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東芝、55型で29万円の“手頃な”最高画質4K有機ELレグザ「X830」

東芝映像ソリューションは、BS4Kチューナー2基を搭載した4K有機ELテレビ「REGZA X830」シリーズを6月下旬より発売する。サイズは65型「65X830」と、55型「55X830」の2種類。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は65型が49万円前後、55型が29万円前後。

65X830

【REGZA X830】

・65型 4K有機EL 「65X830」 店頭予想価格49万円前後 6月下旬発売
・55型 4K有機EL 「55X830」 同29万円前後      6月下旬発売

4K有機ELテレビ「REGZA X930」シリーズからタイムシフトマシン機能を省き、一部インターフェイスを変更した兄弟モデル。映像処理エンジンや高画質化機能、有機ELパネルはX930と同じで「映像クオリティは最上位モデルと変わらない。価格差6万円の手頃な“レグザPro”」という。

X930とX830の主な違いは、タイムシフトマシン機能の有無や、HDMI端子の入力数、同軸デジタル音声出力の有無など。そのほかの違いは下記仕様の通り。

なお同時発表された、有機ELレグザのトップエンド「X930」シリーズと、レグザ純正テレビローボード「RWB-S150A」は別記事で紹介している。

X930とX830の仕様比較
REGZA X930シリーズ(写真左)と、X830シリーズ(写真右)

明るさ×コンテンツ×色温度で画質を自動調整する「リビングAIピクチャー」

65/55型ともに4K/3,840×2,160ドットの有機ELパネル(OLED)を搭載。ガンマと輝度特性をチューニングした'19年仕様の最新パネルとなっており、従来モデルと比べてコントラスト性能と階調性が向上しているという。

55X930

AI技術を取り入れた「リビングAIピクチャー」を新搭載。視聴環境(設置場所や時間帯、周囲の明るさ)とコンテンツ情報を加味して自動調整する従来の「おまかせオートピクチャー」を進化させたもので、センサーが周囲の色温度を検出することで環境に即した自動調整の精度を高めている。

スタジオやポストプロダクションといった映像制作の現場やクリエイターらの使用も想定し、映像分析・設定機能を強化。X930同様、「EOTFモード」、「色空間モード」、「MaxCLLモード」を搭載。各項目をマニュアル設定して映像確認ができる。入力信号の詳細情報表示やヒストグラムの分析情報表示なども引き続き備える。

リビングAIピクチャー
映像分析・設定機能

X930シリーズと同じ「レグザエンジン Professional」を搭載

X930シリーズと同じ映像回路「レグザエンジン Professional」を採用。前世代のエンジンと比べ、AI超解像技術が新たに追加されており、4K・地デジ放送の高画質化を図った。

映像処理エンジン「レグザエンジン Professional」

AI超解像技術の1つ「深層学習超解像」は、シーンごとの画質の違いを自動判別し、シーンに応じて適切な超解像処理を施すというもの。リビングAIモード試聴中に、通常よりもギラつきが顕著な映像(ドローンの空撮映像など)が入ると、ヒストグラム情報をもとに超解像処理を弱めるなど、リアルタイムかつフレキシブルな超解像処理を行なう。

AI超解像技術「深層学習超解像」

4K放送や地上デジタル放送など、原画が60i/60pのコンテンツに対して、映像の種類と動き量に応じてノイズ処理と複数フレーム超解像処理を適応させる「バリアブルフレーム超解像」や、映画などの24pコンテンツを高精細化する「アダプティブフレーム超解像」を搭載。

AI超解像技術「バリアブルフレーム超解像」

従来機種にも搭載されていた「AI機械学習HDR復元」と「美肌リアライザーHDR」などは新しいアルゴリズムを採用することで、前者はアニメ素材におけるHDR復元の高精度化、後者はHDR映像における人肌部分の質感・階調再現の向上が行なわれている。

なおHDRは「HDR10」、「HLG」(ハイブリッドログガンマ)、「Dolby Vision」、「HDR10+」(認証)の4方式をサポートする。

65型と55型で異なるユニットを使ったオーディオシステム

画面サイズに合わせて、それぞれ異なるユニットで構成した「有機ELレグザ オーディオシステム」を搭載。65型は新開発ダブルウーファー(4cm)とシルクドームツイーター(3cm径)で、総合出力は56W。55型は新開発ウーファー(3.5×7.5cm)とシルクドームツイーター(3cm径)で、総合出力は40W。

高精度全帯域補正を使い、フラットで明瞭な音質と自然な音像定位の実現するVIRイコライザーや、放送などの音声圧縮時に失われた微小信号を復元し、圧縮前の豊かな倍音成分を含む音質を再現するレグザサウンドリマスターを搭載。自然な音像定位と豊かな音質、多彩な音響効果を実現したという。なおドルビーアトモスには対応しない。

65型のスピーカーユニット(写真手前)
55型のスピーカーユニット

BS 4Kチューナーは2基搭載。Google/Alexa/ClovaのスマートSP連携も

搭載チューナーは、地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2。別売のUSB HDDへの録画に対応する。地デジ/BS/CSは2番組の同時録画に対応。4K放送の録画は1番組のみ。X930と異なり、タイムシフトマシン機能とスカパー! チューナーは搭載しない。

レグザのネットサービス「みるコレ」を使えば、AIレコメンドシステムが抽出したオススメ番組がピックアップされ、「これからの注目番組(未来番組)」や、「おすすめの番組(録画済み番組)」に一覧表示してくれる。またみるコレパックを使った、おまかせ録画にも対応する。

みるコレ

映像配信サービスは、Netflix、YouTube('19年秋対応)、AbemaTV、Hulu、dTV、U-NEXT、DAZN、TSUTAYA TV、DMM.com、スカパー! オンデマンド、ひかりTV 4K、クランクイン! ビデオ、アクトビラ ビデオ・フルに対応する。リモコンのダイレクトボタンはNetflix、YouTube、AbemaTV、Hulu、dTV、U-NEXTの6つ。スマートスピーカーから音声で操作できる機能を搭載。Googleアシスタント、Amazon Alexa、LINE Clova搭載デバイス・スピーカーに対応する。

X830シリーズのリモコン

インターフェイスは、HDMI入力が4系統(全端子18Gbps対応)。コンポジット映像・LRアナログ音声入力が各1系統。光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力を各1系統用意する。USB端子は2系統。電源は着脱式。B-CASは付属せず、ACASチップを内蔵する。

スタンドはX930と異なるが、直立タイプではなく、後ろに数度傾斜したデザインとなっている。

消費電力は65型が464W、55型が355W。年間消費電力量は65型が191kWh/年、55型が168kWh/年。

スタンドを含む外形寸法/重量は65型が144.7×24.1×87.6cm(幅×奥行き×高さ)/34.5kg、55型が122.6×20.3×75.1cm(同)/23.5kg。

X830の背面
背面端子
ディスプレイ正面の右手側面にある、着脱式の電源