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クリプトン、Bluetooth/PC/光接続できる約9万円の高音質アクティブスピーカー「KS-55」
2018年9月14日 12:00
クリプトンは、PCとのUSB接続や、光デジタル入力などに加え、aptX HD対応のBluetooth受信機能も搭載、スマホの音楽を手軽にワイヤレス再生できる小型ステレオアクティブスピーカー「KS-55」(ケーエス ダブルファイブ)を10月上旬に発売する。価格はペアで92,500円。カラーはレッドメタリック、シルバーメタリックを用意する。クリプトンのオンラインストアのみでの販売となる。
2010年に発売した「KS-1HQM」から展開している、ハイレゾ対応ニアフィールド・オーディオシステム「KSシリーズ」の新製品であり、その上級モデルである「KS-9Multi」の技術や思想を取り入れながら、コンパクトかつリーズナブルな価格に抑え、さらにユーザーからの要望が多かったというaptX HD対応のBluetooth受信機能を搭載しているのが特徴。
筐体はアルミの押し出しで、ラウンドフォルムを採用。剛性が高いほか、回折による反射や、筐体内での定在波の発生を抑える形状になっている。
ユニット構成は60kHzまでの再生が可能な30mm径のリングダイアフラムツイータと、63.5mm径ウーファの2ウェイ構成となっている。ユニットはどちらも、デンマークのTymphany製。クロスオーバー周波数は1,200Hz。再生周波数帯域は70Hz~60kHz。
エンクロージャはリアバスレフ。高さはKS-9Multiよりも一回り小さいが、奥行きはKS-9Multiとほぼ同じになっており、フォールデッドダクトによるチューンドバスレフ方式を採用。小型ながら豊かな低域再生を可能にしている。
内部のアンプ部にも、KS-9Multiの設計思想を投入。DDCとFPGAを搭載しており、入力されたデジタル音声データを、DDCで変換し、FPGAのDSPで処理、デジタルクロスオーバーネットワークを通して、ツイータ、ウーファのそれぞれに個別に用意したデジタルアンプに入力。ユニットを駆動する直前までフルデジタルで処理する事で、ハイレゾ音源を低歪、高SN比で再生できるという。また、ユニットを個別のアンプでドライブするバイアンプ構造とし、ドライブ力を高めている。アンプの総合出力は50W。
入力は、USB Type B、光デジタル、ステレオミニのアナログを各1系統搭載。デジタルデータは、192kHz/24bitまでサポートする。DSDには非対応。Bluetoothのコーデックは、SBC/AAC/aptX/aptX HDに対応。プロファイルはA2DPをサポートする。
外形寸法は109×203.4×159.5mm(幅×奥行き×高さ)。重量は、右チャンネルが約2kg、左が約1.9kg。
音を聴いてみる
KSシリーズは、PCやハイレゾファイルの再生と親和性の高いアクティブスピーカーとして評価されているが、スマホとも手軽にワイヤレスで連携できる手軽さと、コンパクトさを兼ね備えた“身近なKSシリーズ”という立ち位置になるだろう。
だが、音が出ると“まさにKSシリーズ”というハイクオリティで、フルデジタルアンプでドライブされたユニットから、鮮度の良い、高分解能で生々しい音が、ダイレクトに飛び出してくる。
小型になった事で、筐体の剛性や低音の不足を心配するが、まったく問題がない。アルミ自体はKS-9Multiより薄いとのことだが、むしろ小さくなって剛性が高まった事もあり、アルミの鳴きというか、金属質な響きはKS-9Multiより少なく感じる。よりナチュラルでモニターライクな再生音だ。
低域も、肺を圧迫するようなパワフルな音がしっかり出ている。高さは抑えられているが、奥行きはKS-9Multiと同等であり、フォールデッドダクトのパーツも同じサイズのものを使っているとのこと。サイズから想像できない迫力のサウンドが楽しめる。
aptX HDで、Bluetooth対応ポータブルプレーヤーからワイヤレスで再生しても、低域が肉厚でどっしりと鳴るため、とてもBluetoothで聴いているとは思えないリッチさだ。
市場のBluetoothスピーカーは一体型製品がほとんどで、広がりはさほど感じられないモデルが多いが、ステレオ構成のKS-55は、ピュアオーディオのブックシェルフスピーカーを聴いているようなイメージで、広大なステレオ音場が楽しめる。一体型Bluetoothスピーカーにも、同じ機種を2台買うと左右に置いて本格ステレオ再生できる製品は存在するが、KS-55の場合、最初から分離したスピーカーがペアになっているのがシンプルだが大きな利点と感じる。バーチャルサラウンド的な機能を使わず、鮮度の良い音でしっかりとしたステレオサウンドが楽しめる“正統派ワイヤレススピーカー”と言えるだろう。