半導体技術「Color IQ」を使ったもので、QD Vision製の光学部品をソニー独自のディスプレイ技術と組み合わせることで、色再現領域を拡大させるという技術。会場では、通常のディスプレイとTRILUMINOS Displayで比較展示も行なっている。

TRILUMINOS Display(左)と通常のディスプレイ(右)の比較



デジカメで培った技術を4K表示に活かす、富士フイルム

 富士フイルムのブースでは、20型/3,840×2,160ドットの「FUJIFILM Photographic Ultra HDディスプレイ」を参考展示している。4K液晶パネル(メーカー非公表)に、エリア駆動に対応したLEDバックライトを組み合わせたもので、「標準的な4Kディスプレイと比べ、5倍以上のコントラスト比を持ち、印刷原稿に迫るほど綿密な表現を可能にする220dpiの高密度ドットで表示する」という(バックライトのエリア区分数は非公表)。

FUJIFILM Photographic Ultra HDディスプレイ

 大きな特徴として、富士フイルムがデジタルカメラで培ってきた画像処理や画像解析技術を、LEDバックライトのエリア駆動制御に応用。静止画表示のクオリティに磨きをかけているとのことで、「リバーサルフィルムをライトボックスで見ていた時の感動が、電子ディスプレイで再現できる」という。

 業務用の表示ディスプレイとしての商品化や、他社の4K表示製品とのコラボレーションなど、様々な展開を検討しているとのことで、「そうした展開に対応できるよう研究を進めている」という。



パナソニックは4K2Kフォトギャラリー開設

 パナソニックブースの奥には、2台の20型4K2K液晶パネルを展示。既にCESなどのイベントで展示されているものだが、静止画表示のクオリティの高さを改めてアピールしている。

 IPSαの液晶パネルで、解像度は3,840×2,160ドット。超高開口率画素構造を採用することで、216ppiの構成差異化と、従来のフルHDパネルと同等の消費電力に抑えているのが特徴。構成部材の薄型化により、薄さも3.5mmとなっている。

 また、新液晶配向プロセス技術により、斜め方向の視野角特性を向上させており、広い角度から写真を楽しめる事もアピールしている。

4K2Kフォトギャラリー
20型パネルのスペック表



4Kシネマ用の4Kディスプレイ

 キヤノンブースでは、4K撮影に対応した「CINEMA EOS SYSTEM」で撮影したショートムービーを、シアタールームで4K上映。さらに、30型の4Kディスプレイ試作機も参考展示している。

 昨年の「CINEMA EOS SYSTEM CANON 4K EXPERIENCE」などで披露したものと同じで、解像度や技術などの詳細は明らかにされていない。編集スタジオなど、業務用とのモニターとして開発しており、今後も4K制作プラットフォームを充実させていく姿勢をアピールしている。

4Kディスプレイの試作機
CINEMA EOS SYSTEM

(山崎健太郎)