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サラウンドの革新、最強ヘッドフォン。山之内正×本田雅一【'18年末音響編】

間もなく終わる2018年も、様々なオーディオ&ビジュアル機器が登場した。今年のトレンドや製品選びなどについて、オーディオビジュアル評論家の山之内 正氏と本田雅一氏が語り合う対談。前回のビジュアル編(テレビやUHD BDプレーヤーなど)に続き、今回はオーディオ編としてAVアンプやピュアオーディオ、ヘッドフォンなどをテーマに、2人が注目した動向と製品をピックアップする。

山之内 正氏(右)、本田雅一氏(左)

AVアンプ、レコードプレーヤー注目機。復活Neo Classicoの実力は?

――AVアンプは、ヤマハから久々にセパレート型のA5200シリーズが登場しました。

山之内:AVアンプの場合、プリとパワーでモデルチェンジのサイクルが変わるのが普通だけど、今回は同時に切り替わりましたね。プリのCX-A5200、パワーのMX-A5200どちらも本質的な音質改善を狙っていて、どちらかというと地味なモデルチェンジと言えなくもない。とは言ってもCX-A5200はDACも電源も大幅に強化されたし、剛性も上がっていて、確実に音に効くアプローチで追い込んでいます。MX-A5200も堅固な作りを強化したりグラウンド見直すなど、ほとんどピュアオーディオの正統的音質改善策を柱にしてリファインしました。今回のモデルチェンジの内容はオーディオに詳しい人ほど納得する部分が多いと思いますよ。

山之内 正氏

本田:前モデルのCX-A5100は僕も使っているのですが、その際はパワーアンプが更新されずMX-A5000が継続していました。このパワーアンプの回路設計は一体型AVアンプのZ7向けに開発されたものが元になっていたのですが、今回は再設計で一新されましたね。新モデルのCX-A5200は地に足が付いた、しっかりと芯の強い音です。DACの世代が上がったことで、明らかに情報量が増え、S/Nの改善で空間の表現力が高まっています。セパレートで導入するならば、コレという決定版ですね。

左下が11chパワーアンプ「MX-A5200」、右上が11.2ch AVプリアンプ「CX-A5200」

山之内:SURROUND:AIの使い勝手の良さというか、モードの選択に悩まされずに作品に没頭できる良さも評価できるけど、やっぱり今回のリファインは瞬発力の強さや空間の見通しの良さなど、ストレートデコードでの音の素性の良さに注目したいですね。

本田:現世代のYPAO(音場補正)機能はとても優れているのと、内部演算精度が極めて高いこともあって個人的には音場補正をあえて入れた上でのストレートでコードを試して欲しいですね。SURROUND:AIは納得の動作なのですが、システムの完成度が高いため素の良さを感じて欲しいところです。低価格帯では、デノンのX2500Hがよくできています。X8500Hに端を発したシリーズは、どれも音が上手に作られていて、X6500H、X4500Hといずれも骨格のしっかりした音を出します。低価格モデルはコストをかけられない分、チューニングの力量が試されるジャンル。そうした意味で、これからAVアンプをと思っているならX2500Hはいい選択肢ですね。

本田雅一氏

ピックアップ製品(山之内)

ヤマハ CX-A5200/MX-A5200
セパレート型はスペースに制約されずに音質を吟味できるメリットが大きく、セパレーションの改善やノイズ対策の点でも有利になる。今回は剛性強化や電源対策などアナログ的手法を中心にプリとパワーをそれぞれブラッシュアップし、著しい成果を上げた。瞬発力が強く、反応の良い低音はSACDのマルチチャンネル再生など音楽ソースではっきり聴き取れる。

ピックアップ製品(本田)

デノン AVR-X2500H
春の記事でも取り上げたAVR-X8500Hは、パワーアンプ一体型としては過去最高とも言える躍動感と繊細さを兼ね備えた、高いオーディオ品質の製品だった。オーディオ製品はチューニングによって、製品の最終的な質感がまとめられることを改めて感じさせられた秀作だが、AVR-X2500Hはおよそ9万円という低価格に、そのデノンAVアンプが持つ魂を封入した製品である。
AVR-X2500H
音質と価格のバランスで言えば、中上位モデルのAVR-X6500Hは最上位に迫る品位を実現しており、中核機のAVR-X4500Hは価格に帯するパフォーマンスで目を見張る出来だ。今年のデノン製AVアンプは過去最高とも言える豊作だが、その中でも本機を選んだのはこれからサラウンドシステムを構築したいエントリーユーザーが、比較的気軽に投資できるギリギリのコストで、音の良さ、逞しくパワフルな音場を体験できる質をひきだしていることだ。“これから始めたい”なら、この製品をスタート地点と定めることを勧めたい。
ヤマハ A5200シリーズ
実は筆者はCX-A5100ユーザーだが、あの世代ではパワーアンプは更新されずCX-A5000を導入。フロント2チャンネル分のスピーカーとセンタースピーカーは、LINN製の別アンプでスピーカーを駆動していた。今回、AVプリアンプとなるCX-A5200もSURROUND:AI導入や内蔵DACの更新などで音質向上を果たしているが、もっとも変化しているのはパワーアンプ。実にエネルギッシュで躍動感あるサウンドを聴かせる。セパレート型AVアンプは、プリ部だけを利用してパワーアンプは自分好みの製品を使うことも多いのだが、CX-A5200はアンプのアサイン自由度が高く、またコード一本で電源が連動するという使いやすさもある。

――ピュアオーディオの新製品も秋から冬にかけてたくさん出てきました。

山之内:カジュアルなものと超高級機の二極化は相変わらずですが、2018年後半、数は少ないものの中級機に良い製品が出てきましたね。マランツのSA-12、PM-12など30万円前後の製品はその代表的な例です。レコードプレーヤーではラックスマンのPD-151が同じ価格帯です。

SA-12

本田:ハイエンド製品は、あまりにも価格が高い方向に行きすぎていて、真ん中がなくてカジュアルな製品という構造のため、高品位なオーディオの良さに気軽に接する機会が少なくなっていますから、国産オーディオメーカーに期待したいですね。日本の場合、ロスレス系の音楽配信が海外に比べると弱いこともあって、アナログ回帰の流れはうまくオーディオに興味を持ってくれている人たちに伝わってほしい。

――ターンテーブルは以前に比べると数が増えました。

山之内:少し増えすぎて、供給が需要を上回っているかもしれませんね。先日もイベント中に某社のブースで「普段レコード聴いている人どのぐらいいますか?」と訊ねたら数人しか手を挙げなかった。若い世代も含めて、レコードを聴く人の絶対数はそんなに多くはないんです。それだけに今後増える余地が大きいとも言えるけどね。

一方でレコードでなければ聴けない音もあるので、せっかく聴くなら良い音で楽しんで欲しいとは思います。カートリッジの使いこなしや聴き比べにも踏み込んで本格的に取り組むなら、テクニクスのSL-1200GやラックスマンのPD-151を選んでおけば間違いないでしょう。

本田:僕は今年51歳ですが、オーディオ経験をアナログでスタートさせている最初の世代だと思います。それからすぐにCDへと移り変わっていきましたが、子どもながらに”なんかちょっと違和感を覚えるな“と思っていました。そんな原体験を持つ世代ですから、アナログ回帰というのはある意味自然に受け入れられる。カルチャーやファッションでアナログ方向に向かった流れも一部にはありましたが、デジタルネイティブの世代が手軽にアナログに接する機械が増えるといいですね。そうした意味ではエリプソンのOMEGA 100シリーズはスタート地点としていいんじゃないかなぁ。カーボン素材を使ったOMEGA 100 Carbonなら、アナログの良さをしっかりと感じられる筈です。もう少し予算を出せるならテクニクスSL-1200GR。いろんな部分でコストダウンされていますが、そのやり方がとても上手。しっかりと上位モデルの魂を受け継いでいます。

山之内:ディスクプレーヤーとプリメインアンプを組み合わせたラックスマンの「ネオクラシコ(Neo Classico)」がリニューアルされたことも話題になっています。実際に聴いてみると、たんなるリバイバルではなく、10年分の進化を遂げていることがわかりました。発音とアタックがスムーズで音色になめらかさがあり、ここぞというときの押し出しの強さもあります。良質なフォノイコライザーアンプを積んでいるので、同じラックスマンのPD-151など、中級以上のターンテーブルと組み合わせてレコードを楽しむのもいいですね。

ラックスマン Neo Classico

ピックアップ製品(山之内)

マランツ SA-12
フラッグシップ機SA-10と同様に自社開発のディスクリートDACを採用したCD/SACDプレーヤー。DACを中心にしたアナログオーディオ回路は再生音を左右する最重要部分だけに、自社のノウハウを制約なく投入できる独自設計のDACはハイエンドオーディオの新たな潮流になっている。マランツはPCM信号もDSDに変換し、DAC後段の処理をシンプルにして高音質を確保する手法を選んでおり、強調感のない自然な再生音を獲得した。
ラックスマン PD-151
新規に開発したブラシレスDCモーターを採用したベルトドライブ方式のターンテーブルである。ラックスマンのターンテーブルはPD-171Aに至る系譜がおなじみだが、PD-151はそこから基本設計を受け継ぎつつ低価格化を図ったもの。基本性能と音質はPD-171Aにほぼ遜色なく、本格的にレコード再生を楽しみたい音楽ファンにも安心して薦められる。
ラックスマン Neo Classico 2(SQ-N150/D-N150)
ネオクラシコシリーズが11年ぶりに復活し、ラックスマンらしい上質でウォームなサウンドが蘇った。JJ製の真空管は安定度が高く、以前に増して安心して使えるようになったという。優れた音色を引き出すフォノイコライザー回路を内蔵するのでレコード派にもお薦め。

組み合わせの楽しみが広がるスピーカーやネットワークオーディオ

――CDプレーヤーやアンプに比べるとスピーカーは選択肢が広いですね。

山之内:特に海外ブランドはコストパフォーマンスの良い製品が多くて、2018年はB&Wの600シリーズやDALIのOBERONシリーズなど、強力な新製品が登場しました。どちらもハイファイスピーカーならではの質感の高い音が楽しめるし、価格が手頃なのでホームシアター用に複数購入する場合も有力な候補になるでしょう。

さらに予算を投じればELACのVELAシリーズやPIEGAのPremiumシリーズなど、独自方式のトゥイーターを積むグレードの高いスピーカーも選択肢に加わります。そのクラスになると音の表現に深みが出るし、デザインにもブランドの明確な個性が現れるので、選ぶのが楽しくなるでしょう。長く使うなら候補に入れておきたい製品群ですね。国内ブランドにもクリプトンのKX-3 Spiritなど優れたスピーカーが登場しましたが、デザインが面白みに欠けるのは個人的には残念に思いますね。

B&W 600シリーズ

DALI OBERONシリーズ

本田:ホームシアター用として考えると、どうしてもセンタースピーカーに悩みが出てくるものですが、サラウンド構築も意識したソナス・ファベールのSonettoシリーズが、オーディオ的なパフォーマンスと価格などの面で注目しています。センタースピーカーのパフォーマンスを試していませんが、Venereのセンターよりもボリューム感のある設計でSonetto IIIやVIIIと組み合わせても違和感なくフィットしてくれそうです。工芸品のようなデザインと仕上げは、さすがソナス・ファベールという趣ですしね。

Sonettoシリーズ

本田:デジタル系ではリン(LINN)のSELEKT DSMシリーズに注目しています。この製品はオーディオコントローラーとネットワークオーディオプレーヤー、USB DACなどの機能を内包している上、内蔵DACを2種類から選択でき、D級アンプを内蔵することも可能など、システム構成が極めて柔軟。新世代DACモジュールのKATALYSTを搭載することもできます。アンプもプレーヤーも内蔵して、しかもあそこまで音の良いDACを積んで、フルフルのオプションでも従来のAKURATEクラスの価格。内蔵のD級アンプもかなり出来がいい。今後、リンのリファレンスとしてIC/ディスクリートのハイブリッド設計だったアナログアンプを置き換えていくのでは。

山之内:プレーヤーとアンプが入って上位のDACを積んでいることを考えたら価格にも納得がいきますね。SELEKT DSMのようなデジタルのコンポーネントにこれほど柔軟なモジュール設計を導入した例は珍しいです。DACのグレードやアンプの内蔵/非内蔵を選べるだけでなく、HDMI端子やアンプのチャンネル数まで増やすことも視野に入れています。SELEKT DSMはMAJIKとAKURATEの間を埋めるという説明があったけど、たんなるラインナップの補完以上の存在になる予感がしますね。操作系の新しい提案も便利に使えそうです。

LINN SELEKT DSMシリーズ

本田:KATALYST+内蔵アンプの組み合わせだと、ちょうどAKURATE DSMと同じぐらいの価格なので”間に入る”ということでしょうが、実際には品位で言えばMAJIKよりも遙かにAKURATEに近い。将来は2チャンネルのオーディオボードを2枚足して6チャンネル構成にした上で、HDMIボードの追加でAVアンプのようにも使える。さらにはアナログ入力を用いてユニティゲインを活用すれば、手持ちのAVアンプ中心システムのオーディオ品位をアップグレードすることもできます。あるいはヘッドフォンアンプモジュールの計画もあるとのこと。AVサラウンドシステムのアップグレードを検討している人は、SELEKT DSMをベースに少しずつ建て増していくのもいいのでは。

山之内:デジタル音源を一台でこなすカクテルオーディオのマルチメディアプレーヤーも使い勝手が良いので推薦します。NASから読み出すネットワーク再生だけでなく、CDをリッピングして内蔵ストレージに保存したり、ストリーミングサービスを聴いたりと、ほぼ万能で、アンプ内蔵モデルならスピーカーつなぐだけでOKです。手頃な価格の製品からフラッグシップのX45Proまで価格レンジが広く、DACを内蔵しないトランスポート仕様やプレーヤー仕様など、機能の有無で最適な製品を選べる選択肢の広さも見逃せませんね。

ピックアップ製品(山之内)

B&W 600シリーズ
800D3シリーズからスタートしたB&Wの技術革新がエントリークラスにも導入され、コンティニュアムコーンを採用した600シリーズが誕生。フロア型は603のみで605と607はブックシェルフ型。いずれも上級機譲りの澄んだ見通しの良いサウンドにまとめており、コストパフォーマンスの高さが際立つ。
DALI OBERONシリーズ
根強い人気があったZENSORシリーズが完了し、新たにOBERON(オベロン)シリーズが誕生。DALIが開発したSMC技術は低音ユニットの歪改善に大きな効果を発揮するが、このクラスのスピーカーにはこれまで採用していなかった。今回初めてSMCマグネットシステムをウーファーに導入し、反応が良く質感の高い低音に生まれ変わっている。
LINN SELEKTシリーズ
リンは創立時に発売したターンテーブルLP12をいまも継続販売する息の長い製品ライフが有名だが、それを支えているのがモジュール設計の思想である。技術の進化に応じて必要な箇所だけアップグレードしたり、用途に合わせて複数の構成を用意するなど、柔軟な設計ができるメリットが大きい。現時点でDACのグレード違いとアンプの有無で4タイプを用意するが、現在複数のオプション基板を開発中とされ、用途がさらに広がる見込み。カスタマイズ可能な6個の操作ボタンなど、本体の操作系を充実させるのはリンの製品としては珍しい手法だが、使い勝手は良好だ。
カクテルオーディオ(Cocktail Audio) X45Pro
ハイレゾオーディオはパソコンとUSB DACの組み合わせが一番手軽な再生方法だが、使い勝手と音質を追求するとネットワークプレーヤーに行き着く。その発想をさらに突き詰めたのがカクテルオーディオのマルチメディアプレーヤーで、最上位機種の本機もストレージ用スロットにドライブを組み込めばサーバー兼プレーヤーとしても動作する。CDリッピングやMQA対応USB DACなど付加機能がたくさんあるので、本機が一台あればファイル音源の管理から再生まで幅広くこなせる。
X45Pro

ピックアップ製品(本田)

LINN SELEKT DSMシリーズ
デジタル/アナログを統合したネットワークオーディオプレーヤー機能内包のオーディオコントロールユニットであるDSMを多様な形でカスタマイズできるよう柔軟性の高いプラットフォームにまとめたのがSEKEKT。今後、HDMI拡張ボードでサラウンドデコードに対応予定な他、3つある出力ボードスロットにはヘッドフォンアンプのラインナップも追加予定という。LINN製品としては、はじめてUSB Type-B端子入力を備えてUSB DACとしても利用可能となった。現在のラインナップはD/Aコンバータのグレード(通常版とKatalyst版、22万円差)、アナログライン出力版とD級アンプ内蔵スピーカー出力版(20万円差)がある。内蔵アンプは揺るぎない低音から伸びやかな高域まで、実に高い透明度を感じさせる見通しの良い音場。今後、LINN製品のリファレンスとなるだろうパワーアンプだ。アナログ入力とユニティゲイン機能を組み合わせれば、AVアンプと組み合わせて利用可能。その後、出力ボードを活用すればマルチチャンネルにも展開可能だ。5.1チャンネルまでのハイエンドシステムは、まるごとの入れ換えではなくSELEKT DSMを基礎に段階的なアップグレードを検討してもいいだろう。たとえ途中で気が変わったとしても、柔軟に対応できる。それがSELEKT DSMシリーズの良さだ。
エリプソン(elipson) Omega 100 Carbon
グローバルでアナログ盤の復権が進んでいるのは、オーディオファンならご存知の通り。しかしアナログ盤の良さは体感せねば、なかなか理解できないものも事実。エリプソンのアナログディスクプレーヤーは、シンプルなベルト駆動のエントリーモデルだが、最上位となるカーボン素材を投入した新製品が登場。カーボン製サブシャシーにカーボン製トーンアーム、オルトフォン製MMカートリッジを採用し、サクッと組み立てて手軽にデザイン製に優れたプレーヤーを組み立てられる手軽さ。フォノイコライザー付きオーディオコントローラー、プリアンプなどがあれば、アナログならではの音質を手軽に楽しめる。デザイン製と音質のバランスが良い1台。
Technics SL-1200GR
パナソニックのオーディオブランドであるテクニクスが今年残した目を見張る成果と言えば、なんといってもSL-1000R。目を見張るそのサウンドは、とりわけ欧州におけるテクニクスの地位、存在感を押し上げ、他のアナログオーディオプレーヤー関連ブランドの価値まで高めた。是非ともオーディオショップなどで体験して欲しいものだが、160万円という価格では手軽に飛び込めないのもまた事実だろう。新製品ではないが、SL-1200GRを推薦するのは、価格を抑えながらも上位モデルであるSL-1200Gの持つ良さが引き継がれていることだ。コスト削減の様々な工夫が施されている一方、音質差は価格差ほどではない。高音質を求めるテクニクスのDNAと、購入しやすい価格を実現することでより幅広いユーザーに愉しんで欲しいパナソニックのDNAが交わった製品こそが、SL-1200GRと言えよう。

“最強ヘッドフォン”は? ヘッドフォンアンプやポータブルプレーヤー

――ポータブル製品のトレンドはどうみていますか?

本田:ひとつのキーワードは“ワイヤレス”ですね。Shureが自社製イヤフォンをワイヤレス化するRMCE-BT1の高品位バージョン「RMCE-BT2」を発売したように、ワイヤレス化にどう対応するかはひとつのテーマだと思います。アップルがiPhone 7以降で3.5mmのイヤフォン端子を廃止して以来、Android端末を作る各社も相次いで廃止してしまっていますからね。

そうした中で、ソニーのウォークマンが過去製品のアップデートから新しいベーシックモデルのNW-A50シリーズも含め、Bluetoothレシーバーの機能を搭載したのは注目です。ZX300は優れた製品ですが、ストリーミング系音楽サービスに対応できないのが難点でした。しかし、Bluetooth経由でスマートフォンと繋がると使い方の幅が拡がります。しかし、ソニーと言えばやはりなんといっても、WH-1000XM3の劇的な能力向上はビックリですね。

ウォークマンNW-A50シリーズ

山之内:私はノイズキャンセリングヘッドフォンとしてWH-1000XM2を使っているのですが、僅か1年でここまで進化したかと、少しショックを受けています。1000XM3はこれまで取り切れなかったノイズにも効くようになりましたね。他社のノイキャン技術も進化しているけど、いまのところ最強と言っていいでしょう。

WH-1000XM3

本田:人の声の帯域までしっかりとノイズを低減してくれます。先日、実家に戻って何人も人が集まっている中で仕事をしなきゃいけなかったんですが、1000XM3を使ってうっすらと静かめの音楽を流しておくと、それだけで周囲から隔絶されて仕事に集中できる。これは凄いですよ。従来のノイズキャンセリングヘッドフォンは、主に飛行機内での効果に特化している印象でしたが、この製品は電車移動、カフェなど人の声がないまぜになった空間で効果的に機能してくれます。

――ヘッドフォンはホームオーディオでも人気があります。

山之内:ホームユースのヘッドフォンにも良い製品がたくさん出ていますが、特に好印象だった製品を2つ推薦しておきましょう。まずはドイツのUltrasone(ウルトラゾーン)から登場したEdition 11。同シリーズでは珍しいオープン型で、振動板もメタル系ではなくバイオセルロースを使っていて、これまでのウルトラゾーンのヘッドフォンとは音の傾向が変わりました。低音は力強く厚みがあり、中高音には木質の柔らかさがあるので、長い時間聴いていてもストレスを感じませんね。

Edition 11

もう1つはスタックスのSR-009Sです。フラッグシップのSR-009をベースに固定電極など心臓部の形状や仕上げ精度を改善し、スタックスの静電型イヤースピーカーの良さをさらに洗練させることに成功しました。ドライバーユニットと併せるとかなり高価な製品とはいえ、他のヘッドフォンでは聴けない上質なサウンドが味わえます。一度でも聴くとずっと忘れられずに魅せられてしまう。そんな極上の音を経験できる数少ないヘッドフォンの一つですね。どちらも分析的でクールな音ではなく、音楽との距離感が近いことも強調しておきたいポイントです。

スタックスのSR-009S

――ヘッドフォンアンプの注目モデルはありますか?

本田:ポータブル系ではCHORDの独壇場ですね。昨年発売されたHugo2はこのジャンルの定番でしょう。もともと優れた製品ではありましたが、アップデートでさらにアナログ的なS/N感の良さ、情感溢れる音場と躍動感溢れる瞬発力。据え置き型としても使いたいほどのポータブルアンプです。デジタルフィルタを独自にFPGAで組んで使っているのですが、近い将来、Mojoのバージョン2にも期待したいですね。

CHORD Hugo2

あとは春にも紹介したBrooklyn DAC+ですね。MQAデコーダも搭載でインターフェイスも豊富。単体のDACとしても優れていますが、ふたつのフォーン端子を使った完全バランス構成のヘッドフォンアンプとしても使えます。電源まわりや筐体の違いもあって、音質は上位のManhattan DAC IIには及びませんが、その差は価格差よりも遙かに小さい。お得感ありますよ。

Brooklyn DAC+

山之内:Edition 11と組み合わせて聴いたイタリアのPATHOS(パトス)は一目置くべきブランドですよ。ヘッドフォンアンプは上位機種のInpol Earと普及クラスのAuriumどちらも真空管とトランジスターのハイブリッド式で、アンプ回路はピュアクラスA。余分な演出は加えなくても躍動感が自然に伝わるサウンドには感心させられました。このブランドはアンプ技術に優れたセンスが感じられたので、プリメインアンプをスピーカーと組み合わせてじっくり聴いてみたいですね。

PATHOS Inpol Ear

山之内:ヘッドフォンアンプというよりデジタルミュージックプレーヤーですが、バッテリー駆動のメリットを追求したソニーのDMP-Z1はいろいろな意味で話題を提供する製品ですね。ソニー製品なのに独自のデジタルアンプ技術「S-Master」をあえて使わず、アナログアンプを採用したり、音の変化を楽しむバリエーションとしてLPレコード再生時の音響効果を加味するバイナルプロセッサーを積むなど、デジタル技術とアナログ技術の組み合わせ方がこれまで以上に立体的になっていることも面白い。AKMのAK4497EQをデュアル構成で使ったり、アルプス電気の最上級4連ボリュームを載せるなど、本当にコスト度外視で作ったのではと思わせる贅沢さも目を引きます。アルミ無垢材からH型シャーシを削り出すなんて、ちょっとやり過ぎかな。ヘッドフォンアンプでここまでやるのは海外のハイエンドブランドでも躊躇する(笑)。

本田:あの製品は、良い意味で“ちょっとやり過ぎ”。おもわず苦笑いしそうな、やり過ぎ感満載な製品ですが、開発者たちは嬉々として”自分が欲しい”製品として開発に取り組んでいる。今のソニーの良い側面がうまく出た製品とは言えますね。しかし、こういうやり過ぎ感、言い換えると“やり切り感”がブランドには好影響を与えていて、とりわけ中国市場ではソニーのブランドが上昇していますから、決して無駄ではない。消費者としても、こういう突きつめた製品でエンジニアが経験値を高めれば、いつか自分が買える製品の品質向上につながるとい意味で意義はあります。

ソニーDMP-Z1

山之内:メリディアンの218はプリアンプ機能を載せたD/Aコンバーターですが、MQAを聴くための製品としても重要な役割を担います。手持ちのCDプレーヤーを218にデジタルでつなぐだけでMQA-CDのフルデコード再生ができるので、ユニバーサルミュージックのハイレゾCDを手軽に楽しみたい音楽ファンから歓迎されるでしょう。Roon対応なのでもちろんネットワーク経由でMQAファイルも再生できるし、DSDも聴ける。メリディアンの製品としては価格が手頃なのも嬉しいポイントですね。

ピックアップ製品(山之内)

Ultrasone(ウルトラゾーン) Edition 11
EditionはUltrasoneのフラッグシップに相当する重要なシリーズで、歴代モデルはいずれも高い評価を獲得してきた。今回は開放型で振動板素材をバイオセルロースに変更するなど同社としては新しい手法で取り組み、期待を上回る成果を上げた。反応の良さを維持しつつ低音の厚みと力強さを獲得するなど、ジャンルを問わずに躍動感豊かなサウンドを楽しめるヘッドフォンに仕上がった。1,111台限定生産。
スタックス SR-009S
イヤースピーカーの最高峰として君臨してきたSR-009の固定電極構造にメスを入れ、形状と仕上げ加工を見直すなど本質的なブラッシュアップを図った注目作。音質に直結するパーツの変更だけに効果は著しく、これまで以上にスムーズでストレスのない再生音を実現した。クラシックファンにまずはお薦めするが、パルシブな低音も克明に再現する表現力はジャンルを問わずに本領を発揮する。
ソニー DMP-Z1
出力先をヘッドフォンに限定すればデジタルプレーヤーとアンプを一体化するメリットが大きく、バッテリー駆動も視野に入る。その発想を突き詰めて徹底的に音を追い込んだプレーヤーがソニーから登場した。ウォークマンの設計陣は同社のなかでも音へのこだわりの強さが際立っているが、そのこだわりが生んだ集大成ともいうべき製品だ。目を引く4連ボリューム以外にも高品位なDAC、デジタルとアナログを独立させたバッテリーなど贅沢なパーツが満載。完全バランス設計のアンプはハイインピーダンス型のヘッドフォンも余裕で駆動する。
Meridian(メリディアン) 218
「ハイレゾCD」に代表されるMQA-CDの人気が高まっているが、フルデコードに対応するCDプレーヤーが少なく、再生環境の構築が待たれていた。そんな期待を受けて登場したメリディアンの218はCDプレーヤーのデジタル出力(同軸/光)を接続するだけでMQA-CDのハイレゾ再生ができるD/Aコンバーターで、プリアンプも内蔵。同ブランドの製品としては入手しやすい価格にも注目したい。
メリディアン 218

ピックアップ製品(本田)

CHORD Hugo2
ポータブルのDAC内蔵ヘッドフォンアンプとしては、同社のMojoがコストパフォーマンスという点でいまだに最高峰であり続けている。そのエネルギッシュで感情を揺るがす”熱い”音は、価格を考慮に入れるならば今でもいちばんのオススメなのだが、そんなMojoが次の世代の製品として生まれ変わってくれるかも? という期待を抱かせるのがHugo2だ。Mojoはいまだにポータブルというジャンルの金字塔ではあるが、昨年登場したら上位製品のHugo2では最新のFPGA(処理ロジックをプログラムで変更できるLSI)を用いてデジタルフィルタやD/A変換ロジックを組んでいる。ポータブルのDAC内蔵ヘッドフォンアンプとしてはダントツの独走態勢。
MYTEK Digital Brooklyn DAC+
上位にはManhattan DAC IIが存在し、確かにすばらしい音質なのだが、音質差と汎用性(機能の多さ)を考えるとBrooklyn DACのコストパフォーマンスは極めて高い。ES9028PRO採用、MQAデコードにも対応するなど万能性が高く、さらにバランス駆動にも対応するヘッドフォンアンプとしても使える。と、このように表現すれば、単なる万能機と思われがちだが、30万円クラスのD/Aコンバーターとして単機能でも通用する品質だ。

――イヤフォンも数多くのモデルが登場しました

本田:イヤーモニターは、ハイエンドにはカスタムIEMの世界があって、そこは別格。さらにユニバーサルフィット(イヤーピースで装着するモデル)も数多くのブランドが群雄割拠。それぞれに個性もあって絞り込みが難しいのですが、個人的にはビクターブランドのHA-FW10000にはちょっと驚きました。木製ダイアフラム(振動板)のWOODシリーズ最新作ですが、丁寧に仕上げられた外装以上に音がいい。空間表現力の高さに驚かされました。MMCXなので好みのケーブルに交換もできますし、バランスドアーマチュアとは異なる、ワイドレンジ再生が可能なダイナミックドライバならではの音を愉しんで欲しいですね。

HA-FW10000

あとはノーブルオーディオのEDC Bell。こちらもダイナミックドライバなのですが、ドライバ径を大きくするのではなく、あえて5.8mmを採用した上で有効ストロークが長い特殊なダンパー構造を持つ専用ドライバを使っています。繊細さとエアボリュームの大きさ両方のいいとこ取り。価格も2万円台と買いやすいですね。

もう少し視野を広げると、前述したワイヤレス化の流れの中で、用途ごとに特化した製品が増えてきました。たとえばロジクールのスポーツ用イヤフォンブランドJaybirdのTarah Proですが、ランニングやトレーニングに特化していて、実際に使ってみるととても具合がいい。汗をかいても丸洗いできる防水性など、徹底したスポーツ特化モデルですが、実は音質も結構うまくまとめられていました。

同様にソニーもWF-SP900という、待望の水泳にも使える防水モデルが登場しています。左右独立型なのですが、Bluetoothでは水泳時に電波が届かないため、プレーヤー機能も内蔵しているところが大きな違い。水泳は同じ風景を見ながらひたすら往復するので、あまり長時間になると苦痛だったりしますが、音楽があればかなり負担軽減ができる。もちろんランニングでも軽量で使いやすいですよ。左右独立型の弱点にバッテリ持続時間がありますが、プレーヤーモードならば6時間稼働しますからね。

ピックアップ製品(本田)

ソニー WH-1000XM3
新規設計のQN-1チップによるノイズキャンセリング能力は想像以上。声の帯域を含む比較的高い周波数帯にまでノイズ低減効果が拡がっていることもあり、たとえば同じ部屋で家族がテレビを観ながら談笑していても、ゆったりと低音量で音楽を出しておけば、周囲を気にせずに自分の仕事に集中できる。しかも、周囲の音を適度に取り込んで会話を可能にするアンビエントモード、ノイズキャンセリング機能オフなどモードを変えても音質が変化せず、そもそもの音質もバランスよく、ワイヤレスでもワイヤードでも大きな音質差がない。ノイズキャンセリング機能を持つヘッドフォンは多いが、今のところ能力、機能、質ともに圧倒的なナンバーワン。1000Xシリーズはこれで3代目で、前モデルの流通在庫も安価に販売されているようだが、前モデルに手を出すべきではない。
Shure RMCE-BT2
iPhone 7以降で3.5mmのステレオミニ端子が廃止され、他メーカーもそれに追従している中、ワイヤードの高音質イヤフォンは行き場をなくしている状況だ。そこでShureが投入したのがMCCX端子(アンテナなどに用いられる回転可能な高信頼性の接続端子、Shureほか数社がイヤフォンとコードの接続部に使っている)でイヤードライバー部を接続できるBluetoothオーディオレシーバーが本機。同種の製品は他社からも提供されていたほか、Shureからも発売されていたが、本機はaptX、aptX HDといった高音質コーデックに対応するほか、内蔵するDAC/アンプも強化。エネルギッシュなサウンドは、同社製イヤーモニターの上位モデルユーザーも納得させる説得力がある。SE846クラスでも使えるだけに、ShureのMMCXケーブルと互換性があるイヤーモニターのオーナーも(互換性保証はされていないものの)注目だ。
Shure RMCE-BT2
ソニー NW-ZX300
10万円を切るクラスのデジタルオーディプレーヤー(DAP)は、Astell&KernのA&norma SR15が、ユーザーインターフェイスと音質を磨き上げてきたが、ZX300を推薦する理由は10月のアップデートでBluetoothオーディオレシーバとしての機能を追加したことによる。同様のアップデートはフラッグシップのNW-WM1A/WM1Zにも施されており、よりカジュアルなNW-A55にも搭載。高級DAPのひとつの弱点として、加入型ストリーミングオーディオの対応があり、たとえばFiiOなどはAndoridアプリをダウンロードして使うことで対応可能だが、その場合はオーディオ出力の経路が変わるため音質が落ちてしまう。もろもろの制約や使い方を考えた場合、ストリーミング対応には弱いウォークマンではあるものの、Bluetoothレシーバとしての音質が極めて良好であったことから、1年前の機種だがZX300を推薦する。硬軟を丁寧に描き分けるZX300の音は、WM1AよりもWM1Zのテイストに近い。その完成度は4.4mmバランス出力端子の良さ(剛性が高く音質面でも有利)もあって、トータルのユーザー体験、6万円台で購入できる価格など入門用に最適の1台。モバイル端末からイヤフォン端子が無くなっていく中、同様の機能は今後、他メーカーにも拡がっていくだろう。
Jaybird Tarah Pro
昨年はスポーツ向けワイヤレスイヤフォンにも左右独立型が流行した。今年も水泳に対応した軽量タイプのソニーWH-SP900などが話題だが、スポーツ用に特化した展開をするロジクールのブランドJaybirdは今年、あえて左右独立ではないTarah、およびTarah Proを新製品として投入した。中でもTarah Proは14時間の連続駆動を実現。実際にランニングで使ってみると、外耳道に深く差し込むのではなく、そっと添えるかたちで楕円形の外耳道にフィットし、それをスタビライザー部がスプリングのように押さえて安定させる。パーツがコード部分に分散できるなどの利点もあり、軽快な装着感でむしろ左右独立型よりも使いやすかった。
Jaybird Tarah Pro
左右コードはファブリックによるコートがされており、汗をかいた首にも張り付かず使いやすい。防水設計のため、汚れても丸洗いできる。その上、意外にと言っては失礼だが、中域の表現力が豊かな音質は極めて聞きやすい。今後、ワイヤレスの時代には”用途”ごとに特化した使い勝手が求められるのかも知れない。万人向けではないが、しかしランニングを始めとするフィットネス時に使う製品として、まず最初に検討したい製品だ。
ビクター(JVC) HA-FW10000
JVCはイヤフォンやスピーカーに木材を用いたシリーズを展開してきたが、イヤフォンの振動板に木材を用いた「WOOD」シリーズを展開してから10年。FW10000は「!!」と思える音に仕上がっている。チタンのインナーハウジングにステンレスのポートを組み合わせ、ダイナミックドライバの振動板に木材。どんな生産方法でも音が良ければ、すべてが許されるオーディオの世界だが、極めてピュアで濁りが少ない。それでいて音場は広く、気持ちの良い音を出す。丁寧な音場表現と情報量の多さは感動的で、20万円近い価格すら安いと感じさせる。高級モデルはバランスドアーマチュア、あるいはハイブリッド設計のものが多いが、自然で広い音場表現はダイナミックドライバならではだ。

山之内正

神奈川県横浜市出身。オーディオ専門誌編集を経て1990年以降オーディオ、AV、ホームシアター分野の専門誌を中心に執筆。大学在学中よりコントラバス演奏を始め、現在も演奏活動を継続。年に数回オペラやコンサート鑑賞のために欧州を訪れ、海外の見本市やオーディオショウの取材も積極的に行っている。近著:「ネットオーディオ入門」(講談社、ブルーバックス)、「目指せ!耳の達人」(音楽之友社、共著)など。

本田 雅一

PCハードウェアのトレンドから企業向けネットワーク製品、アプリケーションソフトウェア、Web関連サービスなど、テクノロジ関連の取材記事・コラムを執筆するほか、デジタルカメラ関連のコラムやインタビュー、経済誌への市場分析記事などを担当している。  AV関係では次世代光ディスク関連の動向や映像圧縮技術、製品評論をインターネット、専門誌で展開。日本で発売されているテレビ、プロジェクタ、AVアンプ、レコーダなどの主要製品は、そのほとんどを試聴している。  仕事がら映像機器やソフトを解析的に見る事が多いが、本人曰く「根っからのオーディオ機器好き」。ディスプレイは映像エンターテイメントは投写型、情報系は直視型と使い分け、SACDやDVD-Audioを愛しつつも、ポピュラー系は携帯型デジタルオーディオで楽しむなど、その場に応じて幅広くAVコンテンツを楽しんでいる。  メルマガ「本田雅一の IT・ネット直球リポート」も配信中。