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“新世代レグザ”誕生、4K120p/Android TV「X8900K」。ZR1エンジン
2021年5月25日 15:00
TVS REGZA(旧東芝映像ソリューション)は、新開発の映像エンジンとAndroid TVを搭載した、4K有機ELレグザ「X8900K」シリーズを6月下旬より発売する。65型、55型、48型の3サイズをラインナップ。すべて価格はオープンプライスで、店頭予想価格は231,000円前後(48型)から。
- 65型「65X8900K」 約440,000円前後 6月下旬
- 55型「55X8900K」 約286,000円前後 同上
- 48型「48X8900K」 約231,000円前後 同上
4K有機ELレグザ「X8900K」シリーズ
'20年6月に発売した、4K有機ELレグザ「X8400」シリーズの後継機種。映像処理回路「レグザエンジンZR I」と、同社初のAndroid TV OSの採用がトピックで、長年培ってきた高画質処理システムと快適操作が融合した“新世代レグザ”となる。
PlayStation 5やXbox Series Xなどの最新ゲーム機が対応する、HDMI2.1もサポート。4K120p入力やVRR、ALLM、eARCのほか、ゲーム出力映像に合わせて自動で最適なモードに設定するオートゲームアジャスト機能、0.83msの低遅延モードなど、ゲームユーザが求めるゲーミングテレビスペックを実現した。
なお、同時発表の4K液晶レグザ「Z670K」シリーズは、別記事で紹介している。
5年振りにエンジンを刷新。パネル表面は低反射のハーフグレアに
新世代レグザの高画質を実現すべく開発された「レグザエンジンZR I(ゼットアールワン)」を搭載。エンジンスペックはそのままに、アルゴリズムを刷新するなどして画質処理をアップデートしてきた直近のシリーズとは異なり、ZR Iは性能や処理速度を大幅に高めた新しいエンジンとなっている。
エンジンそのものの更新は「約5年振り」とのことで、「レグザ誕生から15年、今までで一番大きく進化したエンジンと言っても過言ではない。ZR Iだからこそ、レグザならではの高画質とAndroid TVの快適操作を融合できた」(ブランド統括マネージャーの本村裕史氏)という。
4K/3,840×2,160ドットの有機ELパネル(倍速対応)を搭載。X8900Kでは、有機ELレグザで初というハーフグレアを採用。パネル表面を低反射加工にすることで、映り込みを抑制している。
本村氏は「『有機ELテレビは魅力的だが、リビングに設置した際、部屋にあるものや見ている自分が映り込むのが気になる』という市場の声も少なからずある。また一瞬の隙で勝敗が決まるようなゲームプレイ時についても、反射が映り込むことで、ゲームへの集中が阻害されてしまう要因になる。今回はリビングやゲーミングを意識し、あえて低反射加工を採り入れた」と採用した狙いを説明する。
独自のガンマ特性や輝度特性など、レグザ専用チューニングにより、高いコントラストと高い階調性を実現。65・55型モデルにおいては、高輝度・高コントラストを実現する自社開発の高放熱プレートを、有機ELセルとメタルバックカバーの間に挿入している。
今春発売の上位機種「X9400S」シリーズなどに搭載していた、ナチュラル美肌トーンを追加。
レグザがリアルタイムに映像内の人肌を分析することで、撮影環境の違いや視聴環境の影響による人肌部分の不自然さを自動で補正。“赤かぶれ”や“緑かぶれ”といったカラーシフトや、明部の失われた階調や色、シャドー部分の黒ずみ、ディテールの喪失などを検出・改善することで、人肌の立体感や質感が向上し、自然で美しい表情を再現できる。
視聴環境の明るさや色温度の違いをリアルタイムに検出し、最適な画質に自動調整する「おまかせAIピクチャーZR I」を搭載。さらに電球色照明での視聴時、コンテンツに応じた色温度調整を最適化する(色温度をより下げる)チューニングを実施したことで、夜間に浴びると睡眠の導入を妨げるとされるブルーライトも約20%削減している(55X8400と55X8900Kを比較した場合)。
放送向けの高画質化機能「地デジAIビューティZR I」は、放送波のさまざまなノイズを低減。テロップまわりのノイズや動きのある映像で発生する動きボケを抑えることで、クリアな映像を実現する。
クラウド上にある番組やジャンルごとの映像調整パラメータを利用し、高画質処理を行なう「クラウドAI高画質テクノロジー」も引き続き搭載。5月24日現在、BS4K、BS、地デジなど計347番組のパラメータが用意されており、該当を番組視聴すると、番組毎に最適なパラメータが反映されるようになっている。
ネット動画向けの高画質化機能「ネット動画ビューティZR I」も搭載。これはネット動画の特性に合わせて高画質処理することで、コントラストや精細感を向上するもの。低フレームレートコンテンツもなめらかに再生できるうえ、新搭載の「ナチュラル美肌トーン」によって自然な人肌を再現し、ネット動画も高画質に楽しめるという。
対応するHDR規格は、HDR10、HLG、HDR10+、HDR10+ ADAPTIVEに加え、新モデルではDolby Vision IQもサポートした。
なお、新モデルでは映像分析情報表示(輝度分布、質感特性、輝度推移、周波数ヒストグラムのリアルタイム表示)など、一部の機能が削除されているとのこと。
新デザインになったレグザリモコン。Netflixは非対応に
搭載するサウンドシステムは「重低音立体音響システムXP」へと進化。
ダブルのフルレンジスピーカー、クリアツイーター、ダブルパッシブラジエーターを密閉型スピーカーボックスに配置。実用最大出力72Wのマルチアンプ駆動により、伸びやかかつクリアな高域再生とパワフルな低音再生を備えた。
またDolby Atmosも初サポートし、立体的で迫力のあるサウンドが楽しめるという。
Android TV OSの採用に合わせ、レグザリモコンも新デザインに変更。
従来のレグザリモコンのキー配置を踏襲しながら、YouTubeなどのネット動画ダイレクトボタンをリモコンの上部に設置した。ダイレクトボタンはABEMA、Hulu、U-NEXT、YouTube、Amazon Prime Videoの5つ。従来モデルでは視聴可能だったNetflixに関しては、新モデルでは非対応となった。
Netflixボタンに変わり、新たに用意されたのが「My.Choice」ボタン。レグザがオススメするアプリの中からネット動画アプリや、HDMI接続した外部機器を登録でき、ボタンひとつですぐに起動可能。「お気に入りのアプリはもちろん、Fire TV StickなどのデバイスをMy.Choiceボタンに割り当てる使い方がオススメ」としている。
なお、My.Choiceボタンへの割り当て機能は、'21年秋のソフトウェアアップデートで対応予定。
搭載チューナーは、BS/CS 4K放送×2、地上・BS・110度CSデジタル×3。別売のUSB HDDを用意すれば、2K放送の2番組同時録画や、4K放送の裏番組録画が行なえる。
録画した番組は、録画リストやシーン出演者リスト、ざんまいスマートアクセスなどからアクセス可能。ユーザの見たい映像コンテンツを見つけ、手軽にアクセスできる「みるコレ」の思想を引き継ぎながら、Android TV用のインターフェースにUIをアップデート。快適な操作性を実現しているという。
別売のタイムシフトマシンハードディスクを接続することで、“タイムシフトマシン内蔵”のような操作を実現するタイムシフトリンクに対応。リモコンの専用ボタン「タイムシフトリンク」で、初めにジャンプ、過去番組表、ざんまいスマートアクセスメニューが呼び出せる。
有機ELレグザ初のHDMI2.1対応。遅延時間は0.83msecに大幅短縮
有機ELレグザ初となる、HDMI2.1をサポート。自動的に低遅延モードに遷移するALLMのほか、4Kのハイフレームレート映像が楽しめる4K/120p入力、映像のちらつきやカクツキを軽減するVRR、高音質音声データのHDMI伝送に対応するeARCに対応した。ALLM以外は、'21年秋のソフトウェアアップデートでの対応となる。
HDMI2.1以外にも、ゲーム機の出力映像に合わせて、自動的に最適な映像を再現する独自の「オートゲームアジャスト」機能やゲーム専用高画質モードを用意した。
さらに、前機種X8400では約9.2msecだった遅延時間を、0.83msecまで短縮(1080p/120Hz入力時)し、有機ELレグザ史上、最も遅延の少ないゲームモードを実現。「0.83msecの低遅延表示により、有機ELや液晶といったデバイス間での遅延差がなくなった。遅延を気にして、これまで液晶を購入していたユーザにも、X8900Kは自信を持ってオススメできる“ゲーミングテレビ”になった」(本村氏)という。従来モデル同様、2,560×1,440/60HzのPCゲーム入力にも対応する。
インターフェイスは、HDMI入力が4系統。うち2系統が、HDMI2.1をサポート。ビデオ入力(映像・音声LR)、光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力、LANを各1系統用意。USB端子は3系統。
消費電力は、65型が421W、55型が333W、48型が257W。
スタンド含む外形寸法と重量は、65型が144.9×32.5×89.8cm(幅×奥行き×高さ)で27kg、55型が122.6×22.9×75.3cm(同)で19.5kg、48型が106.8×22.9×66.3cm(同)で16.5kg。