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サエク、世界初のPC-Triple C採用電源ケーブル

製造販売中止のPCOCCに代わる新たな銅素材

PC-Triple C採用電源ケーブル「AC-6000」

 サエクコマースは、PCOCCに代わる新たな銅素材としてFCMが開発した「PC-Triple C」(ピーシートリプルシー)を採用した、世界初の電源ケーブル「AC-6000」を4月30日に発売する。価格は1mあたり7,000円、切り売りとなる。

 「PC-Triple C」は、古河電気工業の関係会社であるFCMが開発・生産し、プロモーションワークスが総販売代理店を担当している素材。これまで多くのオーディオ機器で使われてきたPCOCC(Pure Cupper Ohno Continuous Casting Process)の製造販売を、昨年に古河電工が中止したため、それに代わる素材としてFCMが開発したのがPC-Triple C(Pure Copper-Continuous Crystal Construction/連結結晶高純度無酸素銅)となる。

鍛造処理をする前の導体断面

 詳細は以前のインタビュー記事の通りだが、不純物の少ない高純度のOFC(無酸素銅)を使い、独自の連続鍛造伸延技術により、信号の伝送を妨げる結晶粒界を横に“寝かせ”、結晶を長手方向に連続化。信号が流れやすくなり、優れた導通性能を実現するとしている。

一定方向に連続鍛造していく事で、結晶と粒界が横方向に伸延されているのがわかる
50%(Sq比)まで鍛造した後の断面。結晶構造と粒界が細分化され、横方向に綺麗に並んでいるのがわかる。この状態になると電流がスムーズに流れるという
伸線後の導体断面。結晶同士が融着し、連続した結晶のように変化しているのがわかる

 「AC-6000」は、これを採用した世界初の電源ケーブル。サエクは採用の理由として、「PC Triple C導体の開発段階から情報・素材提供を受け、導体の持つ優れた特性がオーディオケーブル等に最適なケーブルであると確信した」と説明。「低ノイズ・ハイパワー伝送、そして高解像度と圧倒的な静寂感。新たなマテリアルを手に入れたことで、理想的な電源ケーブルが誕生した」としている。

 ケーブル構造は綿糸介在と共に3芯拠り合せで、外形はφ11.5mm。絶縁体は半硬質PVC。シールドには銅箔シールド構造を採用している。被覆は非鉛軟質PVC。許容電流は15A。

(山崎健太郎)