レビュー
今だからこそ“カスタムIEM作ってみた”。耳型採取から“ワイヤレスイヤフォン化”まで
2025年1月17日 08:00
完全ワイヤレスイヤフォン(TWS)のトレンドは“個人最適化(パーソナライズ化)”だ。ユーザーの聴力に合わせて再生音を最適化したり、イヤーピースの遮音性がイマイチであればノイズキャンセルを強くするなど、ユーザーがより快適に使えるようサポートする機能で各社が競っている。
だが、汎用イヤーピースの中から吟味しても、装着感の最適化に限界はある。それを突破する究極の最適化が、「ユーザー1人1人に、最適なイヤフォンをメーカーに作ってもらう」、つまりオーダーメイドのカスタムIEMだ。
ワイヤレスイヤフォンからポータブルオーディオに興味を持った人には、あまり馴染みがないかもしれないが、イヤフォンの主流が有線だった少し前までは、ユニバーサルタイプのイヤフォンを色々使った末に、カスタムIEMを作るのが、ある主の“夢”だった。カスタムIEMが、かなり高価だったからというのもある。
しかし今、カスタムIEMの価格はかなり手に届きやすくなった。そもそも、TWSだって4万円、5万円を超える高級機が増え、10万円近いモデルも登場してきている。高価なイヤフォンを買うなら、バッテリー交換ができないTWSよりも、末永く使える有線イヤフォンにしたいという考え方もある。
さらに、ケーブル着脱が当たり前になった今、“有線イヤフォンを無線化するBluetoothアダプター”も登場しており、“有線かTWSか”という区別も古くなっている。
前置きが長くなったが、「今だからこそ、カスタムIEMなのでは!?」と考えた私が、カスタムIEMを作ったレポートをお届けする。
qdcのHybrid Folk-Cをオーダーしてみる
何度か記事に書いているが、筆者は2017年に登場したqdcの「Neptune」というユニバーサルイヤフォンが好きだった。2万円台ちょっとの、シングルBA×1基だけ搭載した、今から見ると非常にシンプルなイヤフォンなのだが、不思議なくらい音が良く、鉱物の一つであるマイカ(雲母)のフェイスプレートを採用したデザインにも惚れた。残念ながら生産は終了しており、後継機の「Uranus」も持っているのだが、Neptuneは今でもたまに引っ張り出して聴いている。
そんな事もあり、「次にカスタムIEMを作るならqdcがいいな」と思っていた。ただ、数十万円するような高価なモデルは作れない。かといって、せっかくオーダーするのだから、ある程度のグレードのものを選びたい。そんなこんなで選んだのが、お店によって異なるがだいたい7万円台で買える「Hybrid Folk-C」だ。
Hybrid Folk-Sのユニバーサルタイプは、以前レビュー記事を書いた時に試聴した。特にボーカルの描写が美しい“美音系”で、かつてのNeptuneのようなナチュラルさも兼ね備えていたのも好印象だった。
モデル名の頭に“Hybrid”とついているように、ユニット構成は低域担当のダイナミックドライバー×1基、中高域担当のバランスドアーマチュア(BA)ドライバー×1基に加え、超高域担当フラットパネルドライバー(平面振動板)×1基も搭載している。
ナチュラルな音をデザインで表現したような、ウッドのフェイスプレートや、琥珀のような筐体カラーも渋くて良い。この雰囲気を維持したまま、自分専用のカスタムIEMにしてみたいと考えたわけだ。
カスタムIEMを作るまでの流れ
実際にどのようにカスタムIEMを作るのか。
当然ではあるが、お店やオンラインショップなどでHybrid Folk-CのカスタムIMEを注文するとこから始まる。どのように注文すればいいか不安な場合は、店頭での注文にして、店員さんに教えてもらいながらオーダーすると安心だ。フジヤエービックやe☆イヤホンでは、オーダーの流れをWebや動画で詳しく説明してくれている。こうしたものを見て、予習して行くのも良いだろう。
カスタムイヤホンオーダー方法 | qdc Anole V14-C のカスタムIEMをオーダーから完成まで紹介
注文するとまず、「オーダーシート」を記載する事になる。これから作るカスタムIEMのデザインを決めるものだ。
カスタムIEMのデザイン選択は、大きく2つのポイントがある。耳に装着した時に外から見える部分に配置する「フェイスプレート」と、イヤフォン本体「シェル」の色だ。
ユニバーサルのHybrid Folk-Sで言うならば、「木目のフェイスプレート」と「琥珀のような黄色のシェル」を組み合わせている。
この“デザイン選び”が、実は難題だ。理由は“選択肢が豊富すぎる”ため。シェルとフェイスプレートの色やデザインだけでなく、フェイスプレートに配置するロゴの有無など選べる項目は多く、自由に組み合わせが可能だ。もちろんイヤフォンの左右で違う色だって選べる。フェイスプレートに自分のイニシャルを入れたっていい。
フェイスプレートにロゴを配置したり、自分のイニシャルを入れたっていい。カスタマイズできる項目の豊富さは、メーカーや購入するモデルによっても異なるが、カスタマイズできる項目が多ければ多いほど悩みが増える。「選んだフェイスプレートのデザインと、シェルの色味がマッチしているか?」「フェイスプレートとシェルのつなぎ目部分に色を入れるか否か」など、一番楽しい時間ともいえるが、だからこそ悩ましい。
そのため、完全ノープランでお店に行くと、オーダーシートを前に長考する事態に陥る。家を出る前に、カスタム可能な項目や、色の見本などを見ながら、ある程度イメージを固めてから行った方が良いだろう。
オススメは、SNSやWebなどで他の人のカスタムIEMを見る事だ。qdcのWebにはこれまで制作したカスタムIEMの作例が見られる「カスタムIEMギャラリー」もある。見ていると「このフェイスプレートとこのシェルカラーを選ぶと、こんな見た目になるんだ」とか「左右でフェイスプレートの色を変えると右と左がとっさにわかって便利そうだな」など、色々を気付きがある。
私の場合は「プロのデザインを真似る」という、もっと横着な手を選んだ。ユニバーサルHybrid Folk-Cのデザインがカッコよすぎなので、「ユニバーサルと同じフェイスプレートと色を選んでしまえ」というわけだ。
ただ、まったく同じでは面白くない。そこで、フェイスプレートのロゴを、左はシルバー、右はゴールドに変更。さらに、イエローのシェルに、少しだけGold powder(ラメ)を混ぜてもらうことにした。シェルは透明で中のユニットが見えるのが好きなのだが、完全透明よりも、ラメを少しだけ入れた方がより明るい印象になるかなと考えたのだ。
これらの選択項目を、オーダーシートに書き込みつつ、シートには納期やリフィット(完成後の装着感調整)の説明なども書かれているので、しっかり読んでおこう。
そして、カスタムIEMで重要になるのが、自分の耳型(インプレッション)だ。
あらかじめ耳型を作ってから、オーダーシートと共に耳型を渡したり、オンライン注文の場合はお店まで郵送する必要がある。
耳型を作ってもらう
カスタムIEMのオーダーで、最もハードルが高く感じられるのが“耳型作り”だろう。ただ、実際にやってみると15分くらいで完了するし、日常ではなかなかできない面白い体験ができる。
まず“どこで耳型を作ってもらうか”だが、一番手っ取り早いのが、オーダーするお店で指定されていたり、提携している補聴器店で採取する事。例えば、フジヤエービックであれば、お店の近くにあるにっこり補聴器屋、e☆イヤホンであれば、秋葉原店本館内6Fにあるリスニングラボ秋葉原店で採取すれば、同じビル内で完結する。
こうしたお店が遠い場合は、近くの補聴器店で採取する事も可能だが、カスタムIEMと補聴器では必要な耳型の範囲が異なるので、採取する前に、その補聴器店に「カスタムIEM向けの耳型を採取できるかどうか」を問い合わせした方が良いだろう。
また、ポタフェスやヘッドフォン祭など、ポータブルオーディオのイベントでは、耳型を採取してくれるブースが設けられる事も多いので、イベントに遊びに行きがてら、耳型を採取してもらうというのもアリだ。
今回はeイヤホン秋葉原店本館内にあるリスニングラボ秋葉原店で採取をお願いした。
採取の流れを説明してもらいつつ、耳型採取の同意書にサイン。その後、鼓膜の位置や外耳道に傷がないかなどをチェックしてもらう。
その後、型取り用の印象材が、鼓膜や中耳まで流れないようにスポンジのストッパーを耳の中へ入れてもらう。
次に、バイトブロックという不思議なカタチをした発泡スチロールを口に咥える。口を動かすと、耳の穴の形状が変化するのだが、ミュージシャンなどはカスタムIEMを装着した状態で歌うので、口を開いた状態での耳型を採取するためにバイトブロックを咥えるのだ。
「歌わない時にもバイトブロックが必要なの?」という気がするが、リスニング用の場合でも、イヤフォンを抜けにくくするためにバイトブロックを使うという。ちなみに、qdcのカスタムIEMの場合はバイトブロックの使用が必須とのこと。さすが年間1,500人以上のカスタムIEM向け耳型を採取しているというリスニングラボ秋葉原店、「qdcのカスタムIEMでしたら、このバイトブロックですね」と、話がはやい。
バイトブロックを口に咥えたまま、いよいよ耳型採取のスタートだ。
用意されたのは、白と赤の粘土状シリコンで、印象材と呼ばれている。この2種類の印象材を混ぜると、5分ほどで固まるという。印象材を混ぜると、ピンク色になり、それをシリンジで耳に注入していく。
印象材を入れられる時の感覚は、冷たい粘土を「モモモモッ!!」と耳の中に入れられるイメージだ。最初はちょっとヒヤッとするが、それだけで、特に痛みなどはない。
左右の耳に印象材を入れられると、周囲の音が何も聞こえなくなる。耳栓をした時の“聞こえなさ”を遥かに超える静かさで、隣の人の声も何も聞こえない。しばらくすると、印象材が固まっていく音なのか「プチプチ」みたいな音が聞こえてくる。
しばらくして印象材が固まり、ゆっくりと取り出してもらうえば“自分の耳型”が完成。「俺の耳の中はこんなカタチになっていたのか」と、なんとも不思議な気分だ。
ちなみに、今回の耳型採取の料金は5,500円だった(キャンペーンやメーカーによっては異なる場合もある)。
完成した耳型とオーダーシートをメーカーに送ってもらい、あとは完成を待つだけだ。
いよいよ“自分だけのカスタムIEM”が到着
オーダーから2カ月ほど。待ちに待ったHybrid Folk-CのカスタムIEMが家に届いた。
黒い外装を外すと、中から高級感のある木のケースが。緊張しながら蓋を開けると、キャリングケースに収められたカスタマイズが登場!
ユニバーサルHybrid Folk-Sのフェイスプレートや色味を真似たとはいえ、実際に完成するまで、どのような見た目になるかドキドキしていたのだが、実物はまさにイメージ通り!
ユニバーサルのナチュラルなデザインを真似しつつ、ロゴやブランド名は左右で異なる色にして判別しやすくなっているし、シェルにも少しGold powderを混ぜた事で、明るく、華やかな雰囲気になっていた。
大事なのは装着感だが、これは“さすがカスタムIEM”としか言えないフィット感だ。耳穴に沿うように、少しひねりながら挿入するのだが、形状が完全にフィットしているので、スルッと耳に収まる。
耳穴との隙間も最小限なので、外部の音もほとんど聞こえなくなる。アクティブノイズキャンセリングとは違い、耳栓としてのパッシブな遮音性能しかないのだが、完全にフィットしているのでその遮音能力が非常に高いのだ。「これならアクティブノイズキャンセリングはいらない」と思えるレベルだ。
装着安定性も高く、カスタムIEMを装着した状態でケーブルを強く引っ張っても、抜け落ちる気配すらない。耳から外す時は、穴の形状に沿ってひねるようにしないとスムーズに抜けないのだが、この形状そのものが、カスタムIEMが耳から落ちにくい理由にもなっている。
高価なカスタムIEMを作ると、紛失が怖くなるが、この抜けにくさであれば、耳から落ちて無くした……という悲劇も起きにくいだろう。
完成したHybrid Folk-Cを聴いてみる
音をすぐに楽しみたいところだが、届いた直後はちょっと音が硬かったので、鳴らしっぱなしにして1週間ほど放置。少しエージングした後で聴いてみた。組み合わせるDAPはAstell&Kernの「A&ultima SP3000」だ。なお、Hybrid Folk-Cの入力端子は3.5mm/2.5mm/4.4mmの切替が可能な3in1プラグなので、様々なDAPやヘッドフォンアンプと接続できる。今回は4.4mmのバランス接続を使っている。
音楽の再生ボタンを押す前に、Hybrid Folk-Cを耳に装着した段階で、ユニバーサルイヤフォンと違いがわかる。Hybrid Folk-Cの方が、圧倒的に静かなのだ。
先日、取材でJVCケンウッドが横浜本社地区に新たに作った無響室(音の反射を排除した測定用の部屋)に入ったのだが、その時の感覚と、カスタムIEMを装着した感覚がちょっと似ている。あまりに静かで、周囲の音がしないので、しばらくすると自分の心臓の音が気になってくるほどだ。
Hybrid Folk-Cでは、この静かな環境で音楽を再生してくれるので、例えば「ダイアナ・クラール/月とてもなく」を再生すると、冒頭のピアノや、途中で入っくるボーカルなどが、無音の空間からスッと立ち上がる、トランジェントの良さが細かく聴き取れる。
アコースティックベースが「ブルン」と震えるのだが、その音の中に、震える弦が途中でどこかに当たった「ベチン」という鋭い音も聴き取れる。ピアノのペダルを、離した時に、ペダルが元の位置に戻る「……クンッ」というような、音とは言えないほどかすかな音まで聴き取れて感動する。
そのため、クラシックなど、ダイナミックレンジの広い曲を積極的に聴きたくなる。これはカスタムIEMならではの魅力と言えるだろう。
Hybrid Folkの特徴と言える“ボーカルの良さ”も感じられる。「Aimer/カタオモイ - From THE FIRST TAKE」を聴いてみたが、音が非常にナチュラルだ。前述の通り、BAドライバー×1基、ダイナミックドライバー×1、フラットパネルドライバー(平面振動板)×1と、3種のドライバーを内蔵しており、それぞれが発する音にはキャラクターの違いがあるはずだが、それをまったく感じさせない、全体としてまとまったサウンドにチューニングされているのが見事だ。
バランスとしては、低域を膨らませたり、過度にパワフルにせず、どちらかというと中高域寄りのバランス。それゆえ、ボーカルの細かな息づかいや表現に集中して聴くことができる。
かといって、低域が不足しているわけではなく、ベースやドラムの低い音はしっかり出ている。あくまで“低音の輪郭が野太くない”だけで、シャープな低音は存分に味わえる。
Hybrid Folkは、ユニットの固定方法に特徴がある。ダイナミック型ドライバーは口径の大きな振動版が振幅するので、エアフローの制御が難しい。そこで、“漏斗”のような形状のアコースティックダクトを開発。そこに、ダイナミック型ドライバーとフラットパネルドライバーを搭載している。
漏斗の先端は細長い音導管になっており、そこからダイナミック型とフラットパネルドライバーの音がまとめて出てくる。こうすることで、ダイナミック型を採用しつつも、筐体内空間によるサウンドへの影響を受けないようにして、ダイナミック型としてフラットな特性を追求したそうだ。
そして、このダイナミック型 + フラットパネルのアコースティックダクトとは別に、音導管を備えたBAドライバーを組み合わせている。まさに、低域を出しつつ、ボーカルの中高域がその影響を受けすぎないようにする仕組みであり、それが音にも良く反映されている。
Hybrid Folk-Cの良いところは、“高域を丸めていない”事だ。美音系のイヤフォンには、意図的に解像度を下げて、フォーカスの甘い音にしているものも存在するが、Hybrid Folk-Cはその逆で、目の覚めるような高解像度サウンドながら、女性ボーカルのサ行が耳に刺さるような強調感は無く、非常に聴きやすい音を実現している。
解像度はしっかりと高めながら、異なるドライバーの音色を、チューニングでまとめあげ、声の質感をしっかり出す事で、美しい音を実現している。例えば、「天気の子 complete version」から「グランドエスケープ feat.三浦透子」を再生すると、女性ボーカルの声が非常にシャープに描写され、声の響きが虚空へ消えていく様子も克明に見え、楽曲が持つ神秘的な雰囲気や、透明感が良く伝わってくる。
カスタムIEMをワイヤレス化してみる
自分だけのカスタムIEMが完成したので、毎日使い倒したくなるのが人情。となると、有線だけでなく、ワイヤレスイヤフォン化して、スマホと便利に組み合わせて使いたくなる。そこで便利なのが、Bluetooth TWSアダプター。数社から発売されているが、qdcは自社で、qdcの2pinコネクターに対応したBluetooth TWSアダプター「TWX II」(22,000円)を用意している。それとも組み合わせて使ってみた。
Bluetooth TWSアダプターは簡単に言えば、「完全ワイヤレスイヤフォンから、イヤフォン機能を取り除いてフック形状にしたもの」だ。qdcの2pinコネクターを備えており、そこにケーブルを外したHybrid Folk-Cを取り付ければ、カスタムIEMをワイヤレスイヤフォンとして使えるようになる。
チップセットはQualcomm QCC3040を採用し、Bluetoothのコーデックは、SBC/AAC/aptXに対応。接続したイヤフォンを駆動するため、左右それぞれに強力な30mW出力のアンプを内蔵している。
また、充電ケースのイヤフォン収納エリアが広めに作られており、カスタムIEMを接続したまま、TWX IIを収納できるようになっている。そのため、充電ケース自体は大きめだが、それは仕方がないだろう。
気になるサウンドだが、さすがに「A&ultima SP3000」と有線接続したサウンドと比べると、音場の広さや低域の力強さなどは劣る。だが、繊細な中高域の描写や、音色のナチュラルさといったHybrid Folk-Cの良さは、ワイヤレスでもしっかりと味わえる。
強力なアンプを搭載しているためか、むしろ想像していたよりもずっと良い音で、「なんだ、ワイヤレスでも十分良い音じゃないか」と驚く。カスタムIEMらしい遮音性の高さも手伝い、電車の中でも繊細な音が聴き取りやすい。アクティブノイズキャンセリングが無くてもまったく問題ない。
TWSはケーブルが無い気軽さが最大の魅力だが、移動中は落下の危険性がある。しかし、Hybrid Folk-C + TWX IIであれば、まず耳から落ちる事はないので、ユニバーサルなTWSよりも、さらに気軽に使えるとも言える。
風邪予防にマスクを着ける事が多いのだが、マスクを外す時に、ゴムにひっかかってTWSを落としそうになる事が今まで何度もあった。だが、Hybrid Folk-C + TWX IIではまったく心配なくマスクが外せる。この便利さには感動してしまった。
今だから感じる、カスタムIEMの魅力
“イヤフォンと言えばTWS”を意味するようになった昨今、1万円以下、5,000円以下で購入できるモデルも増加。紛失したり、バッテリーが駄目になるなどして、買い替える時のハードルも低くなり、イヤフォンが消耗品のように感じられるようになった人も多いだろう。
そんな今だからこそ、手間を掛けて自分だけのカスタムIEMを作ると、愛着が強く感じられ、「末永く大事に使おう」と思うようになった。
また、通勤ではワイヤレス化して便利に使い、休日はDAPと有線接続して本格的に聴く……という使い分けもするようになった。“日常のツール”と化していたイヤフォンが、“趣味の時間を楽しむためのオーディオ機器”に戻ったような感覚もある。TWSからポータブルオーディオに興味を持った人も、一度、カスタムIEM作りにチャレンジして欲しい。