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ソニー、32bitプロセッサ「QN1」で高音質化したNC+BTヘッドフォン「WH-1000XM3」
2018年9月5日 13:06
ソニーは、ノイズキャンセル機能付きBluetoothヘッドフォンの新モデル「WH-1000XM3」を10月6日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後。カラーはプラチナシルバー、ブラックを用意する。
従来モデル「WH-1000XM2」からの大きな進化点は、新開発の高音質ノイズキャンセリングプロセッサ「QN1」を搭載している事。前モデルのプロセッサよりも4倍の処理能力を備え、ノイズキャンセル性能をさらに向上させている。
個人の装着状態や、大気圧への最適化を行なう「NCオプティマイザー」と、ハウジングの外側に搭載したフィードフォワード、内側に搭載したフィードバック、2つのマイクで効率的にノイズを集音する「デュアルノイズセンサーテクノロジー」も継承している。
新プロセッサ「QN1」は、音質向上にも寄与。高い処理能力を活かし、ノイズを分析して逆位相信号を生成する「DNCソフトウェアエンジン」と、その逆位相成分と音楽データをミックスする部分の処理を、32bitで高精細に行なうようになった。
さらにQN1は、低歪率かつ高SN比のDACと、高品位なヘッドフォンアンプ機能も内包。これらを組み合わせる事で、音質を大幅に向上させている。搭載するドライバのサイズは40mm。
コーデックはLDACなどに対応。ハイレゾ以外の音楽を再生する際も、ハイレゾ相当までアップコンバートして再生する「DSEE HX」機能を引き続き搭載する。
スマホ向けアプリ「Sony|Headphones Connect」と連携可能。音質モードやノイズキャンセル機能の設定、外音の取り込みレベルなどを変えられる。使い勝手の向上として、新モデルではBluetooth接続が切断した際に、自動的に電源がOFFになるまでの時間がカスタマイズ可能になった。自動電源をOFFにしない事も可能で、音楽は聴かず、ノイズキャンセル機能だけを使いたいというニーズにも対応している。
装着性も向上。重さが従来モデルの275gから、255gに軽量化しているほか、イヤーパッドを低反発ウレタンを使った新しいものに変更。耳周りへの接地面積が約20%増加し、側頭部への圧力を分散。NC効果向上にも寄与しているという。
イヤーカップの構造も改良。人間の耳の角度に合わせ、イヤーカップもやや傾けて配置してた。これにより、音場の改善や、耳周りの空間を確保して装着性を高めている。
ヘッドバンドの形状も改良。頭部へのフィット感を高めるとともに、アーム部分が広がり過ぎないようにしている。これにより、頭が小さい人が装着した場合でも、アームと頭の間に大きな空間ができず、スリムなシルエットを実現した。
ハンズフリー通話にも対応するが、新モデルでは左チャンネルのハウジング部に複数の専用マイクを新たに搭載。ノイズキャンセル用マイクと、集音用マイクで、役割を分けることで、ユーザーの声をクリアに集音できるという。
Bluetoothのコーデックは、SBC/aptX/aptX HD/LDAC/AACに対応。プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/HSPをサポートする。
内蔵バッテリでの連続音楽再生時間は、Bluetooth接続で最大30時間。充電所要時間は3時間。クイック充電機能が強化され、従来は10分充電で70分再生だが、新モデルでは10分充電で5時間再生が可能になった。充電にはUSB Type-Cケーブルを使用する。
有線接続にも対応。1.2mのケーブルを同梱。ケースや航空機用プラグアダプタも同梱する。
音を聴いてみる
従来モデル「WH-1000XM2」と聴き比べると、驚くほど音質が向上している。「WH-1000XM3」の大きな特徴は、新開発の高音質ノイズキャンセリングプロセッサ「QN1」を搭載した事だが、高い処理能力を活かして信号処理を32bitで行なうようになったため、例えば弦楽器の響きや、ボーカルの余韻が広がる様子など、細かなサウンドが、従来機よりも非常に繊細に描写されている。
中高域だけでなく、低域の分解能もアップ。ベースの豊かな低音の中にある、微妙な表情の変化も、高精細な音で聴き取りやすい。
Bluetooth経由で聴いているとは思えない、情報量の多いサウンドであり、まるで有線で聴いているかのようだ。QN1が、DACやアンプも兼ねたプロセッサである事で、音の鮮度が高いまま出力されることも、音の進化に寄与しているのだろう。