AV Watchアワード
ミニLEDも有機も本気のレグザ。AIエンジンで最高画質に!?【測定データすべて見せます(6)】
2025年10月29日 11:00
読者へ本当にオススメしたい製品をセレクトする「AV Watchアワード」。今年も、高画質・高音質なナンバーワンテレビを決めるべく、テレビメーカー7社から全11モデルの液晶テレビ・有機ELテレビを集め、横並びでの比較視聴とデータ測定を行なった。
10月31日公開の「2025年液晶テレビ大賞」「2025年有機ELテレビ大賞」発表に先立ち、比較視聴を実施した11モデルをブランド別に紹介する。
今回取り上げるブランドは「レグザ(TVS REGZA)」。
AV Watchアワード2025では、今年5月に発売した4K有機ELテレビの「65X9900R」(63.8万円前後)と、4K液晶テレビ「65Z970R」(49.5万円前後)をテストした。
それぞれの概要・仕様と合わせ、マスターモニターとの比較動画および視聴機の測定データを掲載する。
有機ELラインナップ
レグザは、RGB4スタックパネルの最上位「X9900R」と、高輝度パネル「X8900R」の2シリーズ6機種の4K有機ELを展開している。大きさは、48型から77型まで4サイズ。価格は28.6万円前後から。
シリーズと市場想定価格
| 77 | 65 | 55 | 48 | |
|---|---|---|---|---|
| X9900R | ー | 63.8 | 48.4 | ー |
| X8900R | 80.3 | 46.2 | 35.2 | 28.6 |
最上段の数字は「インチサイズ」、マス目の中の数字は市場想定価格(万円)
シリーズ別比較
| エン ジン | パネル | 倍速 | HDR | アト モス | 音声 出力 | チュ ーナ | HD MI 入力 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| X9900R | ZRα | RGB OLED | 120Hz 144Hz (VRR) | Dolby Vision IQ HDR10+ ADAPTIVE HDR10 HLG | 〇 | 170W or 180W | 地上:9 (全録) BS2K:3 BS4K:2 | 4 |
| X8900R | OLED | Dolby Vision IQ HDR10+ HDR10 HLG | 100W or 60W | 2K:3 4K:2 |
液晶ラインナップ
4K液晶テレビは、地上6チャンネルを丸録りするタイムシフトマシンを搭載した量子ドット×ミニLED「Z990R」「Z970R」「Z875R」のほか、タイムシフトマシンが楽しめる50・43型「Z870R」、ミニLED搭載の「Z770R」、生成AI搭載の「Z670R」「E670R」、手頃な「M550R」「E350R」の9シリーズをラインナップ。
総モデル数は37にも及び、テレビメーカーで最も多くのバリエーションを誇る。また、75型以上を16モデルも用意するなど、近年は積極的に“大画面サイズ”を訴求している。
シリーズと市場想定価格
| 110 | 100 | 85 | 75 | 65 | 55 | 50 | 43 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Z990R | 550 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー |
| Z970R | ー | 121 | 88 | 66 | 49.5 | ー | ー | ー |
| Z875R | ー | ー | 66 | 50.6 | 38.5 | 30.8 | ー | ー |
| Z870R | ー | ー | ー | ー | ー | ー | 24.2 | 23.1 |
| Z770R | ー | 88 | 49.5 | 39.5 | 30.8 | 25.3 | ー | ー |
| Z670R | ー | ー | ー | ー | ー | ー | 19.8 | 16.5 |
| E670R | ー | 66 | 37.4 | 26.4 | 22 | 17.6 | 14.3 | 13.2 |
| M550R | ー | ー | 33 | 22 | 17.6 | 13.2 | 12.1 | 11 |
| E350R | ー | ー | 27.5 | 19.8 | 14.3 | 11 | 9.9 | 8.8 |
最上段の数字は「インチサイズ」、マス目の中の数字は市場想定価格(万円)
シリーズ別比較
| エンジン | ミニ LED | 量子ドット | 倍速 | HDR | アトモス | 音声出力 | チューナ | HDMI入力 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Z990R | ZRα | 〇 | 〇 | 120Hz 144Hz (VRR) | Dolby Vision IQ HDR10+ ADAP TIVE HDR10 HLG | 〇 | 122W | 地上:9 (全録) BS2K:3 BS4K:2 | 4 |
| Z970R | 130W or 150W | ||||||||
| Z875R | 70W | ||||||||
| Z870R | ZR | ー | 50W or 60W | ||||||
| Z770R | 60W or 70W | 2K:3 4K:2 | |||||||
| Z670R | ー | 60W | |||||||
| E670R (グレア) | Dolby Vision HDR10+ HDR10 HLG | 50~70W | |||||||
| M550R (グレア) | ー | ー | 20W or 30W | 2K:2 4K:2 | |||||
| E350R (グレア) |
有機ELテレビ「65X9900R」について
X9900Rは、RGB 4スタック有機ELパネルを国内テレビでいち早く搭載した、有機ELレグザのフラッグシップ。
新パネルの採用で、従来比約1.3倍の輝度向上と約1.1倍の色域拡大を達成。さらに、新開発の低反射ARコートを採用することで、外光の映り込みを'24年モデル(X9900R)から約3割低減。引き締まった黒と色鮮やかな映像を実現した。
液晶テレビ「65Z970R」について
Z970Rは、広色域量子ドットと高輝度ミニLEDバックライトを搭載した、液晶レグザのフラッグシップ。
新モデルでは、ミニLEDのエリア分割数とピーク輝度を強化。'24モデル「Z970R」と比べ、エリア分割数を約1.4倍、ピーク輝度を1.2倍にまで高めた。パネル表面には、低反射ARコートと広視野角ワイドアングルシート採用。高コントラスト・広視野角・広色域な映像を実現している。
X9900R、Z970Rともに、優れた映像解析能力を備えるハードウェアAIエンジン「レグザエンジンZRα」を搭載。前段のSoCと、後段のレグザ専用チップの2段構成とすることで、最上位機種だけの複雑な信号処理が可能になっている。
目玉の機能が“レグザ インテリジェンス”テクノロジー。AI技術を活用することで、人の声を聞きやすく調整できる快適リスニングや、あいまいな発話でもレグザがユーザーの好みに沿ってコンテンツをピックアップしてくれるボイスナビゲートなどの新機能を搭載している。
地デジ番組を最大6チャンネルまるごと録画する「タイムシフトマシン」機能も搭載。画面の左側に放送番組およびHDMI入力の画面、右側には放送番組やYouTube動画、もしくはAirPlayやミラーリング機能などスマートフォンの画面が表示できる2画面表示にも対応した。
消費電力・年間消費電力は、有機ELの「65X9900R」が約491W・192kWh/年、液晶の「65Z970R」が約357W・172kWh/年。
スタンドを含む外形寸法/重量は、有機EL「65X9900R」が1,442×300×892mm(幅×奥行き×高さ)/30.5kg、液晶「65Z970R」が1,448×292×894mm(同)/33kg。
マスターモニターとの比較動画
※鑑賞時は、HDR対応のテレビ、PC、スマートフォンなどを使用してください。SDR環境では、正しく表示されません。
推奨設定:ガンマ/HDR10、色域/BT.2020、色温度/D65
※鑑賞時は、HDR対応のテレビ、PC、スマートフォンなどを使用してください。SDR環境では、正しく表示されません。
推奨設定:ガンマ/HDR10、色域/BT.2020、色温度/D65
ディスプレイ性能
ディスプレイ性能
映像モード「おまかせAI」(HDR)
映像モード「映画プロ」(HDR)
輝度
| 映像モード 「おまかせAI」 | X9900R (25年モデル) | X9900N (24年モデル) | X9900M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 10%輝度 | 1,246cd/m2 | 925cd/m2 | 591cd/m2 |
| 全白輝度 | 341cd/m2 | 196cd/m2 | 153cd/m2 |
| 映像モード 「映画プロ」 | X9900R (25年モデル) | X9900N (24年モデル) | X9900M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 10%輝度 | 1,082cd/m2 | 895cd/m2 | 608cd/m2 |
| 全白輝度 | 315cd/m2 | 218cd/m2 | 153cd/m2 |
| 映像モード 「おまかせAI」 | Z970R (25年モデル) | Z970N (24年モデル) | Z970M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 10%輝度 | 2,901cd/m2 | 3,105cd/m2 | 1,468cd/m2 |
| 全白輝度 | 887cd/m2 | 740cd/m2 | 597cd/m2 |
| 映像モード 「映画プロ」 | Z970R (25年モデル) | Z970N (24年モデル) | Z970M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 10%輝度 | 1,795cd/m2 明るさ100 1,577cd/m2 明るさ90 (デフォルト) | 943cd/m2 | 705cd/m2 |
| 全白輝度 | 972cd/m2 明るさ100 871cd/m2 明るさ90 (デフォルト) | 668cd/m2 | 719cd/m2 |
色域
| 映像モード 「映画プロ」 | X9900R (25年モデル) | X9900N (24年モデル) | X9900M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| BT.2020 1931カバー率 | 77.74% | 72.06% | 71.38% |
| BT.2020 1976カバー率 | 81.66% | 74.39% | 75.72% |
入力遅延
| 映像モード 「ゲーム」 | X9900R (25年モデル) | X9900N (24年モデル) | X9900M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| スタンダード シューティング | 4K60p:1.8ms 2K120p:1.4ms | 4K60p:1.8ms 2K120p:1.4ms | 4K60p:3.0ms 2K120p:3.1ms |
| ロールプレイング | 4K60p:51.6ms 2K120p:1.4ms | ||
| レトロゲーム | 4K60p:1.8ms 2K120p:1.4ms | モード無 |
| 映像モード 「ゲーム」 | Z970R (25年モデル) | Z970N (24年モデル) | Z970M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 4K60p:11.3ms 2K120p:2.0ms | 4K60p:11.3ms 2K120p:2.1ms | 4k60p:12.6ms 2K120p:3.7ms |
| ロールプレイング | 4K60p:11.5ms 2K120p:2.1ms | 4K60p:54ms 2K120p:2.1ms | |
| シューティング | 4K60p:11.3ms 2K120p:2.0ms | 4K60p:11.3ms 2K120p:2.1ms | 4K60p:12.3ms 2K120p:3.7ms |
| レトロゲーム | 4K60p:11.4ms 2K120p:2.1ms | モード無 |
HDMI仕様
| HDMI入力信号 | X9900R (25年モデル) | X9900N (24年モデル) | X9900M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 4K120fps | 〇 | 〇 | 〇 |
| 4K144fps | 〇 | 〇 | ー |
| ゲーム用HDR10 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ゲーム用Dolby Vision | 〇 | 〇 | 60Hzまで |
| 4K50Hz | ー | ー | ー |
| 1440p | 60Hzまで | 60Hzまで | 60Hzまで |
| 非圧縮ステレオ | 〇 | 〇 | 〇 |
| 非圧縮5.1ch | 〇 | 〇 | ー |
| 非圧縮7.1ch | ー | ー | ー |
| ドルビーデジタル | 〇 | 〇 | 〇 |
| DTS | ー | ー | ー |
| Dolby Atmos | 〇 | 〇 | 〇 |
| DTS:X | ー | ー | ー |
| その他 | X9900R (25年モデル) | X9900N (24年モデル) | X9900M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 電源ケーブル着脱 | 〇 | 〇 | 〇 |
| スイーベルスタンド | 〇 | 〇 | ー |
| HDMI入力信号 | Z970R (25年モデル) | Z970N (24年モデル) | Z970M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 4K120fps | 〇 | 〇 | 〇 |
| 4K144fps | 〇 | 〇 | ー |
| ゲーム用HDR10 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ゲーム用Dolby Vision | 〇 | 〇 | 60Hzまで |
| 4K50Hz | ー | ー | ー |
| 1440p | 60Hzまで | 60Hzまで | 60Hzまで |
| 非圧縮ステレオ | 〇 | 〇 | 〇 |
| 非圧縮5.1ch | 〇 | 〇 | ー |
| 非圧縮7.1ch | ー | ー | ー |
| ドルビーデジタル | 〇 | 〇 | 〇 |
| DTS | ー | ー | ー |
| Dolby Atmos | 〇 | 〇 | 〇 |
| DTS:X | ー | ー | ー |
| その他 | Z970R (25年モデル) | Z970N (24年モデル) | Z970M (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 電源ケーブル着脱 | 〇 | 〇 | 〇 |
| スイーベルスタンド | 〇 | 〇 | 〇 |
・パネル性能の測定には、キャリブレーションサービスを行なっている株式会社エディピットに協力を依頼した
・「シネマ系」「おまかせ系(無い場合は標準)」の2つのモードで測定(プレキャリブレーション)を実施した
・パターンジェネレータから、色温度D93/D65のHDR信号をテレビに入力。カラースペース(BT.2020)、EOTF、RGBバランス、色精度(デルタE)、10% Window(ピーク輝度)、100% Window(全白輝度)を、ソフトウェア「Calman Ultimate」で測定した
・測定環境は全暗。テレビは全モデル、工場出荷時にするため初期化し、センサー系の機能は全てオフとした
・「シネマ系」「おまかせ系」のモードは、デフォルト状態で測定した。ただし、デフォルトで明るさが低く抑えられている機種については、明るさを調整し、輝度が最大になる状態でも測定を行なった
・測定は何度か実施し、最も良い数値をセレクトした
・測定値で異常が見られた場合は、機器の状態や設定、接続などを見直し、テレビやPC、ジェネレータの再起動などを実施した。それでも変化が見られない場合は、メーカーに問い合わせを行なった



















