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Bowers & Wilkinsヘッドフォン4機種、どれ選ぶ?リアルユーザーが語る“マイB&W選び方”
- 提供:
- ディーアンドエムホールディングス
2025年11月21日 08:00
Bowers & Wilkinsのヘッドフォンが今、キテいる
Bowers & Wilkins(B&W)といえば、英国の名門ハイエンドスピーカーブランドとしてオーディオファンにはおなじみ。近年、そのスピーカー開発思想をウェアラブルの世界に詰め込んだ同社のBluetoothヘッドフォンが、オーディオ界隈だけでなく一般的な音楽ファンの間でも存在感を高めているようだ。
きっと、高品位なサウンドとデザインに通じる“B&Wらしさ”が、日常の中に上質なスタイルを求める時代の価値観にシンクロしているのだろう。かくいう筆者も、今年4月に発売されたミドルクラスモデル「Px7 S3」を所有しており、常日頃から“B&Wらしさ”に惹かれっぱなしである。
おそらく世の中には、「いまB&Wのヘッドフォンが気になっている……しかしどのモデルを選べば良いのか迷う」という人も多いのではないか。
そこで今回は、Px7 S3ユーザーの筆者目線で、B&WのBluetoothヘッドフォン現行4モデルの特徴を整理。それぞれ、“特にどういう人の音楽スタイルにオススメできるか”を考えてみたい。
もちろん筆者の主観が入った分類で、これが絶対ということではないので、その辺は参考までに。「B&Wヘッドフォンを初めて購入したい」という方の製品選びの一助になれば幸いだ。
“B&Wならではのデザイン美”から、サウンドと価格のバランスで選べる
ではまず、現行のラインナップを整理していこう。以下、発売時期順に並べつつ、2025年11月時点の実売価格(目安)と合わせてチェックしてみる。
- 「Px8」2022年10月発売:実売8万円前後(前フラッグシップ)
- 「Px7 S2e」2023年9月発売:実売4万5,000円前後(前ミドルクラス)
- 「Px7 S3」2025年4月発売:実売6万円前後(最新ミドルクラス)
- 「Px8 S2」2025年9月発売:実売11万6,000円前後(最新フラッグシップ)
つまりは、2022〜2023年にかけて登場した主力ラインが、今年に入って一気にモデルチェンジした状態だ。ただ、前世代のPx8とPx7 S2eも販売を継続しているのがミソで、4機種の中からサウンドの好みや価格など、総合的なバランスで選べるようになっている。
また、多くの人がB&Wヘッドフォンに惹かれる理由のひとつであろう、基本の“デザイン美”については、4機種で共通しているのもポイント。
シンプルながら洗練されたフォルム、樹脂やファブリックといった素材の質感を生かした仕上げ、全体的なプロポーションのバランスなど、B&Wのヘッドフォンはいつ見ても有機的な美しさを漂わせる。豪華でエレガントな時代もあれば、産業革命後に自然モチーフや素材感への原点回帰も起きた英国デザインの歴史も感じる。
ただ、現行の4機種をよく見ると、実は世代によって細部の仕上げやカラーバリエーションの傾向が変わっているので、よりデザイン重視の方はその辺も含めて選ぶポイントが増える。そういった要素も踏まえつつ、各モデルの詳細を、実売価格順に見ていこう。
- 「Px7 S2e」実売4万5,000円前後
- 「Px7 S3」実売6万円前後
- 「Px8」実売8万円前後
- 「Px8 S2」実売11万6,000円前後
Px7 S2e:4万円台で買えるB&Wサウンド入門機
まずは、筆者が持っているPx7 S3の前世代モデル、Px7 S2eを紹介しよう。元々は6万円前後の価格設定だったが、発売から2年経過し後継機が登場したことで、現在は実売4万円台までディスカウントされている。……が、当たり前だが、そのドライバーが鳴らすのは紛れもなく名門B&Wのサウンド。
基本はフラット基調でニュートラルかつ解像感が高く、情報量の多いサウンド傾向。音楽の余韻に浸れる。次項で紹介する後継機のPx7 S3と比較すれば、低音の深み・キレの良さや細部のナチュラルな鳴りといった特徴は最新モデルの方が大きく進化しているが、このPx7 S2eの時点で十分に高クオリティ。実質的に、4万円台で変えるB&Wサウンド入門機になっていると考えると、そのコスパの良さは驚異的だ。
内部に搭載するのは40mm径のバイオセルロース・ドライブ・ユニット。なお、世代的にBluetoothコーデックはSBC/AACのほか、aptX Adaptive(48kHz/24bit)までの対応となるので、その辺のスペックを気にされる方は注意されたい。
もうひとつ見どころとして、Px7 S2eは「ルビー・レッド」「オーシャン・ブルー」「フォレスト・グリーン」といった鮮やかで個性のあるカラバリが多い。ファッションとのコーディネート感を楽しむとか、写真・動画の被写体としてSNS映えを狙うなど、普段使いで“ヘッドフォンの見せ方で遊びたい人”にも選びがいがある。
このあたりを総合して考えると、現在のPx7 S2eは、“B&Wといえばオーディオマニア向け”という従来のイメージにとらわれない1台になっているとも言える。元々のカラバリの豊富さに、価格のこなれ感が加わったことで、“シンプルに見た目がカッコ良いヘッドフォン”として手に取りやすいカジュアル感が生まれた。
Px7 S3という後継機が登場し、製品の位置付けが前世代モデルにスライドしたことで、結果的に“Hi-Fiへの入口”を担う存在になっていると考えると、それもまた魅力的。
Px7 S3:音楽ファンにリーチする硬派なスタンダードライン
続いては、Px7 S2eの後継機として今年4月に発売された最新ミドルクラス、Px7 S3。市場からも高い評価を受けている話題機種のひとつだ。筆者宅にあるのもこれ。
内部には40mm径のバイオセルロース・ドライブ・ユニットを搭載。最新世代として、BluetoothはaptX Adaptive(96kHz/24bit)やaptX Losslessなどの高音質コーデックに対応している。
そのサウンドは、Px7 S2eから2年を経て大きく進化。フラット基調でニュートラル、解像感の高さという“ならでは”の特徴もそうだし、全体的に見通しが良く精細感があり、低域に深みとキレがある。そして楽曲の世界観をグッと伝えてくる音楽性の高さと、語弊を恐れず言うとモニターライクな程よいソリッド感も両立。楽器それぞれの音をシンプルに美しく鳴らしてくれる。
個人的には、“ディープな音楽ファンにもリーチする硬派さ”を感じる音で、これが現在のスタンダードラインとなったことに、B&Wというブランドの思想が表れているのではないか。一般的に、ヘッドフォンで実売6万円台という価格は決して安いものではないが、その実力を知れば納得感は十分だ。
上位モデルのPx8 S2について詳しくは後述するが、現行の最新機種にしてフラッグシップであるPx8 S2が“チェスのキング”なら、Px7 S3には全方位にサッと切り込むクイーン的なカッコ良さを感じる(英国だけに)。
両者を比較した場合に、解像度や情報量の面ではPx8 S2がより優れているが、音の傾向の好みで言うと「実はPx7 S3の方が好きかも」という人も少なくないと思われるので、この辺りはぜひ店頭の試聴機でサウンドを聴き比べていただきたい。
カラバリは「アンスラサイト・ブラック」「キャンバス・ホワイト」「フロスト・ブルー」など落ち着いたベーシックカラーが中心で、ビジネスファッションにもマッチしやすく、“日常生活に溶け込むアイテムとしてのヘッドフォン”という側面で成熟している感がある。
また、Px7 S2eとのデザイン面の違いとして、約2年の年月をかけて開発された、“ハウジングを薄型化しても音質を維持する”技術がPx7 S3には投入されており、写真のようにPx7 S2eとPx7 S3を比べると、Px7 S3の方がハウジングがかなり薄くなっている。これにより、装着した時の膨らみも抑えられている。
アクティブノイズキャンセリングも自然に効かせてくれるので、出勤中の電車内や、カフェ&コワーキングスペースでの作業時に使うのも快適。はたまた、上述の通りのサウンドクオリティで、夜にじっくり音楽を聴く時にも満足できる。
プライベートから仕事中のちょっとした息抜き時間まで、音楽ファンのリスニング生活を高品位な音で彩ってくれる1台だ。
Px8:ラグジュアリー感とコスパの良さを両立する高級機
続いては、ハイエンドラインの2機種を順番に見ていこう。まずはPx8。その後に、後継機種のPx8 S2も紹介する。
Px8は2022年の発売から3年が経過しており、当初は10万円を超えたフラッグシップ機ながら、現在の実売価格は8万円前後までディスカウント。「ハイエンドの音の世界を味わえる上で、コスパ感もある」というかなり狙い目な状態になっている1台である。
内部には、フラッグシップクラスに採用される40mm径のカーボンコーン・ドライブ・ユニットを搭載。ちなみにPx7 S2eと同じくBluetoothコーデックは世代的にaptX Adaptive(48kHz/24bit)までの対応となるので、この辺を気にされる方はご注意を。
その音は、フラット基調なニュートラル感と解像度の高さを基本としつつ、繊細なディテールを再現するさすがのハイエンドサウンド。上述のPx7 S3と聴き比べると、フラッグシップの余裕みたいなものを感じられると思う。ただ先に言うと、後継機とは3年の期間が空いていることもあり、音場の広さや解像度の高さ、スピード感など全体的な表現力は、最新のPx8 S2の方が大きく進化している。
両者を比較して聴けば、差は正直ある。と言いつつ、大前提としてB&Wの音なので、上述の価格を考えると、今ならではのお買い得感は見逃せない。
そしてもうひとつ、Px8ならではの特徴として注目したいのは、翌年に発売されたPx7 S2eと親和性のあるカラバリ。「ロイヤル・バーガンディ」や「タン」「ダーク・フォレスト」など、いずれもロイヤル感のある仕上がりで映える。
よく見ると、他と比べて本体フォルムに肉厚なもっちり感もあってゴージャス。カジュアルなPx7 S2eに対し、Px8はその筐体仕上げの美しさも相まって、よりラグジュアリーなスタイルにマッチする。
深夜に照明を落としたリビングのソファで、ジャズの深みのあるウッドベースに体を揺らす……そんな、優雅に音楽にどっぷり浸かるシーンにぴったりな1台。サウンドもデザインも“エレガントなハイエンド機”という感じだ。
Px8 S2:オーディオファンに刺さる圧倒的フラッグシップ
最後は今年9月に登場した最新フラッグシップ、Px8 S2。これはさすがの1台というか、上述の通りチェスで言うなら、確実にキングの存在感を誇る。
スペック的には、内部に40mm径のカーボンコーン・ドライブ・ユニットを搭載。Px8と振動板の素材は同じだが、形状をアップデート。また、その周囲にあるエッジ部分を改良し、より精巧なものを開発。振動板とエッジの接着面を狭くする事で、Px8 S2の振動板の方が、有効に活用できるカーボンコーンの面積がより広くなっている。
aptX Adaptive(96kHz/24bit)やaptX Losslessの高音質Bluetoothコーデックに対応する最新仕様も心強い。
そのサウンドは、基本はニュートラル傾向で、音場の広さ、高い解像度と緻密なディテールの再現力など、フラッグシップとしてクオリティの高さがどストレート。音楽性が高く、低音が濃密かつキレもある。程よいソリッド感もあって、先行して発売されたミドルクラスのPx7 S3と近い進化も感じられる。
とにかく様々なジャンルの音楽の世界観を、ワイドレンジに鳴らしてくれる1台だ。オーケストラ曲のようなレンジの広い楽曲への対応力は元より、ジャズではウッドベースの弦のしなりやハイハットの細かい振動の手触りも伝わってくるようだし、現代的な打ち込み系の曲を聴いてもメリハリとスピード感がある。
さらにライブ音源を聴くと、空気感が伝わってくるようでかなり良い。
しかしヘッドフォン1台で10万円を超えるのは、やはり一般的には高価だろう。そういう意味でも圧倒的フラッグシップなので、第一には“高音質追求”のオーディオファン・マニア向けのモデルと言える。もちろんその価格を出す価値はある。
カラバリは「オニキス・ブラック」「ウォーム・ストーン」とベーシックカラー2色のみのオーソドックスな選択肢だが、フラッグシップラインならではの高級感のある仕上げにより、かなり所有欲をくすぐってくる。
さらに、Px7 S3の部分でも書いたが、最新の“音質を維持しながらハウジングを薄くする技術”がPx8 S2にも投入されており、Px8よりも薄いハウジングになっている。
このように、もはやサウンドとデザインがひとつの作品になっている感すらあり、そういう世界観込みで所有したい人にぴったりだ。
サウンドとスタイルで選ぶ“マイB&W”
そんなわけで、B&Wヘッドフォンの現行ラインナップ4機種を順番に見てきたが、いかがだっただろうか? 繰り返しになるが、もちろんこれらは筆者の主観が大いに入った整理なので、絶対的な正解ではない。
上でオーディオファン・マニア向けと書いた最新フラッグシップ、Px8 S2を、筐体仕上げのカッコ良さから選んだってもちろん良い。鮮やかなカラバリがPx7 S2eの特徴だと書いたが、むしろPx7 S3のシックなカラーでこそ映えを狙いたいという人もいるだろう。
結局のところ、現行のB&Wヘッドフォンは「どれを選んでもアリ」と断言できるクオリティで、あとは各モデルが持つサウンドやデザイン(カラー)、そして価格設定とのバランスを踏まえることで、自分にしっくり来る1台が浮かび上がってくるのだ。
筆者も今回、改めて4機種を聴き比べてみたが、Px8 S2の凄さに衝撃を受けて「これは多くの人に聴いてほしい」と感じつつも、やはり所有しているPx7 S3の硬派さは好きだなと思った。自分の普段の服装が、40代主婦の一般的なカジュアル系なので、ファブリックの筐体がシンプルに合わせやすいのもある。
つまるところ、“音でも見た目でも、何かしらビビッと来るポイントがあったら、それを基準に決めるのが一番間違いない”とは思う。ヘッドフォンたちは選ばれるのを待っているだけ。あとは自分の直感に素直になれば、どのB&Wを選択しても絶対に後悔しない。
編集部が21日8時に、Amazonを確認したところ、21日からスタートした「Amazon ブラックフライデー」の「先行セール」において、記事で紹介したB&Wヘッドフォンの中から「Px7 S2e」と「Px8」が低価格になっていた。なお、Amazon ブラックフライデー本番は11月24日0時スタート。
- 「Px7 S2e」通常価格44,550円→セール価格33,858円(24% OFF)
- 「Px8」通常価格79,200円→セール価格52,470円(33.8% OFF)











































