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関東初ドルビーシネマ、遂に26日登場。MOVIXさいたまで新たな映画体験

埼玉県の映画館「MOVIXさいたま」に、いよいよ4月26日から「ドルビーシネマ(Dolby Cinema)」が導入される。関東で最初のドルビーシネマ劇場として注目される中、オープン前の24日に内覧会が開催され、内部が披露された。オープニング作品は「アベンジャーズ/エンドゲーム」で、同日午前0時から日本最速上映を行なう。

ドルビーシネマを導入した、MOVIXさいたまのシアター11

ドルビーシネマ対応となるのはシアター11。画面サイズは13.92×5.80m(幅×高さ)という大型スクリーンに、Dolby Vision映像が投写される。音響はDolby Atmosで、スピーカー数は非公開。座席数は292席で、うち2席が車椅子用。鑑賞料金(税込)は、ドルビーシネマ作品は鑑賞料金+一律500円。また、ドルビーシネマ3D作品は鑑賞料金+一律900円となる。所在地は埼玉県さいたま市にある大型ショッピングモール「コクーンシティ」のコクーン1 2F。

MOVIXさいたまの入口
コクーンシティ コクーン1
ドルビーシネマ(シアター11)のエントランス

ドルビーシネマは、ドルビーの最新鋭シネマ技術。HDR表示のDolby Visionと、立体音響技術のDolby Atmosを採用し、さらにシネマ体験に最適化されたインテリアカラー、空間デザイン、座席アレンジメントのシアターデザインも採用。これらが一体となって、「アクションやストーリーをより豊かに観客にお届けし、まるでスクリーン上の世界にいるような感覚を味わえる」という。

MOVIXさいたまのドルビーシネマオープニング作品は「アベンジャーズ/エンドゲーム」(ウォルト・ディズニー・ジャパン配給)。導入初日の4月26日午前0時から日本最速上映を行ない、先着限定特典も用意する。また、これに先がけて4月25日夜に前作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(20時15分~22時55分)も上映し、連続でシリーズ作を鑑賞できる。

ドルビーシネマ鑑賞料金

高輝度/高コントラストで高い没入感。座席数を絞って鑑賞体験を向上

国内初ドルビーシネマ対応劇場である福岡県のT・ジョイ博多に続いて、松竹マルチプレックスシアターズとしては初導入。本州初、関東初のドルビーシネマ対応劇場となる。同社は秋に、都内初のドルビーシネマを丸の内ピカデリーに導入することも発表している。なお、ドルビーは「対応劇場ではどこでも同様の体験をできるようにしている」とのことで、博多とさいたまの具体的な違いについては公表していない。

映像を投写するのは、専用のレーザー光源プロジェクター2台。従来のプロジェクターでは、明るさを示す値が14フィートランバート/48nitsに対し、Dolby Visionシステムのレーザープロジェクターは、2倍以上という31フィートランバート/108nitsを実現。輝度は従来比約2倍、コントラスト比は100万:1で従来比500倍以上としている。

2台のレーザー光源プロジェクターを使用

3D映像は、2台で右目用と左目用の映像をそれぞれ投写。3Dでも、明るさは従来プロジェクターの約2倍という14フィートランバート。これらの主な仕様は博多と共通のようだ。

黒の沈んだ高コントラストな映像を表示

天井にもスピーカーが設置されているのが見えるが、それだけでなく壁に埋め込まれたスピーカーもあるため、実際に使われている数はもっと多いという。

天井
側面にも、見えないがスピーカーを内蔵

博多と大きく違っていたのは、エントランス部のスクリーンのある通路「AVP(オーディオビジュアルパス)」。博多は10mはありそうな横長の映像が投写されていたが、MOVIXさいたまは、壁と床の3面に異なる映像を投写していた。オープン後には、作品のプロモーション映像などが投写されるという。

エントランスの左右側面と床面に映像を投写

ゆったりした座席で、ひじ掛けとドリンクホルダーも各席の左右で2つ用意。ドルビーシネマ対応前は、約420席あったものを、約290席に減らしているのは、こうしたゆったりしたスペースや、最適な映像/音響体験を損なわないためで、前の人の頭が映像に重なって観づらいということも無いように設計されている。

T・ジョイ博多のドルビーシネマに比べると席数はやや少ない(博多は348席、さいたまは292席)。既報の通り、博多でも実際に体験しているが、深く沈んだ黒、鮮やかな色再現などは同様であり、映像への高い没入感を体験できた。通路や座席の素材にも、余分な光の反射を防ぐ素材を使うなど、映画鑑賞の質を高めるこだわりも詰まっている。

シート部

MOVIXさいたまへのドルビーシネマ導入は当初、2018年内を予定していたが、「2019年ゴールデンウィークに導入する」として、4月26日への延期が発表されていた。この点についても劇場側としては「ドルビーの本国スタッフが来日して、十分な検討をするための準備期間をとった。その分しっかりした監修の上で作られている」と完成度の高さに自信を見せている。

映画館の個性が多様化する中で、4DXのように動く座席や特殊効果でアトラクションのように楽しむ方式も人気だが、ドルビーとしては「映像と音声で作品に集中、没入する」ことに特化した劇場として今後もドルビーシネマを訴求していくという。

オープニング作品「アベンジャーズ/エンドゲーム」に続き、5月3日からは「名探偵ピカチュウ」も上映。さらに、5月10日には邦画初のドルビーシネマ作品として、水谷豊監督の映画「轢き逃げ -最高の最悪な日-」の公開、5月31日の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」も控えている。

今後の上映作品例

主な上映予定作品

5月3日:「名探偵ピカチュウ」(配給:東宝)
5月10日:「轢き逃げ -最高の最悪な日-」(配給:東映)
5月31日:「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(配給:東宝)
6月7日:「アラジン」(配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン)
6月14日:「メン・イン・ブラック:インターナショナル」(配給:SPE)
2019年夏:「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(配給:SPE)
7月12日:「トイ・ストーリー4」(配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン)

「新しい映画の時代を牽引」。スポーツや音楽にも

松竹マルチプレックスシアターズの熊谷浩二社長は、5カ月に渡る工事期間で完成したことを振り返り、「ドルビーシネマという素晴らしい劇場を作り上げられた。配給会社とともに様々な作品を届け、(MOVIXさいたまがある)コクーンシティに来場いただき、盛り上げていきたい」と述べた。施工は大成建設、工事の担当は片倉工業。

松竹マルチプレックスシアターズの熊谷浩二社長

ドルビーシネマの技術概要と魅力については、ドルビージャパンの大沢幸弘社長が説明。「さいたま新都心が、新しい映画の時代を牽引するかもしれない。最近はスポーツや音楽でも“ドルビーライブ”が使われるようになった。不足しているスポーツのスタジアムやコンサートホール以上の迫力で、ドルビーシネマがスポーツや音楽ライブをお届けする機会があると思う」と、映画作品以外の可能性にも言及した。

ドルビーシネマのタイトルは現時点で210作品以上で、世界では400以上のスクリーンにドルビーシネマが導入済み、または導入予定だという。「映画に命を宿し、究極のシネマ体験をお届けするのがドルビーシネマ。ハリウッドの大作からインディペンデント、各国の地域作品、いずれでも最高の視聴体験を提供する。(都内初ドルビーシネマとなる)丸の内ピカデリーの秋のオープンも楽しみ」と述べた。

ドルビージャパンの大沢幸弘社長