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ソニー本気の次世代シアター! 手軽に設置でき、脅威のサブウーファー×2台拡張可能「BRAVIA Theatre Trio」に迫る
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- ソニーマーケティング株式会社
2026年6月16日 08:00
BRAVIAの2026年モデルが発表された。「BRAVIA 9 II」、「BRAVIA 7 II」といったRGB Mini LEDバックライトを搭載したニューモデルも気になるところだが、同時に発表されたホームシアターシステムも話題になること必至の注目モデルだ。ぜひとも自宅で試聴したいと思っていたところ、編集部から「使ってみませんか?」との依頼が! その製品は「BRAVIA Theatre Trio(HT-A8)」(オープン/市場想定価格30万8,000円)だ。
一見するとサウンドバーに見えるが、そうではない。ソニーはこれまで、サウンドバーの枠を超えた“ホームシアターシステム”として、コントロールユニットとワイヤレススピーカー4本からなる「BRAVIA Theatre Quad」などを発売してきたが、Theatre Trioもこちらに近い、新しい時代のホームシアターシステムとして提案されている。
BRAVIA Theatre Trioとは?
詳しく紹介しよう。BRAVIA Theatre Trioこと「HT-A8」は、その名の通り、コンパクトなサウンドバーサイズのセンタースピーカーと、2本のワイヤレス・フロントスピーカーがセットになっている。
独自技術である360 Spatial Sound Mapping (以下360 SSM)に対応し、映画館のような音場空間の再現ができるシステムだ。
ポイントは、フロントスピーカーを薄型テレビの両脇に配置すること。この配置は特別に珍しいものではなく、Hi-Fi用スピーカーによるステレオ再生システムで、テレビの音も再生するような使い方をする場合に多い配置だ。テレビの両側にスピーカーを置く場所を確保する必要はあるが、テレビ自体の大きさに依存せずにセッティングが可能。テレビ画面の下においたサウンドバー1本よりもスピーカーの間隔は広くなるので、ステレオ感もある。映画だけでなく音楽再生も楽しむ人には適した置き方だ。
BRAVIA Theatre Trioでは、テレビの両脇におくフロントスピーカーを2本と、従来のコントロールボックス機能を内包するセンタースピーカーの構成。フロントスピーカーには、トップチャンネル用のイネーブルドスピーカーも内蔵するので、この3つの構成だけで3.0.2ch構成となる。
内蔵するスピーカー数は合計9個だ。360SSMでは、最大で24個の仮想スピーカーを生成し、前方だけでなく、後方や高さ方向の再現も可能な立体音響を実現できる。100インチを超えるような特大画面のテレビであっても、センタースピーカーがあるので、前方左右のスピーカーの間が抜けてしまうようこともなく、部屋に合わせてレイアウトの自由度が高いなど、これからの特大画面時代にも対応したシステムとなっている。
24個の仮想スピーカーを生成する360SSM技術は、“映画のサウンドがどのように作られるか”を踏まえると、理解しやすい。通常、映画の音は、収録現場で録音した音に、セリフや効果音(フォーリーサウンド)、環境音、エフェクト、音楽を組み合わせて作られる。その際、すべての音をどのようにミックスするかを確認しながら決めていく場所が、映画館の音響特性を備えたスタジオだ。
360SSMは、このミックスが行なわれるソニー・ピクチャーズのスタジオの協力を得て、音響特性を分析。スピーカーからリスナーに届く直接音だけでなく、壁などの反射して耳に入る反射音、残響音などの間接音まで再現する。そのために、Dolby Atmosなどのサラウンド音声を、360SSMで処理して、BRAVIA Theatre Trioを設置したユーザーの家で再現できるように、家の環境に合せて、24個の仮想スピーカーを生成して再生。普通の家で、映画館のようなサウンドを再現するわけだ。
それぞれのスピーカーについて詳しく紹介しよう。
フロントスピーカーは、20mmツイーターと100mmウーファーによる2way構成。さらに、スピーカーの上部に配置され、斜め上方向に音を放射し、天井の反射を利用して高さ方向の音を再現するイネーブルドスピーカーとして、80mmスピーカーを備える。
センタースピーカー部は、25mmツイーターと、45×108mmウーファー×2。これらのスピーカーはすべて音質特性を統一するなど、サラウンドシステムとして同じアプローチで設計されている。ツイーターはハイレゾ再生にも対応する超高域再生も可能なユニットだし、イネーブルドスピーカー用のフルレンジドライバーやウーファー用のドライバーは、アルミリングと銅キャップを採用した低歪み設計だ。
もちろん、センターとフロントスピーカーの接続はワイヤレス。それぞれに電源を確保する必要はあるが、部屋の中を引き回す配線は必要ない。スピーカー位置の自由度はかなり高く薄型テレビを置いたローボードの両脇に置いてもいいし、壁掛けにも対応する。まさにレイアウトフリー。
スピーカー配置がステレオ再生に近い配置になるので、音場の広がりという点でも違和感が少ない。先祖返りのようだが、一般家庭におけるホームシアターシステムとして、映画だけでなく音楽などさまざまな音を再生するシステムとして、最適化したスタイルと言えるだろう。
手軽に導入でき、本格的なシステムへと拡張できる
BRAVIA Theatre Trioは、設置しやすく、気軽に導入できるものだが、そこからさらに本格的なシステムに拡張できるのもポイントだ。
具体的には、別売のワイヤレス・リアスピーカー「BRAVIA Theatre Rear 9」やワイヤレス・サブウーファー「BRAVIA Theatre Sub 9」を増設できる。しかも、サブウーファーは1台ではなく、なんと、最大2個の“デュアルサブウーファーシステム”が可能という。
筆者は以前から“サブウーファー1個では設置場所の自由度が低いので、できれば2個使おう”と提案し、実践してきた。しかし、AVアンプはサブウーファー出力がほとんどのモデルで2個あり、上級機では4個備えたモデルもあるが、手軽なサウンドバーでは、サブウーファーを2台増設するのは難しかった。
しかし、ソニーがBRAVIA Theatre Trioで、率先してデュアルサブウーファーシステムを採用してくれた。これはありがたい。
また、サウンドバーシステムで実際に後方にリアスピーカーを配置できるモデルはすでに増えてきているが、実際にリアスピーカーがあるか、仮想的にリアの音を再現するかでは明らかな音の違いがあるし、それを体感している人も少なくなだろう。BRAVIA Theatre Trioが、こうしたオプションスピーカーを増設することで、より完全なホームシアターシステムとして完成するのだ。
自宅でBRAVIA Theatre Trioを体験
BRAVIA Theatre Trioだけでも新スタイルの面白いシステムだが、どうせ試すならば、リアスピーカーBRAVIA Theatre Rear 9と、ワイヤレス・サブウーファーBRAVIA Theatre Sub 9×2個も使ってみたい。薄型テレビのBRAVIA 7 IIも含め、まとめて自宅で借りることになった。
まるで引っ越しかと思うくらいの荷物が届き、自宅の試聴室になんとか、BRAVIA 7 IIとBRAVIA Theatre Trio、そしてワイヤレスリアのBRAVIA Theatre Rear 9、ワイヤレスサブウーファーのBRAVIA Theatre Sub 9を運びこんだ。
さっそく開梱してセッティング。スピーカーの置き場所はふだん使っているスピーカーを外して、スタンドをそのまま流用している。製品を箱から出して、それぞれ電源をつなぐのは手間だが、配線が不要というのはかなり楽だった。
また、それぞれの接続設定などは、簡単セットアップガイドが封入されているほか、詳しくは専用アプリの「BRAVIA Connect」で行なう。基本的にはそれぞれの電源を投入し、アプリの指示通りに作業すればいい。
ひとつ注意したいのは、BRAVIA Theatre Trioの左右のメインスピーカー、ワイヤレスリアスピーカーのBRAVIA Theatre Rear 9とも、きちんと左右が区別されていること。底面に左右を示す表示があるので、それをよく確認して左右を間違えないように配置しよう。それぞれの製品の電源を入れると、自動的に接続が行なわれるので、接続は極めて簡単だ。接続状態はBRAVIA Connectで確認できる。
ここから、サラウンド設定だ。
BRAVIA Connectのサウンド設定で、「サウンドフィールド最適化」を行なう。開始すると、スピーカーからテストトーンが流れ、スピーカーの有無や、部屋の音響条件が測定され、その結果を踏まえた再生の最適化がな行われる。
測定はスマホの内蔵マイクでも行なえるが、付属のキャリブレーションマイクを使ってより精度の高い測定も可能だ。このマイクはUSB Type-Cで接続できるタイプで、全方向の音を均一に測定できる。ちなみに、キャリブレーションマイクを付属しているのはフラッグシップのBRAVIA Theatre Trioだけだ。
基本的に、このサウンドフィールド最適化を行なえば、すぐBRAVIA Theatre Trioが使える。
一方で、映像と音の一体感に関わるサウンドフィールドの高さ、IMAX Enhanced Mode、圧縮音声をアップスケール再生できるDSEE Ultimate、サブウーファーの位相設定と、本格的な設定項目も用意されている。
まずはBRAVIA Theatre Trioだけで聴いてみる
試聴では、まずはBRAVIA Theatre TrioだけをBRAVIA 7 IIに接続して聴いた。操作用のリモコンも付属しているが、BRAVIA 7 IIとの接続時は、基本操作はBRAVIA 7 IIのリモコンを使って画面のメニューバーから操作ができる。こちらの方が便利だ。音量の調整はもちろん、サウンドフィールドのオン/オフなど、さまざまな操作が可能だ。
まずは、テレビ放送や内蔵のGoogle TVでいくつかの映像配信サービスを試聴してみた。
最近の薄型テレビ(特に高級モデル)は内蔵スピーカーの音質も向上しているが、組み合わせたBRAVIA 7 IIの55型モデルも、かなり音が良い。声は明瞭だし、画面下側にメインスピーカー、サウンドポジショニングツイーターが画面の両側のやや高めの位置に配置されており、テレビだけでもサラウンド感もそれなりに体感できる。
「これはこれで、良い音だな」と思って聴いていたのだが、BRAVIA 7 IIに、BRAVIA Theatre Trioを接続すると、驚くほど“音が別物”になる。音数がぐっと増えるし、個々の音もエネルギーに満ちた力強いものになる。これは一度聴いたら、もうBRAVIA Theatre Trio無しには戻れない。
BRAVIA Theatre Trioにサブウーファーは付属しないが、それが無くても、テレビ内蔵スピーカーよりも、さらに低音がグッと力強くなる。
さらに、BRAVIA Theatre Trioが優れているのは、ステレオの音場感や音の広がりが格段に良くなること。目の前にパッとステレオ的な音場の広がりと奥行きが広がり、歌番組などを見ているとその立体的な音場に驚く。
声の質感もよくわかる。基本的にはほんの少しメリハリをつけた聴きやすい音だが、リズム感の良さや細かな音の再現性など、基本的なところをしっかりと作り上げたものだと感じた。
BRAVIA Theatre Trio + ワイヤレスリア
続いて、BRAVIA Theatre Rear 9を接続して聴いた
続いて、リアスピーカーを追加。BRAVIA Theatre Rear 9(オープンプライス/実売99,000円)。チャンネル数としては5.0.4chとなる。スピーカーの位置は、試聴位置のほぼ真横に近い少しだけ斜め後ろの位置とした。接続後サウンドフィールドの最適化をやり直して聴いた。
テレビ放送などの2.0ch音声はサウンドフィールドをオフとしたこともあって、あまり差がないが、サウンドフィールドをオンとするとアップミックス再生となり、ステレオ音場が少し前に出てくるし(試聴位置に近づく)、奥行き感も良好になる。純粋なステレオ再生とは違う感触になるので、好みで切り替えるといいだろう。
映画などのサラウンド音声の作品を見てみると、明らかに違いがある。
リアスピーカーなしのバーチャル再生でも、街頭のざわめき、車の走行音などは「なんとなく後ろから聴こえる」ように感じるのだが、より明瞭な音、例えば、後ろで誰かが喋っているシーンでは、その声が“前のスピーカーから出ていること”がわかってしまう。これはバーチャル再生では仕方のないところだ。
しかし、リアスピーカーがあると、もっと明瞭に、本当に後ろから音が出るので、「後ろから誰かが話しかけてきた」ことが、シッカリと認識できる。これがホラー映画だと、急に真後ろから野太い声がして、ビックリ。より恐怖感が高まる。
リアスピーカーがあることで、サラウンドの音の方向感や空間としての立体感は格段に向上する。BRAVIA Theatre Rear 9はオプション用のワイヤレススピーカーの上位モデルで、サイズも大きいため、後ろからも存在感のある音が出る。BRAVIA Theatre Trioとの音のつながりもよい。
どちらもデザインがよく似た円筒型で、上部にイネーブルドスピーカーを備えているのも同じなので、スピーカーとしてはほぼ同じかと思ったほどだ。詳しく紹介すると16mmツイーターと80mmウーファーの2ウェイ構成でパッシブラジエーターも備える。イネーブルドスピーカーは80mmのフルレンジでこちらは同等。ユニットのサイズは多少小さいが(もちろん他のワイヤレスリアスピーカーよりは大型化している)、アルミリングと銅キャップの採用など同様の設計思想で作られ、音色も揃えている。
こうしたそれなりのサイズのリアスピーカーを追加するメリットは、後ろから音が出るだけでなく、低音感の増強にも効果がある。しっかりとしたサイズのウーファーが低音も引き受けるので、低音がよく鳴るし、後ろから音が出るので、低音の広がり、包まれるような感じも得られるのだ。筆者としてはおすすめしないが、集合住宅などで、階下の家族や隣人からクレームがくるなどの理由でサブウーファーを使わない人もいるというが、そういう場合、リアスピーカーをきちんと低音まで出る大きめのものを選ぶという方法はそれなりに効果がある。
ここでの意見と、サブウーファー追加後では手のひらがぐるぐる回転するがごとく、言っていることが変わるが、サブウーファーなしの5.0.4chでも、それなりの低音感と迫力があり、住環境しだいではこれもありかとは思う。
BRAVIA Theatre Trio + ワイヤレスリア + ワイヤレスサブウーファー2個
では、サブウーファーの追加だ。
サブウーファー1台の場合は設置場所の自由度はほとんどない。教科書的な意味でサラウンドの5.1の「.1」を意味するサブウーファーの低音は80Hz以下再生するものとされていて、これには定位感はない。
だが、サウンドバー用のサブウーファーなどは、コンパクトなメインスピーカーの低音を補助するためもあって、もっと高い周波数まで担当するのがほとんどだ。経験的には多くは120Hzくらいまで出ているし、200Hzくらいまで聞こえるものもある。この場合は、当然定位感はある。どこから音が出ているかわかってしまう。だから、音の出ている位置があまり気にならない部屋の中央あたりに置きたくなるが、部屋の中央は定在波の影響が出やすくなるので、特に低音のダブつきが出やすい。
その結果、音を確認しながら位置を変更し、定位感があまり気にならず、定在波の影響も出にくい位置を探すことになる。しかし、サブウーファーが2台になるとその定位感が分散されるので、メインスピーカーの付近など左右対称でレイアウトすればほぼ正解となるし、左右対称をキープすれば設置位置の融通も利きやすい(部屋の四隅の邪魔になりにくい場所でもいい)。理由はほかにもあるが、これが、筆者がサブウーファー2台を推奨する理由だ。
今回の試聴では、BRAVIA Theatre Sub 9の位置は、フロントスピーカーのすぐ近くのほぼ真下とした(ほかに置ける場所があまりなかった)。2台を左右対称の位置には置いた。だが、サブウーファー1台で聞く場合は、置く位置はそのままで、左側にあるものだけを鳴らした。測定は都度やり直しているが、サブウーファー1台と2台の違いがわかりやすい形で聴き比べている。
BRAVIA Theatre Sub 9(オープンプライス/実売11万円)は、筐体がかなり大きめで、200mmウーファー×2という構成。しかも密閉型と、なかなか本格的な作りだ。
2基のウーファーは対抗配置となっているが、一般的なサブウーファーの対抗配置は、2基のドライバーを背中合わせとし、構造的にも2基のウーファーを連結させ、お互いの振動を打ち消し合う製品が多い。
一方のBRAVIA Theatre Sub 9は、2基が向かい合わせになった構造となっている。この構造でも不要な振動を打ち消せるだけでなく、不要な残響を最小とし、不要な音を出さない静かな低音再生ができるそうだ。
ユニークな構造だが、とにかく本格的な作りで、ウッド製のエンクロージャーはかなり剛性が高くて頑丈。当然重い。アンプ出力は600W。ワイヤレススピーカーなので、RCAやXLRといった接続端子は無いのだが、一般的な単体サブウーファーとして売っても、かなり良い出来なのではと思うほど、しっかりと作られたサブウーファーだ。
まず、サブウーファーを1台だけ追加した状態で聴いたが、迫力が違う。
きちんとローエンドまで低音が伸びるのはもちろん、その低音に雑味が無く、音の立ち上がりのスピードも十分に速い。キレのよい俊敏な低音が出ている。おかげでアクション映画での迫力に凄味が出るし、引き締まった低音の力強さが映画の音全体を引き締まったものにしてくれる。
そして、サブウーファーが加わることで、BRAVIA Theatre Trio側の低音バランスも変わる。
サブウーファー無しの場合は、BRAVIA Theatre Trioのスピーカーだけでそれなりの迫力の低音を出す必要があり、より低域まで音を出す、あるいは低音の量感を増やして低音感を増す。こうした調整がイコライザーなどを使って行なわれているのがわかる。
BRAVIA Theatre Trioだけの状態では、やや低音の量感が多めで、迫力はあるが、個人的な好みとしてはもう少し抑えてもいいかと感じていた。だが、BRAVIA Theatre Sub 9を追加すると、これまで低音のふくらみのせいでマスクされていた中低域の情報量が増え、明瞭度が上がり、音全体の見通しがよくなる。BRAVIA Theatre Sub 9の追加により、よりも低音はパワフルになっているのに、それでいて、いろいろな音がより聴きやすくなる。これがサブウーファー追加の大きなメリットだ。
一方で、BRAVIA Theatre Sub 9の低音にも、定位感はある。組み合わせるスピーカーに合わせているのだろうが、80Hz以下の音だけ出す設計というより、もう少し高めの周波数までカバーするように仕上げていると思われる。
BRAVIA Theatre Trioとの組み合わせを想定したサブウーファーなので、これ自体は仕方ない。サブウーファーから音が出ていることがわかるというだけだ。これが気にならない人や、置く場所の工夫で対応できるのであれば、BRAVIA Theatre Sub 9×1台で十分に満足できるグレードアップが可能だ。
筆者は満足できない側の人なので早速2台使いに移行する。2台とも電源を入れ、きちんと接続できていることを確認した後、再度アプリで「サウンドフィールド最適化」を行なってから試聴した。
BRAVIA Theatre Sub 9が2台になると、空間の広さがガラリと変わった。より広い場所の空気感が出るようになり、定位感も画面と同じセンター付近になるので、より自然なサウンドになる。
これにより、低音が左あるいは右というような偏った場所から聞こえる問題がほぼ解消される。左右で飛び交う銃撃戦のシーンでも、しっかりと左右で低音が鳴っている感覚になる。ステレオスピーカーと同じ理由で音の広がりも増すし、1台あたりの負担も少なくなり、ドライバーの振幅が減るので振動も減ると、いいことずくめだ。
このように、より静かで定位感が少なく、不要な振動も少ない「静かな低音」になる。サブウーファー1台あたりの負担が減るので、音の立ち上がりも向上し、瞬発力のある低音になる。“サブウーファーの良さ”がより良く感じられるようになるわけだ。
人間が去って自然が蘇り、豊かなになった世界。だが、感染者はまだまだ生き残っていた・・・。
BRAVIA Theatre Trio + ワイヤレスリア + ワイヤレスサブウーファー×2個の状態で、UHD Blu-rayの映画「28年後...」を鑑賞した。
人間を凶暴化させるウイルスが蔓延した世界で、生き残った人々をの戦いを描く物語で、「28日後...」、「28週後...」に続く作品。
タイトル通りパンデミックから28年が経過し、イギリス国民の大半は国外へ脱出したが、取り残された人もいた。住人たちは物資を拾い、なんとか生活しているが、感染者に襲われることもある。それらを打ち倒すことが一種の通過儀礼にさえなっていた。
時代的にはほぼ現代だと思われるが、パンデミックの結果、イギリス本土は豊かな自然と動物たちがあふれ、美しいとさえ感じる世界になっている。朽ちた文明の痕跡を覆い隠すように生い茂る木々や植物にあふれて美しい。野生の馬や牛などが集団で駆け回る様子が、低音をたっぷりと含んだ無数の足音として平原に響く。BRAVIA Theatre Trioでは、この平原の広大さが、広々とした音場を再生することで、よく伝わってくる。
低音がしっかりと鳴るのはもちろん、動物や鳥たちの鳴き声などは鮮明で、くっきりとした聴きやすい音だ。システムとしての再生能力が高いだけでなく、360SSMによる、音場の最適化効果もあって、かなりハイクオリティなシアターサラウンドシステムの音だと感じる。
感染者の群れに追われて、廃屋へと隠れた親子は眠れぬ夜を過ごすが、風鳴りや小動物たちが歩き回る気配がそこかしこから聞こえる。右や左、壁の向こうだけではなく、階下や天井の上からも足音がする。
こうした音の方向感が、ただの音の気配ではなく、重量感のある実音のような感触であちこちから聴こえる。これは怖い。そこに今度は感染者たちが襲ってくる。そのうめき声も不快だが、ドタドタとした足音や集団で迫ってくる様子がまさに命の危機を感じるレベルになる。この迫力と緊迫感が感じられてこその映画だし、ホームシアターだ。BRAVIA Theatre Trioは、その醍醐味を味わわせてくれる。
BRAVIA 7 IIの実力も素晴らしい。今年のソニーは本気度が違う!
この取材は5月の大型連休の期間を使って行なった。
筆者のシアタールームには、約200万円のセパレートAVアンプや大型スピーカーも設置してあるが、連休中はそれらを使わず、BRAVIA Theatre Trioを中心にしたシステムで映画を見ていた。しかし、実際ほとんど不満を感じなかった。
もちろん、詳しく聴き比べれば音質にしろ音場にしろ差はあるが、不満というほどにはならない。BRAVIA Theatre Trioは、見た目としてはサウンドバー + フロントスピーカーというシステムだが、音のクオリティとしては、Hi-Fi系のスピーカーや、AVアンプを中心に構成した本格的なシアターシステムとの差は、かなり狭くなったと感じた。
AVアンプを使ったシアターシステムの良さや魅力が色あせるものではないが、大きなアンプを用意し、大きなスピーカーを何台も並べる大変さと比べると、BRAVIA Theatre Trioの方が、多くの人のライフスタイルににフィットしやすいだろう。
しかもBRAVIA Theatre Trioは、フロントスピーカーが左右独立しており、Hi-Fiのステレオ再生環境に近いレイアウトで使えるというのは、手軽さと古来からの正統的なスタイルを兼ね備えてもいる。こういうシステムはもっと増えていいんじゃないかとさえ思った。
組み合わせたBRAVIA 7 IIについて、少し触れておこう。RGB Mini LEDバックライトはよく練り込まれたものになっていて、色の鮮やかさ、コントラスト感などはかなり優秀だと感じた。黒の締まりや暗部の階調表現についても、しっかりと見比べれば自発光の有機ELとは差があるが、のんびりといつも見るアニメなどを見ていると、少しおおげさだが、有機ELテレビを見ているような気になる。
有機ELテレビに見慣れていると、液晶テレビでは、こういうところがまだだ力不足だとか、悪い部分が気になりやすい。しかし、BRAVIA 7 IIでは、そうした部分が気にならないどころか、色の深みが見事だとか、HDRの高輝度の再現性など、感心することが多い。これが最上級モデルではなく、バックライトの分割数もより多く、驚くほど画面の映り込みが少ない低反射技術などを盛り込んだBRAVIA 9 IIもある。BRAVIAの2026年モデルは目が離せないと改めて実感した。
また、BRAVIAシリーズとしての連携操作も実に便利だ。一通りの設定すれば、BRAVIA Theatre Trioの基本操作はテレビのリモコンでまとめて扱えるし、設定をポップアップメニューで簡単に呼び出せるのも便利だ。こうした利便性も最新の薄型テレビとして重要なポイントになっていくものと感じた。
BRAVIA Theatre Trioに戻ろう。BRAVIA Theatre Trioだけであれば約30万円だが、ワイヤレスリアや2台のサブウーファーも追加すると、システムの総額は約60万円となる。
AVアンプを中心にしたシステムなら……と比べることは、もはや無意味だろう。より本格的なサウンドを求めてグレードアップすれば、結果として高価になるのは同じだ。BRAVIA Theatre Trioは、手軽に導入できるカタチでありながら、AVアンプを中心としたシアターシステムにも迫るサウンドに拡張できることに特徴がある。サウンド的に明らかな差も少なくなったので、使い勝手や住環境に合わせて選べばいい。
筆者がBRAVIA Theatre Trioに感心したのは、手軽さや利便性で人気を高めてきたジャンルの製品でありながら、その方面だけに進化するのではなく、AVアンプを使った本格シアターの良いところを積極的に取り込んだところにある。
サウンドバーのような手軽さがありながら、その枠を超える音質はもちろん、フロントスピーカーの左右独立配置、サブウーファー2台構成など、マニアックな楽しみまで備わっている。各社から高級サウンドバーも多数登場しているが、BRAVIA Theatre Trioは、手軽さと新しさがありつつ、本格的なシアターシステムとしての完成度を高めた、よく出来た製品だと感じる。オプションをフルで追加するとそれなりの価格にはなるが、まずはBRAVIA Theatre Trioだけでも十分楽しめる。ぜひとも、実際にその実力を確かめてほしい。








































