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思いついてしまった。チューナーレスTV+「nasne」が最高ではないか
- 提供:
- バッファロー
2022年7月11日 08:00
1年ほど前、筆者はバッファローのネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne」を購入した。テレビに直接つなぐ製品ではなく、ネットワーク経由で様々なデバイスから、テレビ放送や録画番組の再生ができるものだ。リビングに腰を落ち着けて見ることができなくなったテレビを、別の方法で気軽に見られるようにしたい、というのが主な理由だったのだが、今のところその狙いは見事に達成できている。スマートフォンやタブレットを使って手元ですぐにテレビ視聴できる「nasne」が、筆者にぴったりハマったわけだ。
ところで今、巷では、テレビ放送が“見られないチューナーレスTV”の人気が高まってきている。動画配信サービスをメインに利用している人も増えているだろうし、ゲーム機をつないで遊べればいい、という人もいるだろう。たしかにそれならチューナーが装備されている必要はなく、安価なモデルも多いから導入ハードルも低い。
で、思いついてしまったわけだ。“そんなチューナーレスTVと「nasne」を組み合わせれば、身軽かつ気軽にもっとテレビを楽しめるのではないか”と。そんなわけで試してみたら、やっぱり最高だったのである。
バッファローの「nasne」ってどんなもの?
最初に改めておさらいしておくと、バッファローの「nasne」(NS-N100/公式ストア価格29,800円)は地上/BS/CSデジタル放送に対応したネットワークレコーダー&メディアストレージだ。放送中の番組視聴はもちろんのこと、2TBの内蔵HDDに番組を録画して好きなときに見ることもできる。
そんな「nasne」の一番の特徴は、直接テレビに接続するのではなく宅内LANに接続して使う、というところ。HDMIのような映像出力機能は備えておらず、LANポートにケーブルをつなぎ、スマートフォンなどのデバイスを使ってネットワーク経由でアクセスしてテレビ番組を見る形になる。
スマートフォンやタブレットなど向けに専用アプリ「torne mobile」が提供されていて、基本的にはこのアプリで番組視聴や録画予約などを行なう。LANのある宅内で視聴できるだけでなく、録画番組をスマホに「書き出し」て、ネットワークのない外出先で視聴することも可能だ。「nasne」が1台あると、まさに場所を選ばずにテレビを楽しめるというわけ(※ストリーミングでの「テレビ視聴」や「ビデオ再生」には有料プラグイン「視聴再生機能」が必要。torne mobileで「ビデオの書き出し」と「書き出したビデオの再生」を行なうには、有料プラグイン「書き出し機能」が必要)。
付け加えると、PlayStation 5/4にはtorneアプリがあるし、Android TV搭載のスマートテレビでもtorne mobileアプリが利用可能。Windowsパソコンでは「PC TV Plus(有料)」というソフトを利用することで「nasne」を使った番組視聴・録画予約が行なえる。macOSの場合は、M1/M2シリーズのチップを搭載しているならiPad用のtorne mobileアプリが使えるほか、それ以外の場合でも汎用のDLNAクライアントを使うことで番組視聴できる。ネットワークにつながるデバイスならだいたいは「nasne」でテレビが見られると考えていいだろう。
好きな場所、好きなデバイスでテレビが見られる「nasne」だが、もう1つ大きな特徴として挙げられるのが、「nasne」自体の置き場所の自由度が高いこと。テレビに直接つなぐ必要がないので、他の多くのHDDレコーダーのようにテレビの近くに置かなくていい。テレビアンテナとLANケーブルが接続でき、電源を確保できる場所であれば、極端な話、目立たない押し入れの片隅に置いたりしてもOKなのだ。
なお、「nasne」はシングルチューナーなので、放送中のテレビ番組を視聴しているときは他のデバイスで放送番組は見られず、同時に録画できるのは1番組だけ。この制限をなくすには、「nasne」をもう1台、2台と追加していけばいい。そうすることで裏番組の視聴・録画も可能になり、いろいろなデバイスから視聴できる利点をもっと活かすことができるようになる。
torne mobileやPC TV Plusでは複数台の「nasne」も簡単に扱える仕組みになっていて、録画予約するときは録画先の「nasne」を選択することもできる。複数台の「nasne」をうまく使い分ければHDD容量にも余裕が生まれるだろう。それでも不足しそう、なんていうヘビーなユーザーは、「nasne」本体のUSBポートに外付けHDDを接続して保存容量を拡張しておきたい。内蔵HDD 2TB + 外付けHDD 6TBで最大8TBに拡張可能だ。
加えて、「nasne」はネットワークHDD(NAS)としても使える。たとえば写真や動画などのデータのバックアップにも活躍するのだ。ただし、データ保存することでその分のHDD容量を消費し、録画できるスペースが減ってしまうことには注意しておきたい。データ保管にも本格的に活用したいなら、それこそ外付けUSB HDDを追加するのがおすすめだ。
チューナーレスのスマートテレビ「TSM-2401F2K」と組み合わせる
さて、そんな「nasne」に今回組み合わせたいのがチューナーレスTVだ。まずチューナーレスTV単体にどんなメリットがあるかというと、1つ大きなものとしては、一般的なチューナー内蔵テレビより安価なことが挙げられる。例えばドン・キホーテが発売した「Android TV機能搭載チューナーレス スマートテレビ」は、24型の「TSM-2401F2K」が2万1,780円で手に入る。
これだけ安価でありながら、HDMI入力は3系統備え、1系統はARCおよびCEC対応。有線LANやWi-Fiにも対応する。OSにAndroid TVを採用しているので、ネットワークにつなげればYouTubeやNetflix、Amazon Prime Video、Huluといった動画配信サービスを直接利用できる。テレビ番組の見逃し配信サービスであるTVerも視聴可能だ。
チューナーレスTVでも、TVerなどのテレビ番組を見る手段があり、配信サービスと契約すれば映画やアニメも見放題になる。“「nasne」のような単体のチューナー・HDDレコーダーをわざわざ用意することもないのでは”と思える。が、実はそこにはちょっとした落とし穴もあるのだ。
たとえばTVerのような見逃し配信サービスは、リアルタイムでテレビ放送した番組すべてを配信しているわけではない。配信している番組も視聴可能な期間が限られていたりする。まだまだテレビでしか見られない番組もたくさんあるし、いつまでも見られるようにしておきたいなら録画しておくしかないのだ。それに、有料の動画配信サービスもあれこれ契約すると、意外と毎月の料金がかさんでしまう。
また、世界的スポーツイベントのライブ中継などは、リアルタイムで視聴してこそ。テレビを横目で見ながら、SNSで盛り上がるのが一番楽しい、という側面もあるわけで、ここは見逃し配信や他の動画配信サービスではカバーしきれない部分だったりする。
そこで、チューナーレスTVに、テレビ放送を見られるようにする「nasne」を組み合わせるわけだ。そうするとどうなるだろうか。
「チューナーレスTV+「nasne」」で新たなテレビ視聴スタイルを実現!
チューナーレスTVと「nasne」の組み合わせによる最大のメリットは、テレビ本体の方も、置き場所の自由度が増すことだ。アンテナをテレビに配線する必要がなく、今回試したスマートテレビTSM-2401F2KはWi-Fi対応なのでLANケーブルも不要で、せいぜい接続するのは電源ケーブルくらいのもの。
先述の通り、「nasne」はテレビの近くにある必要がないから、チューナーレスTVと「nasne」は物理的に完全に離れた場所に置ける。TSM-2401F2KはGoogle Playに対応しているので、「nasne」用アプリであるtorne mobileももちろん利用可能だ。
24型、重量約2.6kgというコンパクトなモデルということもあって、片手で軽々と持ち運ぶことができ、見たい場所に持ち込める。そして準備は電源ケーブルをつなぐだけ。昼間は仕事部屋や書斎に置き、夜は寝室に置いてテレビを見る、なんてことも難しくない。部屋ごとにテレビを据え置きするのが今までは当たり前だったが、そうではないスタイルも考えられるのは、「nasne」+チューナーレスTVだからこそ、と言えるだろう。
とはいえ、ずっとテレビの前にいられないときもある。トイレに行きたくなったり、食事の準備やお風呂の時間になったりしたときは、テレビのある部屋から離れなければならない。
しかしそういう場面でも「nasne」なら視聴を諦める必要はナシ。先ほど説明したように、スマートフォンやタブレットでもテレビが見られるからだ。録画しておいて後で見る、という手もあるけれど、生放送の番組はやっぱりリアルタイムのまま見続けたいもの。「nasne」があれば、普段はテレビ画面で見て、テレビを持ち込めない部屋や状況のときはスマートフォンやタブレットを使う、といったフレキシブルなテレビ視聴が可能になるわけだ。
ところで、TSM-2401F2Kのスマートテレビとしての使い勝手も気になるところかもしれない。Android TVでtorne mobileのようなアプリを使えるのはメリットだけれど、テレビとしての性能が低いとアプリの使い勝手にも影響してしまう。安価なチューナーレスTVなので、そのあたりが心配な人もいるだろう。
結論から言えば、torne mobileの番組表の閲覧と録画予約、リアルタイム放送や録画した番組の視聴は、問題なくテレビ付属のリモコンで操作していける。torne mobileはもともとユーザーインターフェースの見やすさや操作性・レスポンスの良さに定評があるが、TSM-2401F2Kでもそのサクサク感は健在だ。
ちなみに、ふと「テレビを見てみようかな」と思っても、「テレビ離れ」していたせいでそもそも何を見ればいいのかわからない、面白い番組を見つけられない、という人もいるのではないか。そんな時はtorne mobileの「ランキング」機能を活用したい。torne mobileの他のユーザーが録画予約している人気の高い番組をランキング形式で一覧できるもので、ここをチェックすれば「注目度の高い番組=面白い番組」をすぐに見つけられ、その場で録画予約もできる。
そしてもう1つ、torne mobileならではの面白い機能が「ニコニコ実況」との連携機能だ。テレビは自分1人、もしくは家族などその場にいる人たちだけで見るものではあるけれど、この「ニコニコ実況」機能を使うと、テレビ映像の周囲にあの横に流れるコメントが随時表示され、インターネット上の他の人と一緒にテレビを見ているような気分になれるのだ。リアルタイムのスポーツ中継だと、まるで他の人と一緒に応援しながら見ている気分になり、盛り上がること間違いなし。今まで興味が無かったジャンルの番組でも、ユニークなコメントと一緒に見ると急に面白く感じられたりする。これは他の動画配信サービスなどにはないtorne mobileの大きな魅力でもある(※コメントの投稿機能はAndroid TV非対応)。
日々のエンタメの1つに、気軽にどこでも楽しめるテレビを
「nasneでテレビ放送や録画が見られればそれで十分!」と言うつもりはない。動画配信サービスなどオンデマンドのネットコンテンツに加えて、テレビ番組もエンタメや情報ソースの1つとしてあった方がもっと毎日を楽しめるはず、ということなのだ。
そういう意味でも、「nasne」とAndroid TVの組み合わせはベストなものだと感じた。「nasne」でテレビ番組を快適に楽しんで、torne mobileで新しい番組と出会い、コメントと一緒に盛り上がる。そして、放送以外のコンテンツを楽しむ時は、Android TVアプリや、Chromecast built-inでスマホから選んだ映像コンテンツを気軽にキャストしてテレビ画面上で再生する、という使い方もできる。こうした環境が、安価に構築できるのも魅力だ。
テレワークが中心になり自宅で過ごしがちになったとしても、大画面テレビのあるリビングにずっといる、なんてシチュエーションはそう多くないのでは、と思う。きっと同居家族の目がない仕事部屋にこもったりしているはずだ。まさにそういうところにこそ、「nasne」+チューナーレスTVが完璧にフィットする。
また、「nasne」があれば、もしチューナーレスTVが子供に占領された! という時でも、パソコンやスマホ、タブレットを使えば快適に視聴できる。この快適さは一度味わうと戻れない。テレビ番組を楽しむ機会がさらに増え、そこに「nasne」の真価を改めて感じられるだろう。
フットワーク軽く、いつでもどこでもスマートにテレビを楽しめるこの新スタイルを、みなさんもぜひ体験してほしい。