藤本健のDigital Audio Laboratory

第743回

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック

 11月3日に発売されたiPhone X。入手困難とのことだが、検証用に購入しようとしたら思いのほかすぐに入手できたので、これまでの音楽制作アプリやオーディオインターフェイスなどが引き続き使えるかどうかや、オーディオ性能などを中心にお伝えする。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック 左が購入したiPhone X、右は以前から使っていたiPhone 7
左が購入したiPhone X、右は以前から使っていたiPhone 7

 iPhone Xはネットの記事は絶賛ばかりだが、個人的には正直なところあまり好きになれない感じで見ていた。ホームボタンが無いとか、画面上部が欠けるなど、なんだかなぁ……と。しかも、初期ロットが非常に少ないので、入手は極めて困難とのことだったから、無理してすぐに買わなくてもいいかと思っていた。とはいえ、検証のために入手しておこうかと、近所の某クルマ屋さんで予約をしてみた。

 一応予約開始の時間のちょっと前に行ったが、並んでる人は誰もおらず、すぐに手続きをして終了。その結果、11月2日に「調達できました! 」と電話があり、あっさりと入手できてしまった。というわけで、手元にはこれまで使ってきたiPhone 7と新しいiPhone Xの2つがあるので、オーディオ性能やMIDI機能、またそれらの互換性についてチェックした。また、オーディオやMIDI関連のアプリ開発者数名にiOS 11、iPhone Xなどに関する感想や意見もうかがったので、それらもあわせて紹介していこう。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック iPhone X(左)、iPhone 7(右)
iPhone X(左)、iPhone 7(右)

オーディオ/DTM関係に大きな変化なし? 古いアプリの利用には注意

 iPhone Xがどんなものなのか、一般的な使い勝手がどうなのかについては、さまざまなメディアで紹介しているので、ここでは割愛する。ただ、個人的にはやはりあまり好きにはなれないでいる。そのうち慣れるのかもしれないが、ホームボタンがないのは納得いかないし、操作方法がいろいろと変わった点がしっくりこないからだ。

 操作性はともかくとして、オーディオ関係、DTM関係における機能は……というと、実は大して変わってなさそうで、大きな問題もなさそうに思える。本当に問題はないのか、少し検証していこう。

 大きな問題がないとはいえ、古いアプリを使っているユーザーにとっては一つ致命的な問題もある。多くの方がご存じのとおり、iOS 11ではついに32bitアプリが非サポートとなってしまったため、最近アップデートされていない古いアプリは使えなくなってしまった。

 これはiPhone Xに限らず、すべてのiPhone、iPadでiOS 11にすると起こる問題だが、古いアプリを起動しようとすると「アップデートの必要があります。このAppは、このバージョンのiOSで使用するにはデベロッパによるアップデートが必要です。」というアラートが表示。そして「残す」か「削除」しか選択肢もなく、残したところで、起動すらできないのだ。DTM系アプリでも、64bit対応していないものが少なくないため、使えなくなってしまうのは残念なところだ。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック 32bit版アプリを使おうとすると表示されたアラート
32bit版アプリを使おうとすると表示されたアラート

 一方で、64bit対応アプリにおいては、DAWやソフトシンセアプリをいろいろ起動してみたが、とくに問題なく使うことができた。ただし、現時点iPhone Xの画面サイズに対応したものは多くない。鍵盤表示させた場合も左右が黒のままとなるので、今後の各アプリの対応を待ちたいところだ。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック 画面の左右端が黒くなっている例
画面の左右端が黒くなっている例

 そうした中で、いち早くiPhone Xの画面サイズに対応したのは、もちろんApple製のGarageBand。鍵盤表示させた場合やトラック画面表示させた場合も、左右めいっぱい使えるようになっている。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック GarageBandのキーボード画面
GarageBandのキーボード画面

 ただ、気になるのは、例の画面欠け部分の扱いがどうなるかだ。実は、これがGarageBandではうまく避けるように設計されているのだ。欠けた部分が左側にあるときと、上下反転させて右側にあるときでは、画面がズレて、欠けた部分をよけるようになっているのである。開発する側からすると面倒になるように思うが、この辺はどうなのだろうか……。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック 同じ画面を上下反転させてみた。欠けた形はキャプチャされないが、これをよける形に画面がスライドする
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック 同じ画面を上下反転させてみた。欠けた形はキャプチャされないが、これをよける形に画面がスライドする
同じ画面を上下反転させてみた。欠けた形はキャプチャされないが、これをよける形に画面がスライドする

 この鍵盤が表示される画面を表示させたところで、気が付いたのが、ホームボタンのないことによるストレスだ。iPhone Xを普通に縦に持っていた状態で、GarageBandやシンセサイザアプリなどを起動した場合、下からのスワイプではホーム画面に戻れないのだ。あくまでも、起動したアプリ画面の下から上方向へのスワイプだから、縦に持っていた場合、左から右へのスワイプか右から左へのスワイプになる。しかも、その時々で画面の向きが変わるから、使いにくいことこの上ない。せめてこの辺のUIは改善してもらいたいところだ。

iOS 11対応状況などをアプリ開発者に聞いてみた

 さて、iOS 11にはオーディオの世界にも一つ大きなトピックスがあった。それはOSとしてALAC(Apple Lossless)だけでなく、FLACのコーデックも搭載し、FLACデータを再生可能になったことだ。これで、ハイレゾ音源が手軽に扱えるようになると期待していたのだが、ここもかなり中途半端というか、現時点においてはほとんど無意味だった。というのもiTunesおよびミュージックアプリがFLACをサポートしていないため、結局そのまま使うことができないのだ。しかも、iPhone Xを含め、iPhoneハードウェアが96kHz以上に対応しておらず、あくまでも48kHz/24bit以下のサポートのままであるため、多くのFLAC対応ハイレゾ音源を標準のまま鳴らすことはできない。

 もちろん、ONKYOのHF PlayerやTEACのHR Playerなどは従来通り、FLACは使えるし、外部にUSB DACを接続して、ハイレゾ再生もできるわけだが、その点ではこれまでのiPhone 7 & iOS 10と違いはない。

 そうした中で、ハイレゾプレーヤーとして「scylla」というアプリがあるのをご存じだろうか。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック scylla
scylla

 開発したのは、これまでにも何度か取り上げたことがあるbs-16iという優秀なソフトシンセを開発したbismark氏。WAV、MP3やAIFFなどをサポートしているのはもちろんのこと、FLAC対応するとともに、DSD、DoPにも対応しており、シンプルながらもなかなか使いやすいアプリだ。基本は無料で使えるフリーアプリで、720円のApp内課金によりDSD、FLACが利用できるようになっている。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック ソフトシンセのbs-16i
ソフトシンセのbs-16i
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック scyllaは、App内課金でDSD/FLACを利用可能になる
scyllaは、App内課金でDSD/FLACを利用可能になる

 そしてscyllaはいち早くiPhone X画面に対応しているのもなかなか優秀なところ。実際、iPhone Xで試してみても、まったく問題なく使えたが、開発者にとってはiOS 11がFLAC対応したことは大きなメリットになるのだろうか? この点を含め、scylla、bs-16iの開発について以下のようなコメントをもらった。

 bs-16iのupdateを11/3にあわせてするつもりでしたが、iPhone Xの入手がしばらく先になってしまったため、一時Pendingにしてます。ようやくAudioUnit、AudioBus3も対応できたので、意気込んでいたのですが……。scyllaはシミュレータでしか確認できてませんが、すでにiPhoneX対応のつもりです。

 iOS 11になって音楽系アプリの観点では今回はあまり意識する変更はなかったと思います。自分のアプリもほぼそのまま動作しているようです。ちなみにiOS11のタイミングで、しばらく放置してしまっていて64bit対応できてなかったアプリが一つAppStoreから消されました(笑)。

 一点、FLACのdecodeにOSレベルでの対応が追加されたというニュースがあり確かにその通りだったのですが、scyllaでiOSにFLAC処理を任せてみたところメタデータの読み方がイマイチだったので自前の実装に戻しました。iTunesの楽曲管理がFLACとどう絡むのかと思っていたのですがそちらの更新はないようで、なぜFLAC対応が追加されたのか意味わからないというのが正直なところです。

 一方、iPhone X登場において開発側への影響とすればやはり画面レイアウトになると思います。今回から “SafeArea” という概念が導入されています。要するに、上下左右、このSafeAreaが示す範囲にはものを置いてはいけない、という縛りになっていて、これによってiPhone X上部の出っ張りなどに対応する、という筋書きになっています。

 自前のアプリで説明させていただくと、scyllaのようなiOSの標準部品としてリスト画面を使っているような場合であれば、あまり苦労はありません。

 bs-16iのようなほぼほぼ独自のレイアウトで組んでいるようなアプリ(楽器アプリは基本このパターンだと思いますが)ではどう対応するのか悩ましいです。鍵盤楽器アプリとしてはランドスケープが基本なので、SafeAreaのいう通りに配置してしまうと左右に大きめの余白を設けることになってしまいます。最初この配置でやってみたのですがどうもしっくりこない。画面として横幅になったのであればその分、鍵盤の数を増やしたいという意識もあって、鍵盤はSafeArea無視で目一杯ひろげつつその他のボタン類はSafeAreaにしたがう、という案でVersion upを準備中ですが、目一杯広げた部分がちゃんとタッチできるのかどうか、という点が懸念になっています。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック 鍵盤はSafeAreaを無視して広げ、その他のボタン類はSafeArea内にする形で準備しているという
鍵盤はSafeAreaを無視して広げ、その他のボタン類はSafeArea内にする形で準備しているという

(bismark氏のコメント)

 ほかにも何人かに話を伺ったので、紹介していこう。bs-16i同様、iOSのかなり初期の段階からDX7風のFM音源アプリ「DXi」を開発してきた水引孝至氏からは次のようなコメントをいただいた。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック FM音源アプリのDXi
FM音源アプリのDXi

 まだiPhone Xを入手できていませんが、DXiは、64bitに対応しているアプリですので、iOS 11でも動作し、実際、私の手元のiPhone 6sでもiOS 11で動作しています。

最近の iOS音楽アプリのトピックについてですが、iOS 11というよりも、次の iOS (12?) で、iOSのオーディオ処理の重要なメカニズムだった AUGraph が、廃止されることが今年のWWDC で予告されました。

 AUGraphは、オーディオをデバイスから入力(またはプログラム内で生成)して、中間処理(HPF、LPF、ディレイ、コンプなど)を経て、オーディオデバイスに出力するという一連の処理をグラフ構造でつないでいくことで、さまざまなオーディオ処理を作ることができる機能で、多くの楽器アプリで使われているメカニズムです。

 DXi FM synthesizerでも使っているのですが、廃止が予定されている以上、新しい別の仕組み(AUAudioEngine)に置き換える必要がありそうです。iPhoneが普及し始めたころに開発された比較的古い楽器アプリは、まだAUGraphを使っているものも多いと思いますので、これから次のiOSに向けて、同じように置き換えをするアプリが出てくるのではないでしょうか。開発者としては大変ですが、Appleのプラットフォームに乗っている以上は仕方ないですね。

 iPhone Xの、縁のない画面を活用できれば、アプリへの没入感を高められますので、楽器アプリを、より本物の楽器のような感触に近づけられるのではないかな、と思っています。

(水引孝至氏のコメント)

 上記の内容は、次のiOSでの他アプリの影響がどうなるのか気になるところだ。さらに、ARGON、XENON、CASSINI、Laplace、LORENTZ、Mersenneといった各種シンセサイザアプリを開発してきた種田聡氏からも以下のコメントをいただいている。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック CASSINI
CASSINI

 私のアプリに関してはiOS11でも特に問題無く動作しているようなので、恥ずかしながら詳しくキャッチアップできていません。

 WWDCの資料をざっと見る限り、気になっているのは以下の通りです。

・Audio Unit Extension画面サイズに関する改善
・Audio Unit ExtensionからのMIDIアウト
ここではiPhone Xについては解決すべき問題があります。

・上方センサー部の切り欠きによって画面が隠れてしまう問題
・画面下部のフリックによるホーム画面への復帰やマルチタスク切り替えとアプリ独自のジェスチャーの競合

 ここについては、今後なんらかの方法で解決していきたと思っております。もっとも、この初夏に私のシンセアプリ4つを、AudioUnitおよび、ユニバーサル化しました。ただ正直なところ、あまり売り上げ的には大きな結果にはなっておらず、新製品でないと難しいということを実感したところです。今後も、面白い新製品など作れればと企画を考えているところです。

(種田聡氏のコメント)

 もう一人、KQ MiniSynthの開発者である雲英亮太氏からもコメントをもらった。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック KQ MiniSynth
KQ MiniSynth

 iOS 11ですが、実は更新内容をあまり把握できていません。ただ、テストでInter-App Audioに私のアプリをつないだところ、ホストアプリのアイコンが表示されるべきところに白いデフォルトアイコンが表示されたのに気がついたくらいでしょうか。

 DXiなど手持ちのいくつかのアプリで再現し、またiOS 11.1で修正されているので、Apple側のバグではないかと思っております。

 ファイルのやりとりはFilesを使ってiPhone/iPadで完結できるようになったのは、なかなか便利です。音関係については、私自身はDAWはあまりやらないもので、よくわからないのが正直なところです。

 ただコントロールセンターは音の出力先の選択機能が使いにくくなりました。以前はコントロールセンターを表示した後に左にスワイプさせれば、音の出力先が「このiPad」「Bluetoothスピーカー」「AirPlayサーバー」から選べ、また一度こちらを表示させるとコントロールセンターを開いたときにまた表示された(下からスワイプ→選択の2ステップ)のですが、iOS 11ではコントロールセンターを表示させ、音楽再生パネルを長押しした後、右上のアイコンを押し出力先を選ぶという、長押しを含む4ステップが必要となり、煩わしいです。

(雲英亮太氏のコメント)

 以上のとおり、開発者サイドから見ても、画面が欠けていることや、サイズが変わったこと以外、大きな変化があったわけではなさそうだ。

 次にUSB DACやオーディオインターフェイス、MIDIキーボードなどをいくつか接続して試してみた結果をお伝えする。直接Lightningケーブルで接続可能なTASCAMのiXRやIK MultimediaのiRigKEYS、またLightning端子に直接接続可能なマイク、ShureのMV88などは、問題なく使うことができた。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック TASCAM「iXR」
TASCAM「iXR」
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック IK Multimedia「iRigKEYS」
IK Multimedia「iRigKEYS」
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック Shure「MV88」
Shure「MV88」

 Lightning-USBカメラアダプタを経由して接続する必要があるSteinbergのUR22mkII、MiDiPLUSのSTUDIO m、RolandのRubix 24などを試してみたが、何の問題もなく使うことができた。IK Multimediaによると「iOS 11.0xにて、10回に2回くらいLightning接続されたAudio/MIDIデバイスを認識しないことがあるという症例があった」とのことだが、iOS 11.1以降は解決しているとのこと。また現行のiOS 11.2でも問題はなさそうだ。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック MiDiPLUS「STUDIO m」
MiDiPLUS「STUDIO m」

iPhone Xのオーディオ性能をテスト

 最後にiPhone Xのアナログ性能に関するオーディオ性能チェックだ。そもそもiPhone 7からアナログ出力がなくなっているのに、どうやってチェックするのかというところだが、1年前のiPhone 7が発売されたときと同じテストを行なってみる。

 まず48bit/24kHzのWAVフォーマットにおける1kHz/-3dBのサイン波と20Hz~20kHzのスウィープ信号をiPhone Xに転送しておく。そして、iPhone Xには付属のLightningをステレオミニに変換するアダプタを経由し、PCのオーディオインターフェイスのアナログ入力へと接続する。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック iPhone Xに付属するLightning-ステレオミニ変換アダプタ
iPhone Xに付属するLightning-ステレオミニ変換アダプタ
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック オーディオインターフェイスのステレオミニ端子にiPhone Xを接続
オーディオインターフェイスのステレオミニ端子にiPhone Xを接続

 ここでは前回と同じくSteinbergのUR22mkIIに接続した。ただし、iPhone X側の出力はヘッドフォン出力であって、最大音量にしてもラインレベルには達しないため、UR22mkII側ため、UR22mkII側のプリアンプで少し増幅する。本来は-3dBまで持ち上げるべきところだとは思うが、プリアンプによる音質変化の影響を少しでも減らすため、前回同様-6dBとしておく。ここではWaveLabの新バージョン、WaveLab Pro 9.5を使って録音してみた。この設定で、iPhone 7およびiPhone Xのサイン波およびスウィープ信号を分析した結果が以下のものだ。

iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック WaveLab Pro 9.5を使って録音
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック WaveLab Pro 9.5を使って録音
WaveLab Pro 9.5を使って録音
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック サイン波(iPhone 7)
サイン波(iPhone 7)
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック サイン波(iPhone X)
サイン波(iPhone X)
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック スウィープ信号(iPhone 7)
スウィープ信号(iPhone 7)
iPhone XでこれまでのDTMアプリ/機器は使える? オーディオ性能もチェック スウィープ信号(iPhone X)
スウィープ信号(iPhone X)

 まあ、これはiPhone Xの性能チェックというよりも、単にLightning-ステレオミニ変換アダプタの性能チェックということなのかもしれないが、結果はiPhone 7とほとんど変わらないというものだった。ただ、細かく数値を見てみると、iPhone XのほうがS/Nが微妙に悪かったり、低域が出ていないという結果が見て取れるのだが、これは計測誤差だろうと見ている。

 以上、iPhone Xのオーディオ性能やDTM機能について、ざっくりとチェックしてみた。UIの違いはともかくとして、音の面ではほぼ変わっていないと捉えていいと思う。ただし、32bit版アプリを今後も使い続けたいという人はiOS 10に留めておかないと使えなくなるので、そこだけは要注意である。

藤本健

 リクルートに15年勤務した後、2004年に有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。  著書に「コンプリートDTMガイドブック」(リットーミュージック)、「できる初音ミク&鏡音リン・レン 」(インプレスジャパン)、「MASTER OF SONAR」(BNN新社)などがある。またブログ型ニュースサイトDTMステーションを運営するほか、All AboutではDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも務めている。Twitterは@kenfujimoto