トピック
【特別企画】パナソニック、プラズマテレビ/PDP事業のこれまで
参入から一社集約、撤退までの変遷
(2013/11/12 11:38)
10月31日、パナソニックはプラズマディスプレイパネル(PDP)/プラズマテレビ事業からの撤退を発表した。2013年12月にプラズマディスプレイ(PDP)の生産を終了、2014年3月末で事業活動を終息する。
2000年台後半から国内各社のプラズマ事業は撤退と集約が進み、資産や人材の多くがパナソニックに集まっていた。パナソニックの撤退を受けて、業務用のプラズマディスプレイを手がける会社はあるものの、'90年台後半から今日まで、薄型テレビの普及と、その大画面化を牽引してきた「プラズマテレビ」は、国内においてはほぼ終息と呼べる状況になる。
いち早く大画面を実現し、自発光という特性を活かした液晶に対する画質面での優位などは健在なため、プラズマテレビのファンも多い。撤退発表の際には残念という声も数多く聞かれた。しかし、パナソニックは、「テレビ」自体を再定義し、クラウド連携や白物家電との連携、インフォーメションディスプレイとしての提案などを強化する方針を示し、次の展開を模索している。。
事業として振り返ると、パナソニックによるプラズマテレビの類販売台数は全世界で累計3,800万台。これだけの規模を誇ったプラズマ産業だが、販売推移を見ると、2007年頃から伸び率が鈍化し、2011年からは減少に転じている。
ここではパナソニックのプラズマテレビ事業がどのように始まり、どのように推移したか、過去の施策を時系列でまとめた。
黎明期~PDP事業部発足(1970年代~'98年)
1970年代
プラズマディスプレイ研究開始
1991年12月
NHKと共同開発契約(DCカラー型PDP開発開始)
1996年1月
米プラズマコ(Plasmaco)を買収(関連記事)
1996年2月
世界初ワイドプラズマディスプレイ(DC型)プラズマビュー「TH-26PD1」発売(98万円)
1997年5月
業界初42型ハイビジョンプラズマテレビ開発(NHK技研と共同開発)
1997年10月
ワイドプラズマテレビ(AC型)プラズマビュー「TH-42PM1」発売(150万円)
PDP事業部発足~「タウ」時代(1998年~2003年)
1998年8月
PDP事業部発足。デバイス~セットの一貫 開発生産体制に
1998年12月
42型プラズマテレビ「プラズマタウ TH-42PM2/S」発売(150万円)
*1999年 富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)設立
1999年10月
業界最大60型PDP発表
2000年7月
松下プラズマディスプレイ製造 設立
2000年7月
42型プラズマテレビ「プラズマタウ TH-42PM30/S」発売(110万円)
*2000年 BSデジタル放送開始
2000年10月
松下プラズマディスプレイ 設立
2001年1月
上海松下プラズマディスプレイ設立
2001年5月
BSデジタル対応50型HDプラズマテレビ「デジタルタウ(TH-50PH3/S)」発売(155万円)
2001年6月
茨木の第1工場(P1)量産開始
2001年8月
BSデジタルチューナ内蔵/42型プラズマテレビ「デジタルタウ(TH-42PM50/S)」発売(88万円)
2002年7月
BS/110度CSデジタル対応42型プラズマテレビ「プラズマタウ(TH-42PX10)」発売(95万円)
VIERA誕生~PDPパナソニック集約(2003年~2009年)
2003年9月
薄型テレビのVIERAブランド立ち上げ。3波デジタル対応の「VIERA TH-50/42/37PX20」発売(50型 110万円)
*2003年12月地上デジタル放送開始
2004年4月
茨木の第2工場(P2)稼働開始(建設発表は2002年5月)
*2004年7月 NECがPDP事業をパイオニアに譲渡発表
2005年2月
日立とPDP事業の包括的協業を発表
*2005年 富士通がFHP株式を日立に譲渡
2005年9月
尼崎の第3工場(P3)稼働開始
2005年11月
50型フルHDプラズマパネル開発
2005年10月
65型フルHDプラズマテレビ「VIERA TH-65PX500」発売(以降オープンプライス化)
2006年1月
世界最大103型フルHD PDP開発
2006年9月
世界最大103型フルHD プラズマテレビ「VIERA TH-P103PZ600」発売
2007年1月
42型フルHD PDP開発
2007年1月
尼崎の第5工場(P5)建設発表
2007年4月
世界初42型フルHDプラズマテレビ「VIERA TH-42PZ700」発売
2007年6月
尼崎の第4工場(P4)稼働開始
2008年1月
世界最大150型4K PDP開発
2008年4月
パイオニアとのPDP事業包括提携を発表
2008年9月
日立とPDP事業協業拡充。2009年モデルからパネル/モジュール供給
2009年1月
P5投資減額と稼働開始延期を発表
2009年5月
103型4K PDP開発(NHK技研と共同開発)
2009年9月
3D対応50型フルHD PDP開発
2009年11月
尼崎第3工場(P5)稼働開始
*2009年パイオニアがディスプレイ事業から完全撤退
一人旅~PDP事業終息(2010年~2013年)
2010年3月
フルHD 3D プラズマテレビ「TH-54VT2、TH-50VT2」発表(日本では4月発売)
2010年5月
58型4K PDP開発(NHK技研と共同開発)
2010年7月
世界最大152型4K 3Dプラズマディスプレイ「TH-152UX1」受注開始
2010年8月
P3一期設備の上海移設発表('11年10月に移設中止)
*2011年3月 (東北三県を除き)地上/BSアナログ放送終了
2011年4月
VIERA VT30/GT30シリーズ発表。ネットサービスVIERA CONNECT対応
2011年10月
P5休止とP3設備の上海移設中止を発表
2012年4月
145型8Kプラズマディスプレイ開発(NHK技研と共同開発)
2013年4月
VIERA VT60/GT60シリーズ発売。タッチペン機能付き
2013年10月
プラズマディスプレイ生産終了発表