レビュー
全録の進化に感激! 時短+スマホ連携でテレビがさらに楽しくなる東芝「DBR-M4008」
2018年6月28日 08:00
テレビを見る時間がない、見たい番組があってもつい録画予約を忘れてしまう……。テレビにまつわるをストレスをことごとく解消してくれる機能、それが「全録」だ。複数のチャンネルをほぼ24時間体制で録画し続け、数日~1週間分程度の番組をいつでも見返すことができる。テレビとの付き合い方を根底から覆してくれる、革命的な機能だと断言したい。
その全録機能のパイオニアと言えば東芝。「タイムシフトマシン」の名称で各種製品を展開しているが、レコーダの最新モデルとなる「DBR-M4008/M2008」が6月下旬に発売される。どんな点がパワーアップしているのか? 全録歴6年半の筆者が解説する。
「地デジ6チャンネルを1週間分いつでも見られる生活」を6年半続けてみて
いきなり個人的な話で恐縮だが、筆者が全録生活を始めてすでに6年半が過ぎた。この間、NHK・日本テレビ・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビの地デジ6チャンネルをほぼ24時間体制で録画し続けている。録画番組は古い順に削除されていくが、それでも約1週間分の番組を自宅でいつでも見られる。
文字にすると実にアッサリしてしまうが、この効能は相当スゴイ。例えば、仕事帰りの電車の中で、当日朝に放送された番組がTwitterで話題になっていた事を発見したとする。どれほど見たくても、録画していなければそれまで。今までなら諦めるしかなかった。
しかし筆者の場合、24時間体制で地デジを全録しているので、当日朝の番組を見返すなど朝飯前。リモコンのボタンをちょちょいと操作すれば、まるで時間を遡るかのような体験ができてしまう。この優越感たるや!
とはいえ、全録未体験の方にはまだメリットが想像できないかもしれない。そこで、筆者がここ半年ほどで体験した「全録があって良かった!」と、心底実感したシーンについて、具体的な番組名を挙げて説明してみたい。
全録あってよかった番組たち
(2018年2月2日 22時45分~/URL)
毎週金曜夜放送のドキュメンタリー番組。ある特定のスポットに3日間(72時間)カメラを据え、訪れる人々の横顔を追う。普段はほとんど見ない番組なのだが、2月2日に放送される回は東京・高田馬場にある有名ゲームセンターが舞台。ゲームが趣味の筆者としては、この回だけ是非見たい。とはいえ、全録対象のNHKの番組だったので、録画予約するまでもなく。Twitterで番組感想ツイートを発見したタイミングで、じっくり番組を鑑賞した。
(2018年5月24日 23時15分~/URL)
ご存じ人気バラエティー。比較的良く見てはいるのだが、放送テーマによってはスルーしてしまっている。「HUNTER×HUNTER芸人」の回が放送されるのはTwitterで知っていたのだが、そこまで気乗りしていなかった。しかし、やはりTwitterで「面白かった!」という感想ツイートが散見されたので、ならば自分も見てみようと思い直した。
(毎週土曜深夜/URL)
新日本プロレスの中継番組。DDTプロレスリングを入り口にここ2~3年でプロレスファンになったせいもあり、飯伏幸太、ケニー・オメガの両選手が現在参戦する新日本プロレスに興味が出てきた次第。この番組のおかげで、他の選手の名前も分かるようになってきた(最近のお気に入りはザック・セイバーJr.)。
(毎週木曜深夜25時35分~/URL)
「ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組」の副題で知られる。上述の「ドキュメント72時間」で取り上げられたゲームセンターの関係者(店員さん? 常連さん?)がゲスト出演していたのを後から知り、たまたま見た。その後なんとなく視聴が習慣化し、3月22日放送回で決定的にファンに。ペンギンズ・ノブオ氏のプレゼンはお見事でした!
……とまぁこんな具合で、「予約の手間ゼロ」で「気になった番組を好きな時に見られる」のが、全録のパワーである。冗談抜きに、全録の登場によって筆者の生活は変わった。
さて、筆者が現在使っている全録レコーダは、東芝が2012年末に発売した「DBR-M190」。購入から6年半が経過しているが、今も元気に稼働中。実際、上記4番組との出会いを後押ししてくれた訳だが、最新製品と比べてやや見劣りする部分が目立ってきた。
最たる部分はスマホ連携だ。最近のレコーダの多くは、スマホアプリと連携してリモコン代わりになったり、番組表ベースの予約ができるのが当たり前。しかしDBR-M190では最新のiOS/Android端末をサポートしておらず、リモート録画予約に至っては専用コマンドを記述してPOPメールでやりとりするしかない! 流石に時代遅れ感は否めない。
外観・チューナ数・HDD容量に違い
東芝レコーダの動向には日ごろから気を配っていたのだが、タイムシフトマシン採用の新型モデル「DBR-M4008」がめでたく発売される。有り難いことにデモ機を2週間ほどお借りすることができたので、ここからはその利用感をDBR-M190との比較──つまり約7年を経た進化ポイントをお伝えしていきたい。
まず最初に驚いたのが本体サイズだ。DBR-M4008は奥行きが10cm以上短くなり、重量に至っては半分以下の3.0kg。HDD容量などがいくら異なるとはいえ、ここまで小型化しているとは……。無線LAN(Wi-Fi)もIEEE 802.11ac、いわゆる5GHz帯にも対応するなど、着実にバージョンアップしている。
録画機能面では、内蔵チューナの数と設定自由度が変わった。DBR-M4008では合計で7つのチューナを搭載しており、それをどのように使うか調整できる。チューナの数自体はDBR-M190が合計8つと多いのだが、うち6つがタイムシフトマシン専用の地デジチューナのため、そもそもBS/110度CSチャンネルを全録することができなかった。
これに対してDBR-M4008ではタイムシフトマシン専用のチューナが4つ(うち1つが地デジ専用で、残り3つは地デジ/BS/110度CS対応)、さらに通常録画/タイムシフト兼用のチューナ(地デジ/BS/110度CS対応)が3つになっている。なので、全録したいチャンネルを4つに抑え、その分を通常録画に回すという設定ができる。
念のため補足しておくと、東芝のレコーダでは「タイムシフトマシン」用と「通常録画」用で、録画番組の扱いがきっちりと分離されている。タイムシフトマシン用録画は、古い番組をどんどん自動消去していくのに対し、通常録画扱いで保存した番組は手動操作しない限り削除されない。お気に入りのアニメ13話を半年後も1年後も見られるよう、ずっと残しておきたいときは、通常録画が必要だ。とはいえ、タイムシフトマシンに保存された番組を、通常録画扱いの番組に変換することはできる。
録画用HDDの容量は4TB(同時期発売のDBR-M2008は2TB)。DBR-M190はタイムシフトマシン用4TB+通常録画用1TBの合計5GBだったので、数値的には下回る。ただ、DBR-M190では不可能だったUSBによる外付けHDD増設が可能なため、自由度の面ではやはり新モデルに軍配が上がる。
また、ブルーレイ(BD)ドライブを内蔵しているので、BD-Rに番組を保存したり、市販の映画BDソフトの再生が可能。時勢的にはUltra HD Blu-ray(UHD BD)ドライブを内蔵してほしかったところだが、そうなると本体価格の上昇にも繋がるだろうし、なかなか判断が難しい。
7チャンネル全録の注意点。6チャンネル運用がオススメ
あくまでも設定しだいだが、DBR-M4008では全7チャンネルを実際に全録できる。ただ実運用を考えると、上限を6チャンネルと考えておいたほうが無難だ。まず、全録の画質を「スマホ高画質」「スマホ長時間」に設定できるのは6チャンネルが上限。この両録画モードは新モデルならではのイチオシ機能なので、これがお目当ての場合は7チャンネル全録は諦めざるを得ない。
なぜ6チャンネルまでがオススメなのか。それは、全チューナを録画に割り当ててしまうと、今度はリアルタイムでの番組聴取が大幅に制限されてしまう。録画中のチャンネルのおっかけ再生はできるのだが、録画していないチャンネルが見られない。2チャンネル同時録画対応のレコーダで、実際に2番組同時録画をしている最中には、チャンネルを切り替えられないのと同じだ。
リアルタイム視聴はテレビ側のチューナに任せるのが筋かもしれない。DBR-M4008の付属リモコンを使えば、テレビ操作も簡単だ。ただそれでも、タイムシフトマシン機能で保存されている番組と放送中の番組が一貫したUIで操作できないのは意外とストレスになる。さらには「放送中番組のスマホ視聴」(詳しくは後述)をするためにも、最低1チャンネル分はタイムシフトに割り当てず、通常録画用に空けておいたほうがいいだろう。
という訳で、今回の試用ではNHK・日本テレビ・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビの地デジ6チャンネル分の全録を「スマホ高画質」モードに設定。そして残る1系統分のチューナを通常録画兼視聴用にしている。
そして全録は、実行時間を朝5時から翌朝4時までの23時間設定にした。DBR-M4008では全録にあたって毎日1時間のシステムメンテナンス時間=録画中断時間をどうしても設定しなければならない。
この設定次第で、例えばゴールデンタイムにだけ全録することもできる。しかし冒頭で触れたように、Twitterで話題になった番組を後から見たいなら、ここは23時間録画が理想ではなかろうか。
東芝は全録最優先。CM自動早送り&1.3倍速再生で「時短」
ところでDBR-M4008では、タイムシフトマシン専用の処理エンジン「R-2」を搭載。全録が極力中断されないように設計されている。BD再生やダビング時でも“録画を止めない”という設計思想で、ここを他社との違いとしてアピールしている。
全録した番組の扱いは、最新モデルでもほぼ変わらない。リモコンの「過去番組表」を呼び出し、新聞のテレビ欄感覚で番組を探せる。カーソルキーで番組を選び、1~2回決定ボタンを押すだけで再生がスタートする。
6チャンネル×23時間体制での全録となれば、もう番組は選び放題。ドラマ・アニメはもちろん、昼のワイドショーはどんとこい。意外な掘り出し物の多い、テレビ東京の「午後のロードショー」も見逃しの心配ゼロである。今回の試用中にも我が心の一作「ロング・キズ・グッドナイト」が放映されたので(史上初の米朝首脳会談当日!)、有り難ーく視聴させていただいた。いやぁ何度見ても水車拷問からの豹変シーンはアガりますな。
閑話休題。肝心の画質だが、今回は「スマホ高画質」での録画モードを選択したため、ツラい部分がなくはない。折良くサッカー・ワールドカップの試合が連日放送されているが、背景として映り込む観客席のあたりに目を向けると、なにかモヤがかかったような収まりの悪さを感じる。37型のテレビを繋いでいるが、最近の50型クラスとなると、さらに厳しくなるかもしれない。
画質とのバランスは、最終的にはユーザーの好みの問題かと思う。後述のスマホ連携を重視しないのであれば、画質モードをテレビ用のものにすればいいし、とにもかくにも録画日数を長くするために画質を低くする選択肢もある。
個人的には「1週間前の番組を見直せるかどうか」が使い勝手の分かれ目だと考える。月曜夜21時のバラエティをたまたまリアルタイムで見たとして、その鑑賞直後、前週放送回をも遡って見られる意義はとても大きい。
この考えに当てはめるなら、10日分近く番組を保存できる「スマホ高画質」はちょうど良い存在だ。テレビ視聴が中心ならば「AVC中画質」も設定次第ではギリギリ1週間分の番組を本体HDDだけで保存できる。この2種類を軸に録画モードを最終決定するといいだろう。
また、高画質で残したい番組がある時は、通常録画を活用するといい。こちらは全録の画質と関係なく、毎回録画画質を変更できる。
さて、全録番組の再生にあたって、旧機種から明確に機能強化されたのが「時短」だ。画面上で案内されているとおり、リモコンの緑ボタンを押すごとに通常再生→らく見→らく早見→飛ばし見→通常再生……という具合にトグルしていく。
らく見は、CM部分を早送りするモードだが、「スキップではなく早送り」なのがミソ。早送り中はピクチャーサーチ風の表示になるため、どんな部分を早送りしたか感覚的に分かるようになっている。早送り部分はプログレスバー表示にも反映されるため、仮に早送り部分が誤検知されても、ユーザーが気付ける。
らく早見は、CM早送りに加えて再生速度が1.3倍になる。この速度であれば、出演者の声の聞き分けは可能だ。理論上は60分番組の再生時間が46~47分ほどで済み、さらに民放ならCM早送りが加わるのでだいたい40分前後で見終えられる計算になる。
らく早見の効果を30分番組のアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」6月17日放送回で実際に計測してみた。結論から言うと、再生開始からBパート終了までの実時間は16分25秒だった。CMはオープニング曲前、Aパート前、Bパート前のものがそれぞれきっちり早送りしてくれた。オープニング曲を手動スキップすれば、さらに40~50秒は節約できたろう。
ただセリフに関しては、1.3倍速再生の向き・不向きはあった。雑踏の声、砂かけばばあが唱える呪文などは正直聞き取りづらく、巻き戻して聞き直そうかと思ったくらいだ。
他にもいくつかの番組で試したが、1.3倍速再生の実用性は、番組ジャンルにも左右されるという印象だ。特にドラマ・アニメは、独特の作中用語、つまり「聞き慣れない専門用語」が飛び交っている。そういったケースはむしろらく見にとどめ、例えばひいきのプロ野球チームの試合を観戦するときだけらく早見を選ぶとか、そういった使い分けを考えたい。
再生関連でもう1つ付け加えると、全録番組でチャプターが付与されるようになったのも嬉しい。CMが入るポイントなどがチャプターが区切られているので、早送り・巻き戻しがとても簡単になったのだ。さらにプログレスバーには時短再生時にスキップされる部分(つまりCM部分)が可視化されるようになり、トリックプレイの利便性が上がった印象だ。
録画番組をスマホで見られる「スマホdeレグザ」
そして、時短と並ぶもう1つの注目機能が「スマホdeレグザ」である。録画した番組をスマホで再生したり、スマホに転送して新幹線の車中で見たり、あるいは外出先から録画予約をリモートで実行するなど、スマホとレコーダを連携して活用できるようになる。
利用にあたっては、スマホに「DiXiM Play」アプリをインストールする。デジオン製の汎用アプリで、東芝以外のメーカー製AV機器でも使われている。
スマホdeレグザの全機能を利用するためにはライセンスが必要だが、DMR-4008の製品パッケージには、iOS/Android用の無期限ライセンスが1台分添付されている(2019年6月までに有効化する必要あり)ので安心だ。もし買い増したい場合は月額100円ないし買い切り1,300円でオンライン購入できる。
続いて、DBR-M4008とスマホを同一ネットワークに接続し、セットアップを行なう。とはいっても、取り立てて難しい部分はない。アプリに表示される一覧から機器を指定し、DBR-M4008の初期設定時に決めたID・パスワードを入力する程度だ。また、前述のライセンスを有効化させる前に試用もできる。
機器を選択すると、トップメニュー画面には「放送中番組を見る」「録画番組を見る」、そしてタイムシフトマシン採用機の証として「過去番組表から見る」が表示される。通常録画番組はもちろん、全録番組も視聴OKだ。
最も出番が多いのが「過去番組表から見る」だ。今回の試用では全録の録画モードを「スマホ高画質」に設定したこともあり、実に11.5日×6チャンネル分もの番組が見られる。放送中の番組を追いかけ再生すれば、ほぼリアルタイム視聴に近い感覚で番組を楽しめる。
画質も、スマホで見るには十分。「スマホ高画質」のビットレートは4Mbpsとのことだが、ワンセグのような“コマ落ち感”がなく、とても自然でいい。チャプター単位のスキップや、プログレスバーのドラッグによる再生位置も行える。
1つ注意したいのが「放送中番組を見る」を選んだ際の、アプリ側の挙動だ。6チャンネル全録+1チャンネル通常録画を同時実行中は、その仕様上、任意のチャンネルを選べない(チューナが全て埋まっているので当然だ)。これに気付かないまま「放送中番組を見る」を選択しても、待ち時間の後、「メディアサーバーからの応答がありません」という素っ頓狂なエラーメッセージが出てしまう。
ここは「現在、全チューナで録画しているためチャンネルを選べません」とか、「7チャンネル全録実行中のため、リアルタイム視聴は制限されます」のような分かりやすいメッセージを出してほしいところだ。このため、現状で何か挙動がおかしいなと思ったら、「過去番組表から見る」で番組を再生してみるといいだろう。
持ち出し対応も盤石
ここまでスマホdeレグザを試してみて、改めて「スマホ連携もカンタンになったな」と実感する。特別なハードウェアを買うことなく、手持ちのiOS/Android端末にアプリを1つインストールすれば、ほぼ準備は完了してしまう。
視聴安定性も極めて高い。今回は私物のGalaxy S8(au版)で主に動作検証したが、トラブルらしいトラブルにあっていない。宅内でも元々電波の弱いエリア(台所など)に移動すると、映像のストリーミングが停まることはあるが、それは我が家のルータ設置位置が原因。アプリの挙動がおかしい場合は、アプリを再起動すれば大体事が足りる。現状、スマホdeレグザは「十分使える」サービスと感じている。
実際には試していないが、「風呂でテレビを見たい」という人にとって、スマホdeレグザはうってつけのソリューションだと思う。ただ、個人的には10万円近い防水スマホを風呂に持ち込むのは気が引ける。安価な防水タブレットを用立てて、風呂に持ち込みたいところだ。
より安定した視聴を求めるなら「持ち出し」機能も見逃せない。番組を自宅のWi-Fi経由でスマホにコピーしておき、以後は通信なしに見ることができる。録りためたドラマを一気に見たい、出張の新幹線の車内で映画を1本みたいといった用途にはピッタリの機能だ。
実は、本稿でたびたび言及している「スマホ高画質」録画モードは、この持ち出し機能で特に効果を発揮する。放送番組は通常60i(インターレース)方式で流通しており、録画時もその形式のまま保存される。しかしスマホ上で動画を再生するには30p(プログレッシブ)方式のほうが扱いやすい。
そこで「スマホ高画質」モードでは、最初の段階から30p方式で録画してしまう。そのため、録画番組をスマホで再生する・転送するタイミングで60i→30p方式へ変換する作業が発生しない。よって、各種の待ち時間を節約できるのだ。ただし、最も高品位なDRモードと比べれば画質は相当落ちる。もちろん、保存容量が少なくて済むので、HDDに保存しておける番組は増えるが。
転送にかかる時間の目安は、スマホ高画質モード・持ち出し画質設定640×360にしておけば30分番組1本でだいたい5分ほどだろうか。Wi-Fiの接続速度も影響するとは思うが、この程度の時間であれば、深夜に放送された番組の転送を朝起きてから実行する事もできるだろう。もちろん、就寝前に転送をスタートさせ、起きる頃には完了というシナリオでもいける。
再生品質は設定で変わるが、なにより一切通信しないため、番組再生開始までの待ち時間やトリックプレイのレスポンスが格段に良くなる。また、持ち出した番組は当然外出先で見ることになるだろうが、そこでは字幕機能が役立つはずだ。
まとめ~検索なども着実に進化、やはり7年の差は大きい
今回、「時短」「スマホ連携」とタイムシフトマシンとの組み合わせをじっくり試させていただいた。時短に関してはほぼ初体験だったため、使いこなしにはもう少し時間がかかりそうだが、一方でスマホ連携については使ってすぐに利便性を実感した。操作レスポンスはネットの動画サイトなどと比べてワンテンポ遅い感はあるが、1週間分ほど保存されている動画を気ままに見られるのはこの上ない体験だ。これだけでもうタイムシフトマシンを導入する意義は十分ある。
また、これは筆者特有の事情ではあるが、やはりタイムシフトマシン7年の進化は実に大きかった。時短・スマホ連携以外に、本体の小型化、番組表の見栄えなど、全録番組へのチャプター付与など、改善ポイントがゴロゴロしている。
特に検索機能は便利になった。DBR-M190でもフリーワード検索はできたが、DBR-M4008ではあらかじめ人名データベースを本体内に保持しているため、メニューから選んでいくだけで入力できるのだ。リモコンのテンキーでの文字入力は、スマホで画面を見ながらのフリック入力と比べて速度的にはやはり不利。派手さはないが、嬉しい機能進化と言える。
最後に、全録の利便性を改めて強調しておきたい。全録の利便性は「気になる番組を放送後に探して楽しめる」という点に集約されるのだが、実は副次効果も多い。録画予約の手間が減り、古い番組を手動削除する必要もない。録画に関する諸々を節約できるという訳だ。
全録を躊躇する要素があるとするなら、やはり価格だろうか。DBR-M4008の店頭予想価格は13万円前後と、流石にお高い。
ただ、両親・お子さんで構成される家族世帯では、DBR-M4008の割安感は相当高いと思う。場所の都合上どうしてもテレビをおけない台所からタブレットで番組を見たり、きょうだいでチャンネル争いが起こってしまったときはどちらか1人にスマホで動画を見せたり……。ましてや全録機能で膨大なコンテンツが保存されているので、見る番組が少なくて困ることはない。DBR-M4008の多機能っぷりを上手に活かして、時間的にもおサイフ的にもお得な使い方を目指してみてはいかがだろうか?
DBR-M4008 |
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