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家庭用プロジェクタにも「レーザー光源」を積極展開。BenQの強みは密封性

ベンキュージャパンは17日、都内でホームシアター用・ビジネス用プロジェクターシリーズに関する説明会を開催した。引き続き4K解像度のプロジェクターを広く訴求すると共に、従来までは業務用プロジェクターで採用していた“レーザー光源”を、家庭向けにも積極的に展開していくという。

5月下旬から一般用としても発売されるレーザープロジェクター「LW820ST」

第1弾として、'18年冬にビジネス用として発売した短焦点レーザープロジェクター「LW820ST」を、5月下旬より一部量販店とECサイトで家庭向けに販売を開始する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は168,000円前後(税込)。

LW820STは、WXGA/1,280×800ドットのDMDデバイスを採用したモデルで、レーザー光源による3,600ルーメンもの高輝度性能を実現。大画面かつ明るい映像の投写ができる。また短焦点レンズの採用により80型で90cm、100型で113cmという短距離投写も特徴とする。「HD機ではあるが、レーザー光源による高輝度で明るい環境でも画が鮮明だ。壁際に設置しても大画面が投映できる短焦点の強みは、家庭のリビングで活躍できると考える」という。

口径の大きな単焦点レンズを搭載

同社はレーザー光源のメリットとして、高輝度、メンテナンスフリー(長寿命)、瞬時の電源ON/OFF、設置の利便性などを挙げる。「世界的に、プロジェクターにおけるレーザー光源の採用が拡大している。そこには、高輝度や長寿命2万時間という、従来の水銀ランプには無かったメリットがあるためだろう。レーザー以外にはLED光源と言う選択肢もあるが、まだ出力が弱く、高出力なLEDは非常に高価だ。比較的安価に、高出力な性能が出せるレーザー光源は今後プロジェクターで大きな主流となるだろう。我々も今後レーザー光源を積極的に展開したい」と説明する。

同社のレーザー光源採用モデルには「BLUE CORE LASER」と呼ばれる光学システムが使われている。複数個の青色レーザーダイオード光を蛍光体ホイールで白色化し、カラーホイールでRGB分光した後、DMDデバイスで反射・投映させる。

3LCD方式(写真左)とレーザー光源を採用したDLP方式(右)の比較

基本的な仕組みそのものは同方式を採用する他社と変わらないが、BenQの強みは、光学部の「密封性」にあると話す。「プロジェクターのトラブル発生箇所は主に3つ。光源、カラーホイール、そして基板だ。その原因のほとんどがホコリによるところが大きい。レーザーは半導体でもあり、ホコリに一段と敏感。我々は光学部を密封させることで防塵性能を強化し、IP5Xの試験もパスした。光学部の防塵処理が長寿命にも寄与している」という。

説明会には、同社プロジェクター製品の映像部分を担当するエリック氏が登壇し、30日より発売を開始する4Kプロジェクター「HT5550」も改めて紹介。

HT5550は、第4世代の0.47型DMDパネル(16:9)を搭載し、画素ずらしによる4K映像を実現したプロジェクター。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は34万円前後(税込)。センターレンズレイアウトを採用し、11枚のオールガラスレンズにより、従来よりも鮮鋭な描写ができる。HDR規格はHDR10とHLGをサポート。光源は高圧水銀ランプで、明るさは1,800ルーメン。

4Kプロジェクター「HT5550」

エリック氏はHT5550について「DCI P3色域を100%カバーするデジタルシネマ品質が特徴。HT3550などの下位機との光学的な違いとしては、レンズとカラーホイール、カラーフィルターの有無、DMDドライバーなどが挙げられる。カラーホイールについては、サイズ、形、コーティングなどを見直し、HT5550用に最適化させている」という。

Eric HC Tsai氏